[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第254回】
AirPods Proの “音・装着性” を徹底強化! 他社製イヤーピース5モデルを着け比べた
■素材×サイズ≒フィット感!
そしてイヤーピースのフィットにおいて素材と並んで、というか素材以上に重要なのはサイズ。かさの形状や厚みなども大切ではあるが、二大要素は「素材とサイズ」だ。
というわけで各製品のその二大要素、素材とサイズを表にまとめてみた。実測しすり合わせ調整した値をメインに、メーカーが国内外の公式サイトに寸法を記載している製品はその値も併記。
AirPods Pro用イヤーピースは上から見て楕円、かつ今回集めた製品はすべて横から見てイヤーピースのかさの最下部が最大径となるフォルムだったでの、サイズの測定箇所は「かさの最下部における楕円の長軸=直径が最大の部分」だ。
表の「実測」項目には、その箇所を実際に計測、そして視認確認し、測定誤差や実物同士の視認比較も考慮してすり合わせた数値を記載。すり合わせとは、例えば「計測目盛りは12.6 - 12.7mmあたり→AppleのMサイズと付き合わせると少しだけ大きく見える→Appleより大きめということを示すため、Appleの12.5mmに対して0.25mm区切りで一段階上の12.75mmに繰り上げ」といった具合だ。絶対値としての正確性よりも、イヤピ同士を比べた際の相対的な大小のわかりやすさを重視した。
「素材の特徴」の項目には前述のように、フォーム素材の中でも細かな種類や発泡の具合によって、硬さというか弾性みたいな感触に違いがあるので、その部分の説明を入れてある。
「サイズ選択への提案」項目は、実際の大きさと素材の特徴を加味した上で、筆者から “純正シリコンから交換する際にどのサイズを選ぶとフィットしやすいかの目安” を提案している。
例えば、「純正のMサイズは少し緩いけどLサイズは少しきつい」という人の場合、まず「もしも純正にMLサイズがあればそれがフィットするはず」と考えてみる。すると「中庸」または「多発泡でソフト」なフォーム素材イヤーピースならば、「純正より(少し)大きめ」のサイズがフィットしがちなわけだから、「仮想純正MLのひとつ上=フォームのLサイズ」がフィットする可能性が高いというわけだ。
ただしそこの判断が悩ましいのが、Sedna XELASTEC。体温での変形による形状フィットに加えて、粘着性の滑りにくさによるグリップ力まで備えており、十分な装着感を確保できるサイズの幅が広い。おかげで「MでもMLでもどっちでも大丈夫そうなんだよな〜」みたいな迷いが出やすいのだ。それはもう実際に装着しての感触で選ぶしかない。そういう時のために用意されているのがM/ML/Lのような隣接サイズを集めたパッケージ!
という諸々を踏まえていただいた上で確認していただきたい。ちなみに参考までに、前述の「もしも純正のMLサイズがあればそれがフィットするはず」な筆者が試してフィットすると感じられたサイズは以下の通り。濃い緑の部分がベストフィットだ。
なお、イヤーピースの背の高さは「総じてApple純正とほぼ同じくらいかな?」だった。また全製品とも背の高さはS/M/Lすべて共通。ケースへの収まりの良さも考えてのことかと思う。