PRSginature Eliteシリーズで検証
Polk Audioのスピーカーで“予算を抑えたミニマルシアター”に挑戦。9.2.4chからダウングレード、満足度検証!
「ES60」「ES55」のフロア型の最小構成は?
早速、スピーカー構成を5.1chまで一気にダウングレード。フロント/サラウンド/センターのスピーカーは残しつつ、トップスピーカーとサラウンドバックをオフにする。また、サブウーファーの「MXT12」についても、2つから1つに減らした(スピーカー合計額:379,500円/税込)。
ホームシアターとしてはオーソドックスな5.1ch構成だが、専用室ではなく自宅リビングなどを想定するならこれくらいが限界という人も多いはず。使用するスピーカーの数が15本から6本に減ったことで、かなりシンプル化したように感じる。
この構成で再び『トップガン・マーヴェリック』を試聴してみたが、実はこの5.1chが最も衝撃的だったかもしれない。予想外に9.2.4chと違いが小さいのだ。スクリーンの向こうに広がる空間の見通し、そしてBGMの定位は相変わらず高く空気のボリュームを感じる音場の広さ、エンジンの爆音のようなパワーある音が完全に背後まで突き抜ける位置感まで優秀に描き出す。ただし重低音については、サブウーファーを減らしたことで音の位置に実体感が出てくる。
この流れで4chにも挑戦してみよう。今度はセンタースピーカーとサブウーファーをオフにし、フロントに「ES60」、サラウンドに「ES55」のスピーカー4本による試聴だ(スピーカー合計額:292,600円/税込)。
再び冒頭のシーンから再生してみると、4chでも試聴位置を取り巻く音場のスケールの大きさと体験は、5.1chと全く同じだ。重低音はサブウーファーが無くなったこともあり、腹に来るような低音の深みはないものの、量感が不足するわけではなく “パワフルな低音” と呼ぶべき表現になる。センターの台詞も実体感は下がるが、空間への馴染みという面ではなかなかだ。4chでも思ったより楽しめてしまうのは、Signature Eliteのサウンドによるものなのだろう。