3種類のメッキが揃う最新NCF電源端子の魅力を福田雅光氏が検証
【AAEx2020 グランプリ受賞】フルテックの電源プラグ&コネクター「FI-48/46 NCF」シリーズ
3種類のメッキ仕上げ、それぞれの音の特徴をレポート
■ロジウムメッキタイプ、FI-48M NCF(R)+FI-48 NCF(R)
圧倒的に高性能な音を発揮する
電極材はいずれも純銅で、3モデルともに共通となっている。ハウジングには、ロジウムメッキと銀メッキはステンレス合金が採用されている。このロジウムメッキタイプは、高純度で低歪み、高解像度で、このタイプの中では圧倒的に高性能だ。これは、FI-50と甲乙つけ難いレベルに達している。
輪郭を克明に描き、音は正確で、彫りが深く、コントラストも高く得られる。また、曖昧さの発生がたいへん少ない。高域も高SN比で澄みきり、繊細な特性で優れている。美しく高級感のある外装が好みというのであればFI-50を選ぶことでいいが、筆者としてはより一層進化しているFI-48(R)を薦める。
■銀メッキタイプ、FI-48M NCF(Ag)+FI-48 NCF(Ag)
高純度で新しい魅力を備える
電源端子で銀メッキの採用は珍しい。下地のメッキ処理はしていないそうだ。このモデルは、初めて聴く新たな魅力を感じる。音の純度が高く、滑らかさのある音質が基調になり、中高域は光沢感のある美しい色彩感がある。歪み感の少ない音質が織りなす、柔らかく気品のある音である。
低音弦楽器の起伏はかなりしっかりと表現し、その響きはエレガントさがある。高域特性は、金メッキよりもSN比や解像度の繊細性が高く、優っている。柔らかさと美しさと気品。そしてクオリティの高い芸術性が魅力とみた。中低域のエネルギーも十分に備えている。これは写実性を追求するには考える点もあるが、金メッキよりも面白いのではないだろうか。
■金メッキタイプ、FI-46M NCF(G)+FI-46 NCF(G)
解像度のしっかりした性能を持つ
金メッキタイプのハウジングには、アルミ合金素材が採用されている。この製品は、あまり従来の金メッキらしくない音の印象がある。輪郭表現がしっかりして、解像度も良好である。中低音も締まりを効かせ、力強さを出している。
低音弦楽器の響きは多少コントラストが和らぐが、エネルギー分布が自然に安定したバランスでまとまっている。高域特性も甘さは少ない。ヴォーカルのニュアンスや表情がすっきりと描かれている。金メッキタイプとしては解像度のしっかりした性能であるため、従来の金メッキファンに向いているのかは分からない。