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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第270回】

スポーツイヤホンvs引きこもりライター、骨伝導4機種で縄跳び“ラスト”マッチ!

公開日 2023/04/13 06:40 高橋 敦
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AVIOT「Openpiece Playful WB-P1」

操作性◎ 音楽全体の見晴らしも良好



装着感や安定感はこちらも問題なし、加えて操作性も良好だ。ボタン部分も含めた全体をシリコン系素材で覆って防水性を高めてあるタイプの製品だと、ボタンの押し心地がいまひとつになりがちだが、こちらはそうした仕様ではなく、ボタンも普通に押しやすい。イヤホン側からのボタン操作を多用する見込みのユーザーは要注目したい。

「Openpiece Playful WB-P1」装着イメージ

三跳目ともなると表情にも疲労が見え隠れしてきた

音質面はこちらも低音側と高音側がロールオフされたカマボコ型ではあるが、Outlier Freeほど思い切ったカマボコ型ではない。ベースやシンバルの存在感も適度に残され、音楽全体の見晴らしも確保されている部類だ。

ちなみに先日発表された「Openpiece Elite」は骨伝導+BAのハイブリッド構成を採用とのこと。音質重視の方はそちらもチェックしてみてほしい。



Shokz「OpenRun Pro」

骨伝導式ネックバンドの先駆者! 音質は「現時点での最適解」


重量は他とさほど変わらないが、着け心地の軽やかさでは他を圧倒!後頭部に回るネックバンド部分の気にならなさは特に好印象だ。

「OpenRun Pro」装着イメージ

苦悶の表情を浮かべながらもラストジャンプ。レビューにも抜かりが無く「プロ」としての在り方を魅せてくれた

こめかみ付近に接して振動を伝える部分は、丸みを帯びたフォルムで当たりが柔らかい。骨伝導式ネックバンドをリードしてきた同社のノウハウを感じられる仕上がりだ。ボタンもカバーされておらず押しやすいタイプを採用している。

音質面も、同社第9世代の骨伝導技術「Shokz TurboPitchテクノロジー」の威力か、この製品が最もナチュラル。一般的なドライバーを採用した普通のイヤホンの音にかなり近づいてきている。超低域や超高域までは感じられないが、低域から高域まではかなり整ったバランスだ。

スポーツに限らず「骨伝導でいちばん音がいいやつってどれ?」への現時点での答えは、このモデルかもしれない。



骨伝導スポーツイヤホン4モデルの縄跳び実跳テストを終えて、総括としては、何はともあれふくらはぎがきつい。イヤホンの装着感や安定性、音質がどのような傾向であろうと、ふくらはぎへの負荷は軽減されないようだ。この点は各社共通の課題と言えるだろう。

各社共通の課題として「ふくらはぎへの負荷軽減」を挙げる高橋先生に、編集部員も思わず同意したという

しかし、耳を塞ぐことなく、周囲の音が全く邪魔されずに聞こえてくるという、骨伝導型イヤホンならではのメリットは共通の強み。今回はその場での縄跳びであるため、ランニングほどシビアに周囲に注意を払う必要はなかったが、公園等ではこちらが走っていなくても、ランニングしている人や元気な幼児がこちらに走ってくることはあり得る。周りの物音、気配を感じられる方が安心だ。

またカナル型のイヤホンでは、自身の足音が耳の中に響くのが気になることもある。骨伝導方式はその対策としても有効といえる。

しかし何はともあれふくらはぎがきつい。ランニングはもう無理だということで縄跳びにしたわけだが、さらに5年後となれば縄跳びも無理だろう。かつて「試聴のためなら足の1本や2本をあげてもいい」「スポーツイヤホン試聴とはゴールのないマラソン」と言った自分にも、ゴールするべき時は来た。それだけだ。

イヤホンLOVE!




高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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