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PRSginature Eliteシリーズで検証

Polk Audioのスピーカーで“予算を抑えたミニマルシアター”に挑戦。9.2.4chからダウングレード、満足度検証!

公開日 2023/05/19 06:30 折原一也
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Polk Audioは「手の届く価格で良いモノ」



試聴に入る前に、Polk Audioについて改めてお伝えしておこう。同社は米ボルチモアで1971年に創業し、現在は米国トップクラスの販売シェアを誇るブランドだ。日本では2021年に再上陸を果たしたばかりだが、すでにスピーカー販売シェア3位に躍り出るなど、急速に人気が広まっている。

冒頭の繰り返しになるが、人気の理由の1つがコスパの高さだろう。同社には「学生だった自分たちでも購入できるスピーカー」を作りたいという理念があり、これは3人の大学生によって創業された当時から受け継がれている。

日本で展開されているラインナップは、上からReserveシリーズ、Signature Eliteシリーズ、Monitor XTシリーズの3種類となる。このうち最上位のReserveであっても、シリーズ最上位のフロア型スピーカー「R700」が132,000円(税込/1台)で購入できるように、あえてラインナップを高額にしない姿勢が見て取れる(なお米国ではさらに上位のLegendシリーズもある)。

左から、「Monitor XT」「Signature Elite」「Reserve」シリーズ

かといってクオリティも妥協しておらず、最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、最新の計測機器なども導入しつつ試行錯誤を重ねている。もちろん米国トップクラスのシェアという、量産規模によるコスト削減もお手頃な価格に繋がっているのは事実だが、その本質は「手の届く価格で良いモノを作りたい」という情熱とイノベーションにあるのだろう。

理想の9.2.4chからダウングレードに挑戦



前置きが長くなったが、9.2.4ch構成のホームシアター(スピーカー合計額:568,700円/税込)から試聴を始めよう。

スピーカー構成は、フロントにフロア型の最上位モデル「ES60」、サラウンドには一回り小型となるフロア型の「ES55」、センターには「ES30」、サラウンドバックにはブックシェルフ型の「ES20」を採用した。なお、サブウーファーにはMonitor XTシリーズの「MXT12」を2つ設置。また高さ方向を再現するトップスピーカーは、試聴室に常設されているB&Wの埋め込みスピーカー「CCM382」を使用している。

基準となる9.2.4chのサウンドを確認

『トップガン・マーヴェリック』の世界観を伝える、作品冒頭の戦闘機が離着陸する空母甲板のシーンだが、9.2.4chで試聴するとBGMのスケール感から桁違い。戦闘エンジン音が行き交う音の重厚さと密度感、移動感が秀逸だ。

特筆すべきは音像の高さで、BGMの自然な鳴りにはトップスピーカーが重要なのだと実感する。それに台詞のクリアさと存在感、背後まで隙間なく広がる音空間も強烈。そしてマッハ10を目指すテスト飛行シーンの重低音は、ただただ空気を震わせる振動のように伝わるところが末恐ろしい。

この9.2.4chサラウンドを検証におけるホームシアターの理想形とし、ここからスピーカー構成をダウングレードしていく。

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