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PR最多5モデルが金賞を獲得

VGP2023を席巻! Polk Audioのスピーカーが世界中で評価される理由

公開日 2022/12/09 06:30 大橋伸太郎
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ベスト・イン・クラスを実現する「Signature Elite」シリーズ



金賞5部門のうち、3部門がエントリーラインのSignature Eliteであることに注目しよう。同シリーズは、現在の同社ラインアップの中核である。前モデルの「Signature」(2016年発売)は、北米と欧州で市場別にチューニングしていたが、今回はそれを廃止し、グローバルでサウンドを統一している。

Signature Eliteでは、テリレン・ドーム・トゥイーターとポリプロピレンにマイカ(雲母)を加えた中低域ユニット、独特のパワーポート構造をSignatureから引き継ぐ。一方でウーファー、エンクロージャー、ネットワークに改良が加えられ、ダイナミック・バランス・ドライバー設計プロセスでウーファーの動特性を解析し再設計した。

この世界統一モデルが、耳の肥えた日本市場に捲土重来を果たし、3機種がVGP2023金賞に輝いた。まずコンパクトブックシェルフの「ES20」は、「スピーカーシステム/ブックシェルフ型(ペア10万円未満)」部門で金賞を受賞。シリーズの上位ウーファー16.5cmを搭載し、サイズを越えた表現力を備えている。

「ES20」

新世代らしく音場にスケール感があり帯域が広く、音場感や音圧が豊か。なりはコンパクトだが、音楽を省略せず堂々と鳴らす。また、インターナショナルモデルだけに音楽もボーダーレス。ジャズヴォーカルのライブは、音場のデプスとステージが現れ演奏の熱気がたちこめ、クラシック管弦楽曲は低音の確かな支えでスケールが大きくリズムの揺れが心地よい。バスレフポートの優れた設計で音量を上げても付帯音がなく、いいブックシェルフだ。

フロア型の「ES50」についても、「スピーカーシステム/フロア型(ペア10万円未満)」で金賞を受賞。13cmウーファー2発をスタガー駆動する2.5ウェイでバスレフポートは底部に開口する。この “パワーポート” の効果は大きく、音場の重心が下がり自然で力みがなく、聴き手を包み込むようにナチュラルサラウンドにする。ジャズのライブは、アコースティックベースの量感がしばしば過剰なくらいで、セッティングに工夫が必要かもしれない。

「ES50」

そして激戦区の「スピーカーシステム/フロア型(ペア10万円以上20万円未満)」部門でも、フロア型の「ES60」が金賞を受賞した。このモデルはSignature Eliteの最大最上位で、16.5cmウーファーを3発搭載。ES50/55のダブルウーファーがスタガー駆動であるのに対し、本機は3基をカスケードドライブしている。パワーポートといい、音楽の土台についてPolk Audioのこだわりがうかがえるスピーカーだ。ウィーンフィルの金管が目覚め、弦楽が低音の土台を得て大河のように鳴り、ジャズのウッドベースはよく粘って最低域まで明瞭に出し切る。

「ES60」



Signature Eliteシリーズは手頃な価格で投入されているが、入門者用と考えてはいけない。インターナショナル・イコール・ノージャンルである。ミュージックラヴァーにわけへだてなく寄り添うこのスピーカーにPolk Audioの初心が息づいている。

ReserveとSignature Elite。創業から50年、サイエンスに立脚し、たゆまぬ技術革新でフロントラインに立つ同社の技術と感性のエッセンスがふたつのPolk Audioに凝縮されている。VGPで5つの金賞は当然の成果といえよう。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)


本記事は『VGP受賞製品お買い物ガイド』からの転載です。掲載にあたり加筆・修正を行っております。

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