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デバイスが進化したらさらにすごそう

無料公開中の「FANZA 8K VR動画」をマジメにレビューした

公開日 2022/09/10 06:45 風間雄介
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さっそく試していく。今回のレビューは「Meta Quest 2」で行った。よりユーザーが多く、安価に購入できるため、テストに適していると判断した。また、スタンドアローンで動作することも魅力だ。

当初からダウンロードだけでなくストリーミング再生も試したいと考えていたが、会社のWi-Fiのスピードを測ってみると、130Mbps程度出ていた。要件を満たすため、ストリーミング再生も試せると考えたのだ。

テストの準備と実行は、非常にかんたんだ。実は、このニュース記事を書き終えるやいなや、「桃乃木かなと究極のイチャラブ同棲生活。」を即時購入していた。もうコンテンツは準備してあったので、あとはMeta Quest 2のDMMアプリに私のアカウントでログインし、再生するだけだ。

さっそくMeta Quest 2を被る。Meta Quest 2はメガネを装着していても使用できるが、今回は8Kの高画質をしっかりと確認すべく、矯正視力1.2程度と強めのコンタクトレンズを久々に装着し、万全の態勢で臨んだ。

Wi-Fi環境でストリーミング再生を開始する。いつものように、パートがいくつかに分かれている。まずはお手並み拝見と、パート1から再生開始した。

「仕方ないな。これも仕事だ」と呟きつつニヤつく口元

冒頭のシーンは、桃乃木かなさんが着衣で目の前に立っていて、私(というか視聴者)に語りかけているところから始まる。スタートした瞬間から、これまでのHQ動画とは次元の異なる実在感に驚いた。「ここはコンシーラーを使っているな」とか、「うさぎメイク」風アイライン処理のちょっとしたアラなど、細かなところまで見えてしまう。ここまで全てが見えてしまうと、出演される方、準備する方も大変だ。

だが、細かなアラが気になるのは、注意してディテールを見た場合だけだ。解像感の高さに慣れ、ゆったりとした心持ちでコンテンツに身を委ねてみると、解像度の高さが、使い古された言葉ではあるが、まるでその場にいるような臨場感につながっていることがよくわかる。解像感が高く、妙なノイズが見えないので、安心してコンテンツの世界に浸ることができるのだ。本当に女優さんが目の前にいるような感覚だ。

作品の制作側もそれをよくわかっているのだろう。右側から桃乃木さんが登場し、思わず視聴者が手を伸ばし、肩を抱かせたくなるような演出など、とても効果的だと感じた。

「ちょっと待って。これって、下から覗くと…」

背景の美しさが没入感をいや増しに高める



人物の立体感、実在感もさることながら、特筆すべきは背景の美しさだ。ほかのHQ動画とも見比べてみたが、HQ動画ではバンディングノイズ(グラデーション部が縞状になってしまうノイズ)やエッジ部のノイズが気になるのに対して、今回の8K VR動画では、それらのノイズがかなり抑えられている。2次元の映像で例えると、VHSからDVDに進化したような、大きな差を感じた。

背景画像にノイズが乗っていると、一気に「作り物感」が増し、没入感が下がる。今回比較視聴してみると、背景の解像感向上とノイズ低減が、現実感を高めることにとても効果的であることがよく理解できた。

もちろんこの背景画質の向上は、解像度が上がったこともさることながら、映像コーデックがHEVCとなったこと、そして高ビットレートであることの効果も大きいだろう。

ところで、Meta Quest 2のハードウェア上の解像度は、片目当たり1832×1920ピクセルしかない。掛け算すると約352万画素だ。片目あたり4Kの場合、画素数は約830万画素程度になるわけなので、それと比べると半分以下という計算になる。実際にデバイスの絶対的な解像感は今ひとつで、画素と画素のあいだの網目も気になる。つまり、ハードウェア的な制約から、まだコンテンツ本来の解像度を活かし切れていないと思われる。

そういった状況でも、これまでのHQ動画と比べると、非常に大きな体験の差がある。今後、片目4Kなど、さらに解像度が高いVRデバイスが出てきたら、同じコンテンツでも、さらにその体験価値が上がることだろう。

次ページもうちょい、ここをどうにか…という細かなところを何点か

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