あらゆる角度から真価に迫る
アップル「AirPods Max」レビュー。61800円は高くない、唯一無二のヘッドホン
■高性能なバッテリーコントロール
Smart Caseを装着した状態でも、右イヤーカップのボトム側にあるLightning端子にケーブルを挿して充電できる。Smart Caseを装着すると、ヘッドホンが自動的に超低消費電力状態に入る。スリムでフィット感の高いケースだが、欲を言えばSmart Caseに、本体を充電するUSB-Cケーブルを常備するポケットも欲しかった。
1度のフル充電で、ANCまたは外部音取り込み機能をオンにした状態での音楽再生、または空間オーディオ再生を、最大約20時間連続して楽しめる。ヘッドホンのバッテリー残量はiPhone/iPadにペアリングして使う場合、ウィジェットから数値をパーセンテージで確認できる。便利なのでぜひ活用したい機能だ。
万一バッテリー切れの際には、5分間の充電で約1.5時間分の連続再生が楽しめる急速充電機能も備えている。なお、AirPodsシリーズのワイヤレスイヤホンのようなワイヤレス充電には対応していない。
ヘッドホンを着脱することで本体スリープ状態から復帰させたり、音楽再生の一時停止と再生再開ができる「自動頭部検出」機能も備えている。Bluetoothのデバイスリストから入れるヘッドホンの詳細設定から、自動頭部検出のオン・オフを切り換えることも可能だ。
AirPods Maxを頭から外して肩にかけると、iPhoneとの接続が一時的に切れて待機モードに入るようだ。本体の電源はボタン操作でオフにできないようだが、自動頭部検出をオンにしておけば、音を鳴らしていない時には絶えず省電力状態に移行するので、バッテリーの持ちは心配ない。反対に自動頭部検出をオフにすれば、音を鳴らしっぱなしにしてエージングも行えた。
■Digital Crownのギミックが気持ちいい。ノイズコントロールボタンを別途配置
AirPods MaxにはApple Watchユーザーには馴染み深い、竜頭の形をしたDigital Crownが搭載されている。ダイヤルを回すと“カリカリ”っという機械音を模した小気味よい操作音がヘッドホンから聞こえてくる。指先に触感フィードバックはない。ボリュームは慎重に1ステップずつ細かく操作できた。音量を上げる時の回転方向は設定で変更できる。
Digital Crownは、ボタンとして押し込んで操作する際のクリック感もよい。隣に配置されているノイズコントロールボタンも感度のバランスが良好だ。モードを切り換えると、AirPods Proのユーザーにはお馴染みの、3種類の異なる“ポーン”という効果音が鳴って教えてくれる。
ノイズコントロールの切り替え操作には、iPhone/iPadの場合はコントロールセンターからでもアクセスできる。Bluetooth機器設定のAirPods Maxのメニュー内にもスイッチがある。Apple Watchユーザーは、iPhoneにペアリングされているAirPodsシリーズの音量、曲送りやノイズコントロールの切り換え操作が、手首に装着したApple Watchからできることも覚えておきたい。