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【特別企画】手軽にアナログレコード再生を楽しむ

初めてのレコードプレーヤーに「オーディオテクニカ」がオススメな理由

公開日 2020/08/31 06:30 生形三郎
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手軽にアナログレコードの良さを味わえる本機だが、音質の完成度も高い。スピーカーとプリメインアンプに接続し、エレクトロポップのPerfume「LEVEL 3」を聴いてみると、低域はよりソリッドに迫り、高域は刺さるような感じが一切ない。歌声はしっとりした質感があり、独特の温もりや色艶によって、キュートな魅力がさらに引き出された。デジタル音源と比較するとよく分かるが、CDや配信、mp3などとはまた違った世界観が味わえるのである。

ロックではどうだろうか。Deep Purple「Burn」を再生してみると、エレクトリックギターやドラムスのスネアやシンバルのアタックが、実にラウドな質感で迫ってきて心地よい。とりわけ、左右両サイドでユニゾンするギターの躍動感が快感だ。バスドラムやエレクトリックベースなどは、それぞれを綺麗に分離して聴かせるというより、一つの塊としてこちらに迫らせる感じで、ワイルドな魅力がある。

これまでは一般的な33 1/3回転のレコードを聴いてきたが、45回転のレコードも再生してみた。45回転のディスクは、33 1/3回転のレコードに比べて回転数が上がるため、時間あたりに対する音溝の長さが長くなり、音の情報量が増える。アン・サリー「Why me so?」を再生すると、45回転の恩恵によって、アコースティックでナチュラルな質感の女性ヴォーカルや各楽器のサウンドを、鮮度感良く、生々しく表現した。

Bluetooth接続にも対応。ワイヤレスヘッドホンでもレコードを楽しめる

さらに本機は、「レコード再生のために色々な機材一式を揃えるのは大変」という方にも安心だ。Bluetooth接続にも対応するので、ワイヤレスイヤホンやヘッドホン、そしてBluetoothスピーカーなどで、手軽にレコード再生を楽しめるのである。

Bluetooth接続に対応する

驚かされたのが、Bluetooth接続時の音質だ。Amazon「Echo Studio」で試聴すると、デジタル信号に変換する際の音作りの妙か、スピーカー自体の音作りもあわさってか、低域はよりソリッドな印象で、高域は幾分華やぎ、メリハリよく音楽が表現された。

ワイヤレスヘッドホンでも試聴してみると、その説得力の高い音に意表を突かれた。ヘッドホンは耳の側で音のディティールが確認できることもあってか、よりレコードの質感が詳細に伝わってきて、非常に心地よい音を楽しめた。

総じて、アナログ出力だけでなく、Bluetooth接続での音質もよく練られているプレーヤーである。入門用としてうってつけだろう。

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