[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第260回】
いまこそマイク付き“完全ワイヤード”イヤホン!使いこなしてリモート会議で差をつけよう
一般的には、というか音楽リスニング的には、音楽への集中のしやすさの面でも音質への影響の面でも、イヤホンの遮音性≒密閉性は十分に高い方が好ましい。
しかしことリモート会議となると、周りの音も適度に聞こえてきた方が自然だし、自分がしゃべった時、その声が頭の中に響いてしまうと気持ち悪い。なので遮音性と密閉性は低め、あるいは皆無なくらいでよいわけだ。巷で流れた「EarPods最強説」にも、「遮音性や密閉性の低さがリモート会議用としては逆に良い!」という理由があったのかと思う。
遮音性や密閉性はむしろ下げたい!ならばどうする?
そう、イヤーピースを普段より小さめにすれば良い。イヤピを小さめにすると耳の中に感じる装着感も軽めになって一石二鳥だ。
さて、上記サンプル写真でベース機としているFitEarとfinalのイヤホンには、ある共通点があり、実はそれが重要だったりする。
その共通点とは「ガチのイヤモニまたはその流れを汲むタイプのシェル形状を採用し、そのシェルのハマり具合の良さによって、耳にしっかりと固定されるイヤホンである」というところだ。
というのも、イヤピを小さめにすることで遮音性は下がるものの、当たり前ながらイヤピのグリップによるイヤホンポジションの固定は緩くなり、装着が安定しなくなることも大いにある。しかしイヤピに頼らず、シェル側だけでも装着ポジションのキープ力を確保できるタイプのイヤホンなら、イヤピを小さめにしても安定した装着感を維持できる! というわけだ。
また、このスタイルのイヤホンはケーブルを耳の上に回してかけるので、マイク付きケーブルの重さにも負けにくい。そこもポイント。なお円筒筐体のイヤホンは装着スタイルの自由度が高く、上下をひっくり返してケーブルを耳かけにしても無理がない。イヤピを小さめにする際はそのスタイルで装着するのがよいだろう。