PR評論家・高橋敦がレビュー
B&Wのヘッドホンが「著しく進化」。注目機「Px7 S2」実力チェック!
たんなる第2世代機ではない、“著しく進化した”新ヘッドホンが登場
英国の名門、Bowers & Wilkins(B&W)。ピュアオーディオの頂点に座するハイエンドスピーカーを代表としつつ、幅広いオーディオアイテムを展開する同社から、アクティブノイズキャンセリング搭載 & aptX Adaptive対応のワイヤレスヘッドホン最新モデル「Px7 S2」が登場する。
同社製品において「S2」すなわちシリーズ2は、好評を博した製品のコンセプトを継承した第二世代を意味する。その名を冠することは、そもそも高い評価を得ているアイテムをさらに大幅に進化させたアイテムであることの証し。このPx7「S2」にも大きな期待を寄せているファンが多いことだろう。
実際、外観の印象こそ初代「PX7」から大きくは変わらないようキープされているが、その進化は著しい。
まず注目なのは新規設計のカスタムドライバーユニット。振動板素材は軽量・高剛性・高内部損失を兼ね備えるバイオセルロースと合成樹脂の複合材。その振動板を、ヘッドホンで一般的な固定エッジではなく、スピーカーで一般的なロールエッジに近いビッグロールデザインで設置することで、均一で歪みのないピストンモーションを実現。軽量ボイスコイルを強力磁気回路で駆動することで、入力信号に対するレスポンスもさらに高められている。
また、振動板形状は有限要素法解析によって最適化が図られている。これは、ハイエンドスピーカーブランドとしての同社が得意とし、ノウハウを蓄積し続けてきた手法だ。世代が進むほどノウハウの蓄積も進み、より大きな成果が投入されていると期待できる。
ドライバー取り付けも“ベストな角度”で音質向上
そのドライバーの配置もポイント。ドライバーユニットを耳の角度に正対する角度で取り付けることで音のフォーカスや空間表現を引き上げる「アングルド・ドライブユニット」設計だ。
次ページ音質を大きく進化させつつノイズキャンセル性能も必要十分