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名門TANNOYが現代に伝える“粋”。銘機6モデルのサウンドから音楽再生の根幹を探る
1947年に発表された独創的な同軸ユニット「デュアルコンセントリック・ドライバー」と、美しい木製キャビネットが融合し実現されるTANNOYスピーカー。その品格に満ちた豊穣なブリティッシュ・サウンドは、まさに英国ならではの粋を現代に伝え続ける存在だ。今回は、TANNOY製品の日本展開に深く関わった元エソテリックの大間知基彰氏にお話を伺うと共に、同社の現行製品を一挙試聴して、改めてその魅力に迫ってみたい。
■独自の同軸ユニットで世界を席巻。レコード産業の黎明期を牽引する
ガイ・R・ファウンテンによって創業されたTANNOY。同社は、1926年に、電解整流器の開発からスタートした企業である。次いで、アンプやダイナミック型スピーカーの分野にも手を伸ばすと共に、それらの製品開発に必要な測定機器までを自社開発するなど、ついにはイギリスの軍需産業にも欠かすことが出来ない存在へと躍進した。とりわけPA分野での認知度は圧倒的で、イギリスの古い口語では、PA行為やPA機器そのものを「TANNOY」と呼んだほどだという。
オーディオにおける同社の存在を決定的なものとしたのは、1947年に発表された初代デュアルコンセントリック・ドライバーの存在だ。トゥイーターユニットが38cm径ウーファーの磁気回路を貫通し、なおかつ、ホーンのスロート部がウーファーコーンのカーブへと直接繋がるというユニークな同軸2Way構造を確立。両ユニットの発音位置が揃えられることによる優れた位相特性と、高出力かつワイドレンジな特性を持ったこのユニットは、当時ffrrの開発をしていたDECCAのモニタースピーカーへと迎えられ、また、伝説の高級電蓄「DECOLA」へと搭載された。即ち、当時のレコード産業を席巻する世界的なレーベルの音を生み出していったわけである。
1953年には、同社のモニュメンタルな銘機となる「Autograph」を送り出す。ユニット前面にショートホーン、そして、背面へと複雑に展開する折り畳まれたバックロードホーンを有する、クラフトマンシップの賜物とも言える美しい木製のエンクロージャー。それは、同社スピーカーの原器ともいえる存在である。この長いホーンロードと共に繰り広げられる雄大な低音域の表現は、ガイ・R・ファウンテンが目指した「コンサートホールで聴く豊かで美しい響きを家庭でも」というサウンドコンセプトを体現する上で、欠かせない存在だったのだろう。
その後、デュアルコンセントリック・ドライバーのアップデートと共に数多くの銘機を生み出す同社だが、1976年からティアック株式会社によって日本への正式展開が開始される。その際のキーマンでもあり、TANNOY側の主要メンバーとも深い交流を重ねた大間知基彰氏によると、同社の人々は、音楽はもちろん、食やその他文化へ対する教養を重んじる気風に満ちていたといい、TANNOYスピーカーが醸し出す気品あるブリティッシュ・サウンドの礎は、まさにそのような知性から築き上げられたものと推察する。
前置きが長くなったが、早速、シリーズごとのサウンドレビューに移りたい。今回はエントリークラスのPlatinumシリーズから、ブックシェルフ「Platinum B6」とトールボーイ「Platinum F6」。同軸ユニットを搭載するRevolution XTシリーズから「Revolution XT 8F」。往年の銘機を復刻したLEGACYシリーズのトップモデル「ARDEN」。最後に細部へのこだわりが嬉しい小型サイズの「Autograph mini/GR」 と「Canterbury/GR」と、合計6モデル試聴している。少々長いレポートになってしまうが、お付き合いいただきたい。
なお、試聴には、ハイレゾソースをESOTERIC N-01XDで再生し、アンプには、セパレートアンプGrandioso C1及びM1を組み合わせて実施した。
■モダンでスタイリッシュなデザインを纏う、最新TANNOY入門機のサウンドは?
