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【特別企画】AQCOLORシリーズ最高画質を実現

高いレベルの編集作業を求める人に!BenQの実力派カラーマネジメントモニター「SW321C」レビュー

公開日 2020/06/05 07:02 藤井智弘
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■作業効率を高めてくれる独自の付属アクセサリー

他にはないBenQ独自のユニークな付属アクセサリーの存在も見逃せない。それがPCモニターから独立したOSDコントローラー「ホットキーパックG2」だ。一般的にPCモニターの各種設定は、筐体ベゼル右下に設置されたOSDボタンで行うものがほとんどだが、正直、これがお世辞にも使いやすいとは言い難い。しかし本機は、付属のホットキーパックG2により、各種設定を手元でスムーズに操作することが可能だ。


OSDコントローラーの「ホットキーパックG2」。手元で画面表示の設定が変更できる。中央はダイヤルキー。そして3つのコントローラーキーとローテンションキー、リターンキーが並ぶ。

また、ホットキーパックG2には、カスタマイズ可能な3つのコントローラーキーが備えられているが、デフォルトでは「1」にAdobe RGB、「2」にsRGB、「3」にモノクロと、3種のカラーモードが割り当てられている。そのため、キャリブレーションを行なったAdobe RGB表示で編集、Webでの見え方をsRGB表示で確認、モノクロ作品の仕上がり確認にモノクロ表示と、必要に応じてワンタッチでカラーモードを切り替えることができる。


カラーモード「Adobe RGB」の表示(写真左)と「モノクロ」の表示(写真右)。「モノクロ」は、画面表示をモノクロ表示に切り替えているだけなので、画像データ自体はカラーのままだが、モノクロ写真をレタッチで作る際など、事前にモノクロにした際の仕上がりがイメージできるので便利だ。


筐体にもOSDボタンを備えており、ホットキーパックG2を使用せずに本体側で表示設定を変更することももちろん可能だ。

一方、ほとんどのPCモニターではオプション扱いとなる遮光フードが、標準で付属している点もポイント。遮光フードは、余計な光の写り込みや反射を効果的に低減してくれるため、カラーマネージメントモニターの実力を引き出すには不可欠なアイテムなので嬉しい心遣いだ。作りもしっかりとしており、組み立てや取り付けも簡単。天面部にはスライド式の窓も備えており、フードを外すことなくキャリブレーターをセッティングできるように配慮されている。


付属の遮光フードを装着したところ。樹脂製でガッチリとしており、筐体にもしっかり固定される。また単純に色が黒いだけでなく、フードの内側には植毛が施されており、内面反射にまで配慮されている点も好印象だ。


遮光フードには天面にスライド式の窓があり、そこからキャリブレーターを通すことができる。そのためフードを外すことなくキャリブレーションが可能だ。

本機は、作業しやすい32インチの大きな画面や、広い色域を持つ高精度のパネル、そして使いやすいキャリブレーションシステムにより、確実な編集作業を実践できる実力派モデルだ。階調もジャンプせず滑らかに再現するので、トーンカーブを使った微妙な調整も安心して行うことができた。映像制作にも適しており、写真から動画まで、高いレベルの編集作業を求めている人に特におすすめできるPCモニターといえるだろう。


カラーマネージメントモニターで本格的に写真編集を行うなら、部屋の環境光にも気を配ろう。筆者は窓に遮光カーテンをつけて外からの光をカット。部屋はモニターとほぼ同じ色温度の灯りにして、さらにデスクの上から色評価用蛍光灯で照らしている。

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