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PR新機能で通話もクリア、充実の機能性も魅力

静寂の中に鳴り響く上質サウンド。“超高級”完全ワイヤレスDEVIALET「Gemini II」レビュー

公開日 2023/10/03 06:30 岩井 喬
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■ノイズキャンセリングによる静寂が、どこまでも見通せる高い透明度を生み出す



それではまず、実際に本機を装着してノイズキャンセル機能の効果をチェックしてみた。最初に自宅で使ってみると、エアコンの動作音、戸外の雨音が小さくなることを確認。イヤホンを耳から外した際、結構な勢いで降っている雨に驚いたくらいだ。屋外では、バスや電車のエンジンやモーター音の帯域を抑え込む効果も強く、地下鉄車内でもアナウンスがクリアに聴き取れるほど静寂に包まれる印象だ。

アナウンスがクリアに聴き取れるほど静寂に包まれる

続いて音質面。スマートフォンからaptXコーデックに接続しての試聴を行う。Gemini IIのサウンドは、初代Geminiに通じるナチュラルかつダイナミックな傾向はそのままに、音像が見通し良く、抜けの良い音で、自然な音場感が得られる。オーケストラは管弦楽器の際立ちが鮮やかで、ノイズキャンセル効果の高さによって、静寂からの立ち上がりの明瞭さ、余韻の消え際までのきめ細やかな階調表現が味わえた。

音像の密度もしっかりと確保し、太鼓系のハリと胴鳴りのバランスも巧みである。ローエンドまで伸びやかで、高域も華やかな艶感を持っているため、ハーモニーもゴージャスに表現。しかもただ勢いでごまかすようなことはなく、低域の制動性、各パートの分離度も高く、メリハリの利いたサウンドにまとめている。ステージも広く見通しが深い、透明度の高い音場感も良い。

広いサウンドステージに透明度の高い音場感が特徴

ジャズピアノのアタックは澄み切っており、ローエンドの響きも素直に感じられるナチュラルな描写である。ロック音源でもリズム隊の描き分けが巧みで、シンバルワークも分離良く涼やかに表現。密度良いローの存在感と、スネアドラムのクリアなアタックのキレをバランス良く両立している。

例えばTRUE『黎明』を聴くと、重層的なストリングスの分離の良さ、ボーカルのウェットで艶やかなディティールも滑らかに描き切っている。リズムインからの抑揚豊かで、ダイナミックなサウンドは実にゴージャス。声や弦楽器の繊細さと対照的に、キックドラムのエアー感、ベースラインの逞しさもメリハリ良く両立しており、リヴァーブの清々しさも印象的で、音場のクリアさも申し分ない。

◇◇◇


強力になったノイズキャンセル効果のおかげで、相対的に普段聴く音量も抑えられ、ストレス抑制も促される。長い目で見て身体的なケアにも繋がってくるだろう。その一方で、雑踏の中でも静寂感に満たされ、躍動的に推移する音楽の醍醐味を上質なバランスのサウンドで楽しめる贅沢は、他の何物にも代えがたい体験となるはずだ。


ポップスやロックはもちろん、クラシックやジャズなどのアコースティックなものなど、ジャンルを選ばずS/N良く楽しめる。Gemini IIは、ハイエンドモデルだからこその、懐の深い完全ワイヤレスイヤホンとなっている。



試聴音源
・レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』〜木星(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・TRUE『黎明』(96kHz/24bit・FLAC)

(協力:完実電気)

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