[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第245回】
逆襲のポタアン、イヤピ史上異例の行列…『ポタ研2020冬』注目アイテムを“超個人的ランキング”で紹介
そしてイヤピとしては異例なレベルに行列ができていたのが、今回が初出展となるLIZER LABの「JIJU」。既存のイヤホンに装着することで、頭外定位や距離感の表現を実現するという新発想アイテムだ。
普通のイヤピの前後を逆にして内側に金属製フェーズプラグを仕込んだかのような異形はインパクト抜群!話を聞いただけでは半信半疑であろう特殊なアイテムである上に、値段が4,000円弱とイヤピにしては高価なため、気軽には買いにくい。しかも現在はまだ店頭で実際に試聴できる環境が整っていないため、「この機会に試したい!」とユーザーが殺到したようだ。
筆者は別の機会に試させていただいたことがあるのだが、頭外定位の完全実現とまではいかないものの、「頭内定位の低減」は十分に感じられた。例えば動画視聴時など、画面の方から音が聞こえてきてほしい用途でも力を発揮してくれそうだ。
価格面もたしかにイヤピとしては高価だが、頭外定位を実現するというイヤホンやヘッドホンと比べれば圧倒的にお手頃ではある。自身の生活の中で使いどころを見つけられれば、面白いアイテムなのではないだろうか。
とはいえ頭外定位の実現を謳う製品の全般は、効果の出方に個人差が大きい。無試聴購入のハードルはやはり高めだ。購入前に試聴できる環境が今後増えていってほしいところだ。
【番外】イヤホンズイヤモニ新モデルお願いします!
行列といえば、オンキヨーのマグネシウム振動板BAドライバー採用モデルを含むカスタムIEM新シリーズ。去年2019年の春のヘッドフォン祭の参考出展から今回まで、どのイベントでも行列となっており、取材時間の都合で筆者はいまだに試聴できていなかったりする。
だがしかし!イベントを跨いで行列が途切れないということは、評判が評判を呼んでいるに違いない!ならば期待したい!オンキヨー×イヤホンズのオリジナルカスタムイヤモニの新モデルを…!
イヤホンズのみなさん、特に高橋李依さんはイヤホンズとしての出演ではないステージでも、こちらのイヤホンズイエローモデルを着用しているお姿が多く目撃されており、しっかり使い倒してくれているようだ。
2015年のけやき広場からのSTORYを噛み締めてしまいます。
— 高橋李依 (@taka8rie) December 8, 2019
イヤホンズ仕様のイヤモニをお守りしてのからかいサプライズ!ありがとうございました!!#anisama https://t.co/LqEhdEgK1n
ならば、イヤホンズモデルから四年が経とうとしている今、進化したオンキヨーイヤモニを進化したイヤホンズに試してもらう時が来ている!
ぶっちゃけ市販はしてもしなくてもいいので、イヤホンズへの新イヤモニ提供、ご検討よろしくお願いいたします。
【第3位】ラズパイ系DAP登場!
これぞポタ研!的なところからはこちらを紹介。blue-7さん出展の「NanoPi NEO Core2 DAP」だ。
名前と写真からお分かりのことだろう。いわゆるラスパイ派生ワンボードコンピュータのひとつである「NanoPi」をコアとしてDAPを作っちゃいました!というアイテムだ。なお、ラズパイDAPとしては、筆者は迂闊にも見落としてしまったのだが、jinsonさんの「NosPiDAC Tube」も出展されていたようだ。
これらのラズパイ系DAP、ディスプレイの小ささやタッチ非対応でボタン操作といったところから想像できるかと思うが、一般的な操作性を備えていたりはしない。しかし「DAPも自作できるよ!」を示したことは、今後のこの分野の可能性を大きく広げる一歩と言えるだろう
……いや「作れそうだったから作っただけだ。後悔はしていない」的なやつですよね、たぶん。