まずはTANNOYの新たなエントリークラスとなる、Platinumシリーズから。同社と言えば先述の同軸ドライバーが代名詞であるが、実は2wayを基調とするブックシェルフスピーカーも得意としている。その歴史は古く、このPlatinumの前身に当たるMercuryシリーズは、1980年代初頭から続くロングランシリーズであった。
その最新ラインとなるPlatinumシリーズのブックシェルフモデル「B6」は、オーソドックスな2way構成ながら、背面に楕円状のパスレフポートが配されているほか、キャビネットは上下で異なる仕上げを持つなど、細部への配慮が窺える。
そしてそのサウンドは、ペアで定価88,000円とは信じがたい、驚くべきクオリティを持つものだ。繋がりのよい2Wayは、ウェルバランスでフラットな音色感を基調としながらも、シルクドーム・トゥイーターならではの柔らかさや潤いも感じる質の良い高域と、ペーパーを基材としたウーファーコーンによるナチュラルかつ充実した低域再生を楽しませる。先述のポート形状の恩恵か、バスレフから放射される低域は、大入力でも決して破綻しない秀逸な仕上がりだ。
トールボーイの「F6」は、同口径のユニット2発をミッドとウーファーに用いた3way機。B6に比べて背丈が3倍ほどとなって容積も増え、低音領域の表現力が大幅に拡大されながらも、やはり低域表現は滲まず野放図にならない。さらに、3Wayならではの、音楽へと詳細に分け入る視界によって、より豊かな表現力を得ている。
■独自の同軸ユニットで世界を席巻。レコード産業の黎明期を牽引する
ガイ・R・ファウンテンによって創業されたTANNOY。同社は、1926年に、電解整流器の開発からスタートした企業である。次いで、アンプやダイナミック型スピーカーの分野にも手を伸ばすと共に、それらの製品開発に必要な測定機器までを自社開発するなど、ついにはイギリスの軍需産業にも欠かすことが出来ない存在へと躍進した。とりわけPA分野での認知度は圧倒的で、イギリスの古い口語では、PA行為やPA機器そのものを「TANNOY」と呼んだほどだという。
オーディオにおける同社の存在を決定的なものとしたのは、1947年に発表された初代デュアルコンセントリック・ドライバーの存在だ。トゥイーターユニットが38cm径ウーファーの磁気回路を貫通し、なおかつ、ホーンのスロート部がウーファーコーンのカーブへと直接繋がるというユニークな同軸2Way構造を確立。両ユニットの発音位置が揃えられることによる優れた位相特性と、高出力かつワイドレンジな特性を持ったこのユニットは、当時ffrrの開発をしていたDECCAのモニタースピーカーへと迎えられ、また、伝説の高級電蓄「DECOLA」へと搭載された。即ち、当時のレコード産業を席巻する世界的なレーベルの音を生み出していったわけである。
1953年には、同社のモニュメンタルな銘機となる「Autograph」を送り出す。ユニット前面にショートホーン、そして、背面へと複雑に展開する折り畳まれたバックロードホーンを有する、クラフトマンシップの賜物とも言える美しい木製のエンクロージャー。それは、同社スピーカーの原器ともいえる存在である。この長いホーンロードと共に繰り広げられる雄大な低音域の表現は、ガイ・R・ファウンテンが目指した「コンサートホールで聴く豊かで美しい響きを家庭でも」というサウンドコンセプトを体現する上で、欠かせない存在だったのだろう。
その後、デュアルコンセントリック・ドライバーのアップデートと共に数多くの銘機を生み出す同社だが、1976年からティアック株式会社によって日本への正式展開が開始される。その際のキーマンでもあり、TANNOY側の主要メンバーとも深い交流を重ねた大間知基彰氏によると、同社の人々は、音楽はもちろん、食やその他文化へ対する教養を重んじる気風に満ちていたといい、TANNOYスピーカーが醸し出す気品あるブリティッシュ・サウンドの礎は、まさにそのような知性から築き上げられたものと推察する。
前置きが長くなったが、早速、シリーズごとのサウンドレビューに移りたい。今回はエントリークラスのPlatinumシリーズから、ブックシェルフ「Platinum B6」とトールボーイ「Platinum F6」。同軸ユニットを搭載するRevolution XTシリーズから「Revolution XT 8F」。往年の銘機を復刻したLEGACYシリーズのトップモデル「ARDEN」。最後に細部へのこだわりが嬉しい小型サイズの「Autograph mini/GR」 と「Canterbury/GR」と、合計6モデル試聴している。少々長いレポートになってしまうが、お付き合いいただきたい。
なお、試聴には、ハイレゾソースをESOTERIC N-01XDで再生し、アンプには、セパレートアンプGrandioso C1及びM1を組み合わせて実施した。
■モダンでスタイリッシュなデザインを纏う、最新TANNOY入門機のサウンドは?
まずはTANNOYの新たなエントリークラスとなる、Platinumシリーズから。同社と言えば先述の同軸ドライバーが代名詞であるが、実は2wayを基調とするブックシェルフスピーカーも得意としている。その歴史は古く、このPlatinumの前身に当たるMercuryシリーズは、1980年代初頭から続くロングランシリーズであった。
その最新ラインとなるPlatinumシリーズのブックシェルフモデル「B6」は、オーソドックスな2way構成ながら、背面に楕円状のパスレフポートが配されているほか、キャビネットは上下で異なる仕上げを持つなど、細部への配慮が窺える。
そしてそのサウンドは、ペアで定価88,000円とは信じがたい、驚くべきクオリティを持つものだ。繋がりのよい2Wayは、ウェルバランスでフラットな音色感を基調としながらも、シルクドーム・トゥイーターならではの柔らかさや潤いも感じる質の良い高域と、ペーパーを基材としたウーファーコーンによるナチュラルかつ充実した低域再生を楽しませる。先述のポート形状の恩恵か、バスレフから放射される低域は、大入力でも決して破綻しない秀逸な仕上がりだ。
トールボーイの「F6」は、同口径のユニット2発をミッドとウーファーに用いた3way機。B6に比べて背丈が3倍ほどとなって容積も増え、低音領域の表現力が大幅に拡大されながらも、やはり低域表現は滲まず野放図にならない。さらに、3Wayならではの、音楽へと詳細に分け入る視界によって、より豊かな表現力を得ている。
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