PRSginature Eliteシリーズで検証
Polk Audioのスピーカーで“予算を抑えたミニマルシアター”に挑戦。9.2.4chからダウングレード、満足度検証!
「ES20」「ES10」で構成するミニ5.1chもアリかも?
別パターンとして、スピーカー構成を小型化したミニ5.1chも組んでみた。引き続きSignature Eliteシリーズを使用し、フロントをブックシェルフ型の「ES20」、サラウンドを最小サイズの「ES10」にまで小型化。センタースピーカー「ES30」、サブウーファー「MXT12」については、先ほどと同じものを改めて設置した(スピーカー合計額:181,500円/税込)。
小型化した5.1ch構成で『トップガン・マーヴェリック』を試聴してみると、やはりブックシェルフであっても、空間的な音の繋がりの良さは遜色なし。遠くの戦闘機の離着陸音や機会音などの定位感も全く支障ない。
高さ方向の途方もないスケール感も予想外にあるが、ブックシェフルスピーカーの背の低さもあって、フロア型と比べると音の密度感としての重厚さは落ち着く。一方で、相変わらず身体を取り巻く空間再現は完璧。重低音はサブウーファー1発がしっかりサポートしてくれるため、リビングのホームシアターとしては十分すぎるパワーが出る。これは大いにアリだ。
ブックシェルフの構成でも4chに挑戦してみよう。フロントがブックシェルフ型の「ES20」、サラウンドはコンパクトな「ES10」の合計4本のみだ(スピーカー合計額:94,600円/税込)。
ここまで来るとさすがに物足りないのでは……と思って試聴を始めたが、思ったよりもずっと良い。はっきりと「ES20」のサイズを超えた空間の見通しの良さ、そして背後までスピーカーが存在する回り込み具合はやはり良い。
Signature Eliteによる音のしなやかなキレと呼ぶべきか、ジェットエンジンの定位が移動する音の再現が上手い。中域はサブウーファーのサポートがないため、あっさりして定位感志向になる。やはり低音はシアターとしては足りないが……これはどれだけ低音が出せる環境か、というところだろう。あまり音を出せないような集合住宅であれば、案外これくらいがちょうどいいかもしれない。
ここまで来たらということで最後に試したのが、フロントで使っていた「ES20」の2本のみ(スピーカー合計額:57,200円/税込)。これはステレオ構成であって、すでにホームシアターではない。だがこの構成を試して、これまで音を聞いて満足できた理由がわかった。
フロント2chの配置だけでも、高さ方向、拡がり方向まで拡散するような空間表現があり、前方から横までのサラウンド空間は存分に広いのだ。サラウンドがないため背後までは再現されないが、これだけでも想像以上に楽しめた。
進むにつれてサラウンドがダウングレードしていく今回の検証だが、大型のフロア型スピーカー「ES60」と「ES55」を使った4ch構成か、コンパクトなブックシェルフ型であれば「ES20」と「ES10」を中心とした5.1chあたりまでは、結構なレベルのホームシアターだ。
ホームシアターとしての最終到達点は、人それぞれだと思う。だからまずはPolk AudioのSignature Eliteシリーズのどれでも良いので、手の出しやすい構成から始めてシステム構成を拡張していくのも良いだろう。お金をかけずにいいホームシアターを作りたい方は、そんな形でもPolk Audioと付き合い始めてみてほしい。
(提供:ディーアンドエムホールディングス)