PR110周年SACDプレーヤーの技術を踏襲
自慢のオーディオでTVを観よう! デノン「DNP-2000NE」は日常を彩る“デジタルミュージック・ハブ”だ
■どんなジャンルも心地良いサウンドで再生。ストリーミングも充実かつ爽快
まずはネットワークプレーヤーとして試聴してみると、その質感の良いサウンドに驚かされる。簡潔に言い表すと、ギュッと集められた密度の濃い音たちがスピーカー周囲に展開するかのような、実に快適な音質だ。どのようなジャンルのソースを聴いても、その音源の中に収められたすべての音がリスナーの間近に浮かび上がってくるかのような、極めて見通しの良い音なのだ。
それでいて、音が広がりすぎたり明瞭過ぎたりして耳あたりが厳しくなってしまうようなことがない。濃密で明快ながらも長時間聴いても心地良いサウンドとなっており、様々なソースを片っ端からどんどん聴いてみたい音になっているのだ。
ロックやポップスを聴いてみると、ボーカルが写実的な音像で明快に浮かび上がる様が印象的である。そこへ重なるスネアドラムも、軽快かつタイトな余韻で張りのある姿で描き出される。オーバードライブ等の歪んだギターサウンドも、輝きやプレゼンスに富みながらも密度の高い心地よい質感で耳に届く。
いずれのソースも密度の高さと分離の良さを兼ね備えたサウンドで描きあげられるとともに、ノイジーさや硬さ、歪っぽさがなく、聴き易さが際立っていることに驚く。この辺りは、本機の原型とも言える同社110周年モデル「DCD-A110」で築きあげたサウンドクオリティや、D&Mグループで培ってきたネットワーク再生ノウハウの蓄積ならではと推察する。
クラシックを再生してみると、静けさが心地よく、弱音時の繊細な表現をはじめとして、ホールに響く余韻の長さ、そして演奏空間全体の広さがよくよく伝わってくることが快い。弦楽器や木管楽器は、瑞々しい音色の再現が美しい。やはり微細な音も明瞭に浮かび上がる様が印象的で、コントラストの高い表現が魅力的である。
Amazon Musicのストリーミング音源を再生してみても同傾向の快適な音質で、ジャンルを選ばずに心地よいサウンドを楽しませてくれた。とりわけボーカルものは、歌声が張りやエネルギーに満ちた快活な音でこちらへと迫り、非常にマッチングが高いと感じる。また、ストリーミング再生ではやや散漫になりがちな低域の表現も、量感は豊かながらもタイトな立ち上がりと余韻描写で、充実かつ爽快な表現を堪能できた。
■HDMI接続は「声」の質感が秀逸。レベル可変アナログ出力も注目ポイント
続いて、本機最大の特長でもあるHDMI入力のサウンドを確認してみる。テレビと接続して、テレビ放送やブルーレイソフトなど様々なコンテンツの再生すると、期待通りに、先述の音質傾向でもって映像コンテンツを楽しむことが出来た。
中でも、映像コンテンツにおいて要となる「声」の質感が秀逸で、登場人物の声色から細やかな演技の表情までが丁寧に伝達されることが特筆ものだ。また、ダイナミックレンジの広い映画やコンサートなどのコンテンツでは、静かなシーンと賑やかなシーンとの対比が鮮やかで臨場感が高く、作品の世界観へと引き込まれる。
一転してニュース番組なども、キャスターの声が明瞭かつ心地よい存在感で眼前へと浮かび上がり、日常的なコンテンツも質感良く耳に届くことが嬉しい。
なお、本機のポイントとして、レベル可変のアナログ出力を装備することも付け加えておきたい。前面に配されたボリュームツマミで音量を可変できるのだが、敢えてプリアンプを通さず試聴してみると、デジタルソースを鮮度高い音で、なおかつそれ単体でも充実したサウンドを楽しむことが出来た。
ボリュームはアプリからも操作可能なので、アクティブスピーカー等に直接本機を繋ぐなどミニマムなシステムにも十二分に応えてくれるだろう。様々な機器に組み合わせやすいサウンドと機能性なのである。
以上のように、DNP-2000NEは、純粋なネットワークプレーヤーとしても実に快活なサウンドを楽しませてくれる存在であるとともに、既存のオーディオシステムにネットワーク再生機能とテレビ音声との連携機能をアドオンできるという、新たな立ち位置を実現した存在だ。
音楽再生から映像コンテンツの再生まで、明瞭かつ快適でいつまでも聴いていたくなるようなサウンドを提供してくれる、日常を豊かに彩る「デジタルミュージック・ハブ」なのである。価格的にも内容的にもミドルクラスのスタンダードと言い得る、実に素敵なサウンドを楽しませてくれる製品だ。
(協力:ディーアンドエムホールディングス)