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PR【特別企画】評論家・山之内正がチェック

マランツ 新CDプレーヤー「CD 60」を聴く。「ディスクに入っている本来の音を聴きたい音楽ファンにお薦め」

公開日 2022/06/06 06:30 山之内 正
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外観は従来機と大きく異なり、SACD30nやMODEL 30と共通するマランツ最新世代のデザインに生まれ変わった。上位機種に相当するND8006と同一の自社開発メカドライブをセンターに配置するが、トレイ部をブラックアウトさせたシンプルな外見が好印象だ。

ディスクドライブには上位グレード機種と同じ自社開発のものを投入

次世代を担うデザインを10万円台前半の本機にも採用したのは英断だと思う。いまは従来デザインと新デザインが併存する移行期なのだが、CD 60が登場したことで新デザインの比重が一段と強まり、浸透が加速する予感がする。MODEL 30やMODEL 40nなど同社の最新プリメインアンプとは意匠とサイズが共通で、仕上げの質感もほぼ同じなので、プレーヤーとアンプを新しいデザインで揃える楽しみもある。

Model 40n(写真左)などと同じマランツの新世代デザインを採用

試聴:「複雑に音が絡まる部分でも全体が混濁しにくく、細部を忠実に引き出す」



自宅試聴室のシステムに接続し、CD 60の音を聴く。セリア・ネルゴールの最新アルバムでは、めまぐるしく入れ替わるパーカッションとキーボードの音色を楽器ごとに正確に引き出し、重量級のベースが加わったあともそれぞれの音色の違いを鮮明に鳴らし分ける。ヴィブラフォンやスチールパンの音像がクリアに浮かび、楽器イメージの描写がとても立体的だ。

背面端子部

大勢の人で混み合った家の様子を多数の楽器で表現した「クラウデッド・ハウス」を聴いたのだが、ヴォーカルの発音が鮮明でコーラスが重なっても混濁しないので、歌詞を正確に聞き取ることができる。ランダムに鳴っているようで実は緻密な音作りが行われていることが素直に伝わるサウンドだ。

ネルソンス指揮ボストン交響楽団のR.シュトラウスは重心の低いバランスを忠実に引き出しつつ。オルガンを含む低音の動きがきれいにほぐれていて、低音楽器それぞれの動きと音色が曖昧にならない良さがある。

空間だけでなく動的な分解能が高いのはマランツのディスクプレーヤーに共通する美点なのだが、CD専用の本機もその長所を確実に受け継いでいる。R.シュトラウスの管弦楽作品は楽器の数が多く、同時に複数のリズムが進行するなど複雑きわまりない構造なのだが、CD 60の再生音は複雑に音が絡まる部分でも全体が混濁しにくく、細部を忠実に引き出す。

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