【特別企画】ペルソナを愛する評論家たち(1)
パラダイム「Persona B」導入記。「仕事道具を超えた素敵な相棒、音楽的視野を広げてくれる」飯田有抄さん
カナダ発のスピーカーブランド、パラダイム。なかでもブランドの最上位クラス「Persona」シリーズは、オーディオ評論家の間でも愛用者が増えてきている。
数あるスピーカーのなかで、この「Persona」はどういった理由で選ばれているのか? Personaを実際に愛用する評論家6名を順次紹介、導入に至るまでの経緯やリスニング・スタイルを紹介する。最初に紹介するのはクラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さん。オーディオ製品のレポートなども増えてきてる飯田さんの導入記をお届けしよう。
出会いはちょうど1年ほど前、2021年7月のこと。PDNの試聴室を訪問した際、パラダイムのスピーカー、MONITOR SEやFounderシリーズを聴かせてもらい、最後に登場したのがPersonaだった。「B」と「3F」を試聴したのだが、妙に自分の感覚にフィットしたのが「B」のサウンドと、コンパクトで美しいその見た目だった。
試聴音源をいくつか掛けたが、なかでも原田慶太楼指揮、NHK交響楽団のライヴ録音によるマルケス作曲「ダンソン第2番」のインプレッションが強烈だった。官能的に歌うオーボエ、トランペットやトロンボーンの煌めく音色、弦楽器の伸びやかな甘さ、打楽器のスピード感、そしてオーケストラ全体がうねるようにして音楽を押し出してくる迫力。生演奏を聴いているかのような精細な響きそのもので、あの美しい音響レンズすらも目の前から消えていくような不思議な感覚に陥った。
こんなスピーカーが私の部屋にあったら、どんなに幸せだろう。毎月のようにクラシックの新譜紹介の原稿を書く私にとって、ソースの持っている響きの可能性を引き出しながらも、自然な感触で聴かせてくれるスピーカーは、仕事道具として必需品かもしれない。「Persona B」はきっと良い相棒になってくれるのではないだろうか。そんなことが脳裏をよぎった。
それから程なくして、色をどれにするか悩む自分がいた(笑)。トマトのようにポップな赤も、パールのように爽やかな白も、控えめで洒落たブルーも、ビターチョコのように渋いブラウンも、みんな違ってみんないい。悩みに悩み抜いて、かつて所有していた愛車の思い出にちなみ、「ブリティッシュレーシンググリーンメタリック」を選択した。今、私の部屋の木製ブラインドとマッチして、ナチュラルな雰囲気を醸し出してくれている。
ちょうど昨年末の納品だったから、使い始めて7カ月が過ぎた。クラシック音楽を専門領域としている私であるが、ここのところ、オーディオ関連のお仕事も少しずつ増えてきた。多様な機器、優れた製品との出会いも多い中で、1年前の自分に比べるとますます「Persona B」の特性が見えてきたから面白い。
今の私が「Persona B」に感じている最大の魅力は、上品で洗練された響きであること、解像度の高さと同時にまとまりの良さがあって、室内楽やオーケストラの音の心地よいブレンド感を聴かせてくれるところだ。
再生が難しいとされるピアノ独奏なども、高音域は硬すぎない音色で届き、なおかつ鮮度を感じさせ、気品ある響きで楽しめる。
CDやアナログ盤の再生が多いが、昨今ではブルーサウンドのストリーマー「NODE」を使って、Apple MusicのAirPlay2から音源を聴くことも増えてきた。かつてはハイレゾ音源に聴き疲れを覚えていたのだが、「Persona B」からアウトプットされる上質な響きではそれが起こらない。
クラシックのみならず、エレクトロニクスやジャズを聴くのも相当楽しくなり、自分の音楽的視野が広がるのを感じている。果たして「Persona B」は、仕事道具を超えた、私の素敵な相棒になってくれたのだった。
今年はパラダイム社の創業40周年にあたり、その記念として日本だけの特別な色の「Persona B」を企画。赤とシルバーによるロッソ・フォッコと黄色と黒のカナリー・イエローの2モデルで、各色共に5ペアの限定品。標準色はもちろん、カスタムにも含まれていない色で、同社が今回のみ特別に製造した限定色モデル。いずれも日本で今回のみ入手が可能だ。
Persona B スピーカーシステム 1,980,000円(カスタムカラー/ペア/税込)
Specifications
●構成:2ウェイ・バスレフ型●クロスオーバー:2kHz●周波数特性:60Hz〜45kHz ±2dB●ドライブ・ユニット:1×φ25mm Truextent べリリウムドーム型、1×φ178mm Truextent、べリリウムコーン型●感度:92dB●インピーダンス:8Ω●推奨アンプ出力:15〜250W●最大入力:150W●質量:14kg●サイズ:225W×330D×435Hmm●取り扱い:(株)PDN
