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ライバル機ひしめく中の「現在地」を探る

値上げした「AirPods Pro」は今も“買い”か、新型を待つべきか。発売3年目の実力レビュー

公開日 2022/07/02 07:00 風間雄介
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使い勝手



その他、ケースやバッテリー持続時間などの使い勝手も見ていこう。

数年前は、充電ケースが大きい完全ワイヤレスが多かった。そういった中で登場したAirPods Proの充電ケースは小型で、当時比較したWF-1000XM3のそれが巨大に見えたものだ。

それに比べるといまは、驚くほど小さなケースの製品も多い。AirPods Pro並み、あるいはそれ以下のものが増えてきた。また、いまやケースをワイヤレス充電できるのも当たり前になっている。ケースの大きさや機能では、いまやAirPods Proは「並」と言えるだろう。

ソニーWF-1000XM4との充電ケース比較。ソニーも十分小さい。ただし、フタ部分が若干かさばる印象

バッテリー持続時間は、数字で比べると、AirPods Proはやや短く感じられる。ノイキャンや外部音取り込みモードをオンにした場合、1回の充電で最大4.5時間の再生が可能。このスペックは、たとえばノイキャンON時で最大8時間再生できるWF-1000XM4と比べ、半分程度でしかない。

とはいえ、最近の他社製完全ワイヤレスと同様、充電ケースに5分入れておくと約1時間の再生ができる急速充電機能があるので、実用上はAirPods Proの連続再生時間を不満に感じるケースは少ないだろう。自身を振り返っても、それほどマメに充電するタイプではないが、これまでにバッテリー切れで困ったことはほとんど無い。

充電端子はいまのところLightningで、これがUSB-Cになって欲しいという声もあるようだが、これは好みの問題だと感じる。iPhoneと一緒に使うことが多いのであれば、Lightning端子を共用でき、メリットもあると思う。

AirPods Proが圧倒的に有利なのは、充電ケースカバーの豊富さだ。ありとあらゆるブランドのものが売られており、これは世界中で大量に販売されているAirPods Proならではのメリットと言える。

機能



AirPods Proの基本機能は、良くも悪くもシンプルだ。本体で操作できるのは、ノイキャン・外部音取り込みの切り替え、そして音楽の再生系操作のみ。ボリュームのアップダウンすらできない。

ステムをつまんで操作を行う。慣れると使いやすい

一方で他社製品は、この点では上回れると考えたのか、機能がてんこ盛りのものが多い印象だ。たとえばソニーのWF-1000XM4などは多機能すぎて、機能を列挙して解説するだけで数千文字を費やしてしまいそうだ。

では、そういった多機能な製品と比べて、AirPods Proの機能が貧弱に感じるかというと、そんなことはない。基本的な機能がしっかりしており、不足を感じないというのが、その大きな理由だ。また「探す」機能への対応、MacやiPhone、iPadなど複数デバイスを使っている際のシームレスな連携など、AirPods Proならではの機能も数多い。

あまりに多機能すぎても、機能を使いこなせなかったり、そもそも機能を知らなかったり、あるいは想定外の動作になって慌てたり、通知が来すぎて鬱陶しく感じたりなど、マイナス面もある。結局、デフォルトでオンになっているものを切ったり、あるいは足りないものをオンに切り替えたり、通知を重要なものだけに絞ったりなど、細かな調整を行う必要が出てくる。

こういったカスタマイズを行い、少しずつ自分にフィットさせていくことが好きな方は、多機能なモデルを選ぶと良いと思う。一方で、シンプルな機能しかなくても、その機能が高い次元にあれば問題ないという方にとっては、AirPods Proの方が迷うことがなく、すんなりフィットする可能性が高いと感じる。

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