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【PR】ハイエンドにも並ぶ自然な描写力

Unique Melody「MEST」レビュー。骨伝導+静電型ハイブリッドの“良い違和感”に満足

公開日 2020/05/29 09:50 高橋 敦
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あえて “違和感” という言葉を用いるなら、異種ハイブリッドの5ウェイあるいは4+1ウェイという複雑な構成のマルチドライバーでありながらも、作り込まれすぎた世界観にはなっていない、というところで、好ましい意味での “違和感” があると言えるかもしれない。

異種ハイブリッド構成ながら、サウンドはナチュラルで忠実な再現力

そこは、悠木碧さんの声だけでサラウンド的に構築された楽曲「レゼトワール」を聴いたときに特に強く感じられた。人の声は人間の耳にとって、もっとも馴染み深い音。だからこそ、人はその変化に敏感だ。

このイヤホンで聴く声には、心地よい手触り感、強めながらもキツくならない質感の表現がある。声の立ち方も素直で、笛の音のようにすっとしたアタックで、かっちりしすぎた滑舌にはならずにすっと耳に入ってくる。

合わせて空間表現も自然。異様なまでにクリアでバーチャルリアリティ感のある空間表現もそれはそれでありなのだが、このイヤホンではとてもナチュラルだ。ひとつひとつの音を明瞭に描き出しつつも、それらを個々にセパレートしすぎずに、豊かな響きの成分による繋がりや重なりを生かした描写、空間配置となっている。

こういった質感表現や空間の馴染みの素晴らしさは、ESTドライバーをうまく使ったモデル共通の特徴と言えるかもしれない。だがESTドライバーが担当する超高域でその持ち味が生きているのは、その下の帯域のダイナミック+BAの部分にまで至る素直なつながりもあってこそだろう。

Mahalia「Karma」はゆったりとした雰囲気のR&Bナンバー。こちらではまず、このイヤホンが現代的なワイドレンジを確保していることも確認できる。ダイナミック+BA+ESTのハイブリッド構成らしい部分だ。

印象的なのは、ドラムスやベースのアタックからリリースまでの推移の滑らかさ。例えばスネアドラムのそれがカツンと硬質で速かったりすると、グルーヴ、ひいては全体のヒップホップ的なニュアンスが強まる。

しかしこちらで聴くと、その部分もナチュラルなので、少しゆったりとしたR&Bのニュアンスが生かさるわけだ。この曲本来の雰囲気としてはこちらが正解だと思う。深く濃いリバーブ、少ない音数でのピッキングニュアンスが際立つギターなど、他のポイントの描写も見事なものだ。



MESTの印象をまとめると、技術面では先鋭的で挑戦的ながら、音作りには作為がなく基本に忠実である。独創的なドライバー構成やカーボンシェルのルックスなどからガジェット的な満足感を、そしてサウンドからはオーディオ的な満足感を、このワンアイテムで手にすることができるだろう。

(企画協力:ミックスウェーブ株式会社)

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