【PR】MCカートリッジでバランス伝送もテスト
バランス出力にも対応! “遊べる”アナログプレーヤーTEAC「TN-5BB」のポテンシャルをチェック
■カートリッジのポテンシャルを存分に引き出す細やかな質感描写が特徴
試聴に際し、ティアックのフォノイコライザーアンプ「PE-505」とプリメインアンプ「AX-505」を用意した。改めて紹介しておきたいのが、PE-505が備えるスペシャルな機能。デュアルモノラル構成による完全ディスクリート増幅回路という点にとどまらず、RIAA回路の偏差を±0.05dB以下に押えた徹底ぶりには驚いた。これはNF型RIAA回路のネットワーク網を高精度のチップ抵抗やコンデンサーのシリアル・パラレル接続で実現したもの。
また、個人的に興味津々だったのが、MCカートリッジ使用時の負荷抵抗測定機能だ。1kHzのテスト信号にて、ものの5秒ほどで接続ケーブルまで含めた実用上トータルの負荷抵抗値が計測され、その値が前面のメーターに表示される。ユーザーはその値に近い負荷抵抗ポジションにノブを回して設定すればいいというわけだ。
まずは標準装備の2M Red(アンバランス出力)で試聴。私のレファレンス盤であるメル・トゥーメ/ジョージ・シアリングのライブ盤では、温かみのある声を軸として、実にインティメイトな雰囲気の実況演奏が楽しめた。シルキーな声のニュアンスに細やかな質感描写が感じられるのは、トーンアームのナイフエッジの恩恵か。ライブ会場の様子も立体的に醸し出され、満足度が高い。
ショーティー・ロジャースはジャズのコンボ演奏。アンサンブルを背にしてソロがグッと前に迫り出してきた。どっしりとした構えのリズム隊の克明なビートに支えられ、入れ代わり立ち変わりのサックスやフリューゲルホーン等のソロイストが実に伸び伸びとプレイしているように聴こえる。
ここでカートリッジをオーディオテクニカのMCカートリッジ「AT-ART9XI」に交換。件の自動計測に則って、インピーダンス切替えを<47>Ωポジションに設定し、バランス出力に繋ぎ変えた。試聴したのは、コロナ禍で無観客公演となった、つい先だってのリッカルド・ムーティ指揮/ウィーン・フィル『ニューイヤーコンサート2021』だ。
観客が入った状態に対し、おそらくホールの反響がより一段と豊かなのだろう、ハーモニーのブレンド感と細かなニュアンスの様子が精妙に感じられる。奥行きの再現にもスケール感が表れ、実にリッチな響きが味わえた。管楽器の高いキーの音色など、とてもスムーズかつ繊細に伸びているのがわかる。また、打楽器の力強い音とその存在感の明晰さには、TN-5BBのキャビネットの剛性が効いていそう。演奏全体のダイナミクスが存分に再現されたと共に、高級機であるオーディオテクニカAT-ART9XIのポテンシャルが充分に引き出されていた印象を受けた。
TN-5BBは、入門機として見るととても贅沢なモデルである。一方で、アナログオーディオを再開しようと考えている人にとっては、安心・安定なリエントリー対象となり得るだろう。
(提供:ティアック)
現在、ティアックはTN-5BB購入者に独KLOTZ製オリジナル・バランスケーブル(1.0m)をプレゼントするキャンペーンを開催している。キャンペーンは5月15日まで!