PR音楽を聴く楽しさを引き立てる、真空管/半導体ハイブリッド設計のアンプ
リスニングを彩る豊かな音楽性と上質なデザイン。PATHOSのヘッドホンアンプ2機種に注目
まず「InPol EAR with DAC」は、プリメインアンプと同じ筐体をベースに開発されたアナログヘッドホンアンプである。採用するメーカーの多いElectro Harmonix製の真空管「E88CC/6922」を用いたプリ段と、半導体を用いた純A級増幅段とを組み合わせたハイブリッド構成で、中でも増幅段には、ブランド設立のきっかけにもなった独自技術「InPol」を採用するのが特徴だ。
本技術を採用することで、増幅段は部品点数を抑えたシンプルな構成の純A級無帰還回路となり、真空管プリ段からの信号をできる限り歪みなく、忠実に増幅する。これによって、PATHOSが追い求める音楽性豊かで聴き疲れしにくい音が生まれるのだ。
ヘッドホン出力は4ピン XLRバランスを2つ、6.3mmアンバランスを1つ搭載し、バランスでは10W(32Ω)/1W(300Ω)、アンバランスでは3W(32Ω)320mW(300Ω)という大出力を発揮。また、XLRバランス/RCAアンバランスのプリアウト出力と、XLRバランス入力 1系統、RCAアンバランス入力 4系統も備えているので、パワーアンプを用意すれば、スピーカー環境にも投入できる。
なお、本機は純粋なアナログアンプだが、国内仕様はDACモジュール「HiDac MkII」を標準搭載し、USB-Bや同軸/光デジタル入力にもこれ1台で対応している。しかし、別途ハイグレードなUSB-DACを組み合わせれば、アンプの性能を隅々まで引き出すことができるだろう。
もう一方の「Aurium」は、InPol EAR with DACよりも小さく軽量に設計された、デスクトップサイズと呼ぶのにふさわしいアナログヘッドホンアンプだ。InPol技術こそ用いられていないものの、真空管プリ段と純A級無帰還動作の増幅段を組み合わせたハイブリッド設計はしっかりと踏襲している。
ヘッドホン出力は筐体前面に6.3mmアンバランスを1つ搭載し、最大出力は3.6W(16Ω)。筐体背面にはXLRバランス/RCAアンバランスのライン出力を1系統ずつに、XLRバランス入力1系統、RCAアンバランス入力3系統を備える。背面にはゲインや左右バランス調整用のノブもあり、接続する機器に合わせた柔軟な対応ができることも長所だ。
聴覚と視覚、両方を満足させる上質なヘッドホンアンプ「InPol EAR with DAC」
InPol EAR with DACとAuriumの音と質感の良さを、実際に机上に設置して詳しく確かめてみよう。試聴用のヘッドホンには、同じ欧州のオーディオブランドであるフランス FOCALの「CLEAR MG」をチョイスした。
40mm M字型マグネシウム・ドーム振動板を採用した開放型の上級モデルで、ブラウンメタリックのハウジングとシルバーの精巧なカバーが組み合わされたハウジングデザインは一言でいうなら豪華。装着感も大変良好で、ヘッドバンド部やイヤーパッドに使用された素材の質感が良く、頭部へ心地よいフィットをみせる。側圧も適度なので、長時間の音楽再生にも向いているなど、いかにも2台のヘッドホンアンプと相性が良さそうだ。