(提供:PDN)
本記事は『季刊・オーディオアクセサリー vol.186』からの転載です。
数あるスピーカーのなかで、この「Persona」はどういった理由で選ばれているのか? Personaを実際に愛用する評論家6名を順次紹介、導入に至るまでの経緯やリスニング・スタイルを紹介する。最初に紹介するのはクラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さん。オーディオ製品のレポートなども増えてきてる飯田さんの導入記をお届けしよう。
スピーカーが消える、不思議な感覚を体験
出会いはちょうど1年ほど前、2021年7月のこと。PDNの試聴室を訪問した際、パラダイムのスピーカー、MONITOR SEやFounderシリーズを聴かせてもらい、最後に登場したのがPersonaだった。「B」と「3F」を試聴したのだが、妙に自分の感覚にフィットしたのが「B」のサウンドと、コンパクトで美しいその見た目だった。
試聴音源をいくつか掛けたが、なかでも原田慶太楼指揮、NHK交響楽団のライヴ録音によるマルケス作曲「ダンソン第2番」のインプレッションが強烈だった。官能的に歌うオーボエ、トランペットやトロンボーンの煌めく音色、弦楽器の伸びやかな甘さ、打楽器のスピード感、そしてオーケストラ全体がうねるようにして音楽を押し出してくる迫力。生演奏を聴いているかのような精細な響きそのもので、あの美しい音響レンズすらも目の前から消えていくような不思議な感覚に陥った。
こんなスピーカーが私の部屋にあったら、どんなに幸せだろう。毎月のようにクラシックの新譜紹介の原稿を書く私にとって、ソースの持っている響きの可能性を引き出しながらも、自然な感触で聴かせてくれるスピーカーは、仕事道具として必需品かもしれない。「Persona B」はきっと良い相棒になってくれるのではないだろうか。そんなことが脳裏をよぎった。
それから程なくして、色をどれにするか悩む自分がいた(笑)。トマトのようにポップな赤も、パールのように爽やかな白も、控えめで洒落たブルーも、ビターチョコのように渋いブラウンも、みんな違ってみんないい。悩みに悩み抜いて、かつて所有していた愛車の思い出にちなみ、「ブリティッシュレーシンググリーンメタリック」を選択した。今、私の部屋の木製ブラインドとマッチして、ナチュラルな雰囲気を醸し出してくれている。
上品で洗練された響き。鮮度が高く、音色が自然
ちょうど昨年末の納品だったから、使い始めて7カ月が過ぎた。クラシック音楽を専門領域としている私であるが、ここのところ、オーディオ関連のお仕事も少しずつ増えてきた。多様な機器、優れた製品との出会いも多い中で、1年前の自分に比べるとますます「Persona B」の特性が見えてきたから面白い。
今の私が「Persona B」に感じている最大の魅力は、上品で洗練された響きであること、解像度の高さと同時にまとまりの良さがあって、室内楽やオーケストラの音の心地よいブレンド感を聴かせてくれるところだ。
再生が難しいとされるピアノ独奏なども、高音域は硬すぎない音色で届き、なおかつ鮮度を感じさせ、気品ある響きで楽しめる。
CDやアナログ盤の再生が多いが、昨今ではブルーサウンドのストリーマー「NODE」を使って、Apple MusicのAirPlay2から音源を聴くことも増えてきた。かつてはハイレゾ音源に聴き疲れを覚えていたのだが、「Persona B」からアウトプットされる上質な響きではそれが起こらない。
クラシックのみならず、エレクトロニクスやジャズを聴くのも相当楽しくなり、自分の音楽的視野が広がるのを感じている。果たして「Persona B」は、仕事道具を超えた、私の素敵な相棒になってくれたのだった。
創業40周年記念の特別色を発売(編集部)
今年はパラダイム社の創業40周年にあたり、その記念として日本だけの特別な色の「Persona B」を企画。赤とシルバーによるロッソ・フォッコと黄色と黒のカナリー・イエローの2モデルで、各色共に5ペアの限定品。標準色はもちろん、カスタムにも含まれていない色で、同社が今回のみ特別に製造した限定色モデル。いずれも日本で今回のみ入手が可能だ。
Persona B スピーカーシステム 1,980,000円(カスタムカラー/ペア/税込)
Specifications
●構成:2ウェイ・バスレフ型●クロスオーバー:2kHz●周波数特性:60Hz〜45kHz ±2dB●ドライブ・ユニット:1×φ25mm Truextent べリリウムドーム型、1×φ178mm Truextent、べリリウムコーン型●感度:92dB●インピーダンス:8Ω●推奨アンプ出力:15〜250W●最大入力:150W●質量:14kg●サイズ:225W×330D×435Hmm●取り扱い:(株)PDN
(提供:PDN)
本記事は『季刊・オーディオアクセサリー vol.186』からの転載です。