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音楽の魂が蘇る! KOTOBUKIより音響パネルの決定版「音快速極魂」&オーディオボード「電極流」が登場

公開日 2020/12/28 11:40 林 正儀
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名古屋の音響・防音設計の専門メーカーKOTOBUKIは、高い開発力でルームチューニングパネル「音快速」シリーズを作り上げてきた。“帯域ごとに狙い撃ちできる”ことが特徴で、特に低音域を薄いパネルで調音するという性能に大きな注目が集まっている。この度、新しい素材「ポアル材」を採用した新しい音快速製品が誕生。帯域ごとの調音を1枚に配置・構成した改良版であり、音快速シリーズの決定版といえるものだ。

これに加えて、好評のケーブルインシュレーター「音極線」の素材を転用したオーディオボード「電極流」も新開発。このパネルとボードを林 正儀氏がレポートする。


■音快速の素材をポアル材に。低域の吸い過ぎを改良した音快速極魂

2016年に登場した音快速(おんかいそく)シリーズに強力なニューモデルが加わった。その名も「極魂(ごくだましい)/KP-07」だ。KOTOBUKI初のボードである「電極流オーディオボード KS-03」とあわせて紹介したい。

KOTOBUKIのルームチューニングパネル音快速極魂 (おんかいそくごくだましい)「KP-07」。60,000円(1枚/税抜)

「極魂」はダイヤパターンにスリット構造(穴は3個だ)をもつ、50㎝角の新型ルームチューニングパネル。前々作「極烈(ごくれつ)」の進化バージョンという位置づけだが、そのポイントは何か。内部に仕切られ空気層などの構造、そして材料もこれまでのカルム材からポアル(POAL)に変え、ヴォーカルや音楽全体に“魂が宿る音作り”を狙ったものだ。

代表の庭瀬寿洋さんによると、「極烈はマーカス・ミラーで調整していたため、低音を吸い過ぎ、締め過ぎていた。それをバランスよく、ハイファイ調を崩さずに魂が乗るサウンドにしたい」と。

ポアル材というのは、InterBEEでの某社との出会いから、時期的には一体型の「音快速極音/KP-06」のあと初採用されたものだ。高純度のアルミニウム吸収板で、アルミの不織布をエクスパンドメタルでサンドイッチ状に密着させたもの。プールの天井やホールにも広く設置されるらしい。「カルムとは違う名古屋のメーカーです。低域特性をほぼ変えずに、中高音域が伸びてすごくきれいになります。これ1枚で80Hzから1kHz以上を整える」とのこと。そんな超ワイドレンジに効くのか。チューニングパネルの規格外だろう。

補足であるが、音快速シリーズはどのヘルツ(周波数帯)で処理したいかによって分類されている。ざっと調べると、1kHz以上なら「音快速high zone」。250Hzから1kHzが「音快速mini」で、一番最初に出した「音快速」は125Hzから500Hzがターゲットなどなど。

左奥から「音快速KP-01」、右奥「音快速KP-02」、左手前「音快速mini KP-03」(250Hz〜1kHzを調音)、右手前「音快速high zone KP-04」(1kHzを以上を調音)

一体型3ウェイの「極音」は、これらを組み合わせてフラットにし正確さを実現したモデル。高さも1.2mある。今回の「極魂」はこれ1枚で、このコンパクトさで80Hzから1kHz以上を整えるというから驚いた次第。一番美味しい帯域ではないか。

音快速シリーズ「音快速極音KP-06」(下部で80Hz以下を、上部に30cmずつ中域、高域を調音)

拙宅で試すと、基本的なS/Nや空間描写能力のアップ(見えないものが見えてくる)は当然としても、処理のナチュラルさと音そのものが有機的で、女性ヴォーカルや楽器音など、あまりにも表情豊かで内部から湧き出すような生命力、すなわち音楽の魂が感じられ驚いた。ダイアナ・クラールやオペラの幸田浩子はもうこれしないという気がする。

低域の吸い過ぎもない。処理は適切だ。ステージに陣取ったウッドベースやキックドラムも力強い弾力や量感もたっぷり。ピアノはボディ感や音像感を高めながら、俄然、中高音域の伸びや粒立ちが良い。クラシックではソロヴァイオリンの豊かな陰影、空間へ広がる倍音のつややかさが引き出されトータルバランスも整う。密度感が充実するチューニンクだ。比較した「極烈」がさっぱりした音に感じられたほどである。

■特殊粉末カーボンを多量に採用、色づけのないピュアサウンドを実現

新型のオーディオボードは、ケーブルインシュレーター「音極線/KS-02」の技術を転用したもの。電流の流れを良くする特殊粉末カーボンを多量に使い、11㎜の薄さに仕上げているのが特徴だ。色も白ではなく、黒っぽい御影石調でコンポ映えがする。

KOTOBUKIのオーディオボード電極流 (でんごくりゅう) 「KS-03」25,000円(1枚/税抜)

これも効いた。「音極線」以来の驚きだ。アンプやCDプレーヤーで試すと振動対策の効果もそうだが、各機器の電流の流れが良くなったためかスピード感やニュアンスが向上。緩急、強弱のその演奏のテクニックや表情が俄然多彩になって、思わず音楽に入り込む。

薄いというメリットは、手持ちのボートに乗せて使えるということ。振動の抑えとダブルの効果でだ。オーディオ機器の負担も軽くなるようで、低域がレスポンスを高め、締まりをみせる。ボードの音質をボードで高めるのは楽しい。

天板に放熱穴のないタイプの機器に限定ではあるが、重さは軽いので、機器のスタビライザーとしても使える。直接内部の回路やパーツにはたらきかけ、スピードや瞬発力を増す。色が乗らないピュアサウンドで、コンポの潜在能力以上を引き出す感じである。


【音快速極魂「KP-07」の仕様】
●対応周波数帯域:低域、中域、高域(80Hz以下~1kHz以上)●材質:ポアル材(アルミ焼結板)●サイズ:500W×500H×35D㎜
【電極流「KS-03」の仕様】
●材質:御影石調特殊カーボン粉末入り人造大理石(「音極線」KS-02の特殊カーボン粉末を多量に使用)●サイズ:470W×11H×395Dmm●取り扱い:(株)KOTOBUKI

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