評論家・山之内正がチェック
ビクター新4Kプロジェクター「DLA-V50」レビュー。「4K・HDRコンテンツの長所をもらさず引き出す」注目機だ!
■ビクターのネイティブ4Kプロジェクター入門機「DLA-V50」を体験
ハイエンドのホームシアターを舞台にJVCケンウッドがホームプロジェクターの攻勢を強め、名門ブランドの意地を見せている。Victorブランドから8K対応のレーザー光源モデルを昨秋一気に3モデル(DLA-V90R/V80R/V70R)投入したばかりだが、今度はネイティブ4Kエントリーモデルの「DLA-V50」を発売。上位3機種とは異なり光源は超高圧水銀ランプになるが、1,900ルーメンへの輝度アップやHDR10+対応など、前作DLA-V5から大きく性能が上がっており、進化の中身はVictorブランドの名に恥じないものだ。
先行投資的に8Kを視野に入れるなら上位機種を選ぶのが妥当かもしれないが、上位3機種のなかではベーシックな位置付けの「DLA-V70R」でも価格は税込125万円まで上昇し、手が届きにくくなったと感じる映画ファンも少なくないことだろう。一方、DLA-V50の価格は前モデル「DLA-V5」からほぼ据え置きの税込80万円で、100万円を大きく下回る。8K対応にこだわらず、2Kと4Kのコンテンツに焦点を合わせて高画質シアターを狙うなら、DLA-V50が有力な候補になるだろう。ブラックに加えてホワイト仕上げも用意しているので、上質なリビングシアターを狙う人にもお薦めだ。
上位機種と同様に0.69型のD-ILA素子を採用するが、画素ずらしによって高解像度表示を実現するe-shift技術は用いておらず、同デバイスの4,096x2,160画素をフルに活かしてネイティブ4K表示を行う。高解像度表示と併せて重要なカギを握るのが、HDR映像の力強いコントラストと広大なダイナミックレンジをどこまで表現できるかという点だ。有機ELテレビなどでレンジの広いHDR映像を見慣れた目から見ると、プロジェクターで見るHDRコンテンツは物足りないと感じることがあるが、昨秋登場したVictorの上位3モデルはその制約を忘れさせるほどの映像パワーを獲得。光源が異なるとはいえ1,900ルーメンの明るさを得たV50のHDR映像にも期待が高まる。
HDRの表現力向上を支える技術として見逃せないのが、独自アルゴリズムを駆使してシーンごとに最適なトーンマッピングを行う「Frame Adapt HDR」である。今回も同技術を引き続き採用したうえで、上位機種同様、新たにHDR10+への対応も実現。メタデータとして埋め込まれた輝度情報に基づいてシーンごとに最適なトーンマッピングを行うので、作り手が狙う映像表現に大きく近付く。HDR10+作品を見るときは同モードを選び、既存のHDR10コンテンツにはFrame Adapt HDRを適用することで、HDRの長所を最大限に引き出してくれるはずだ。
Frame Adapt HDRを選んだ場合、組み合わせるスクリーンのゲインやサイズに合わせてトーンマッピングを調整する「Theater Optimizer」を利用できることにも注目しておきたい。さらに、アスペクトなど各種パラメータの設定を最大10ポジションまで登録できる「設置設定モード」など、利便性の高さも上位機種と同等で、レンズシフトは上下80%、左右34%の広範囲に及ぶ。
■レビュー:「上級機に迫る臨場感を引き出している」
ネイティブ4Kプロジェクターのエントリー機という位置付けながらV50の筐体は上位機種とほぼ共通で、重さも20kgに迫る。堅固なラックに設置し、画素調整機能を活用して色収差を補正したあと、パナソニックのDP-UB9000と組み合わせて画質を確認した。
ハイエンドのホームシアターを舞台にJVCケンウッドがホームプロジェクターの攻勢を強め、名門ブランドの意地を見せている。Victorブランドから8K対応のレーザー光源モデルを昨秋一気に3モデル(DLA-V90R/V80R/V70R)投入したばかりだが、今度はネイティブ4Kエントリーモデルの「DLA-V50」を発売。上位3機種とは異なり光源は超高圧水銀ランプになるが、1,900ルーメンへの輝度アップやHDR10+対応など、前作DLA-V5から大きく性能が上がっており、進化の中身はVictorブランドの名に恥じないものだ。
先行投資的に8Kを視野に入れるなら上位機種を選ぶのが妥当かもしれないが、上位3機種のなかではベーシックな位置付けの「DLA-V70R」でも価格は税込125万円まで上昇し、手が届きにくくなったと感じる映画ファンも少なくないことだろう。一方、DLA-V50の価格は前モデル「DLA-V5」からほぼ据え置きの税込80万円で、100万円を大きく下回る。8K対応にこだわらず、2Kと4Kのコンテンツに焦点を合わせて高画質シアターを狙うなら、DLA-V50が有力な候補になるだろう。ブラックに加えてホワイト仕上げも用意しているので、上質なリビングシアターを狙う人にもお薦めだ。
上位機種と同様に0.69型のD-ILA素子を採用するが、画素ずらしによって高解像度表示を実現するe-shift技術は用いておらず、同デバイスの4,096x2,160画素をフルに活かしてネイティブ4K表示を行う。高解像度表示と併せて重要なカギを握るのが、HDR映像の力強いコントラストと広大なダイナミックレンジをどこまで表現できるかという点だ。有機ELテレビなどでレンジの広いHDR映像を見慣れた目から見ると、プロジェクターで見るHDRコンテンツは物足りないと感じることがあるが、昨秋登場したVictorの上位3モデルはその制約を忘れさせるほどの映像パワーを獲得。光源が異なるとはいえ1,900ルーメンの明るさを得たV50のHDR映像にも期待が高まる。
HDRの表現力向上を支える技術として見逃せないのが、独自アルゴリズムを駆使してシーンごとに最適なトーンマッピングを行う「Frame Adapt HDR」である。今回も同技術を引き続き採用したうえで、上位機種同様、新たにHDR10+への対応も実現。メタデータとして埋め込まれた輝度情報に基づいてシーンごとに最適なトーンマッピングを行うので、作り手が狙う映像表現に大きく近付く。HDR10+作品を見るときは同モードを選び、既存のHDR10コンテンツにはFrame Adapt HDRを適用することで、HDRの長所を最大限に引き出してくれるはずだ。
Frame Adapt HDRを選んだ場合、組み合わせるスクリーンのゲインやサイズに合わせてトーンマッピングを調整する「Theater Optimizer」を利用できることにも注目しておきたい。さらに、アスペクトなど各種パラメータの設定を最大10ポジションまで登録できる「設置設定モード」など、利便性の高さも上位機種と同等で、レンズシフトは上下80%、左右34%の広範囲に及ぶ。
■レビュー:「上級機に迫る臨場感を引き出している」
ネイティブ4Kプロジェクターのエントリー機という位置付けながらV50の筐体は上位機種とほぼ共通で、重さも20kgに迫る。堅固なラックに設置し、画素調整機能を活用して色収差を補正したあと、パナソニックのDP-UB9000と組み合わせて画質を確認した。
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