PRビクターの新「耳をふさがないイヤホン」を試す
仕事にも家事にも運動にもバッチリ! ビクター“ながら聴き”イヤホン、nearphones「HA-NP50T」レビュー
今回はiPhone 15 Proと接続し、Apple Musicで試聴を行った。一聴してすぐに感じたのは、頭内定位の正確さと、音像のハッキリしたディテール感だ。聴感的にはインナーイヤー型のそれに近く、「どこかから音が聴こえる」というようなふわっとした感じは一切無い。それでいて、音の出口が耳穴から離れているためか、音場感はなかなか広く感じられる。耳をふさがないイヤホンの音質に疑問を抱いている人こそ、このサウンドに驚かされることだろう。
低域のボリューム感は流石に控えめだが、スカスカした印象は無く、軽めのサウンドながらバランスよくまとまっている。ボーカルのニュアンスやハイハットのシャープな質感、シェイカーやパーカッションなどの粒立ちも心地よく、キックなども量感は少ないもののアタック感は悪くない。
丁寧に作り込まれた中高域と、それを支える程よい低域
YOASOBI「アイドル」を再生してみると、特徴的なインパクトなどの音圧はそこそこながら、シャープに細かく刻まれたハイテンポなビートの再現性は見事。クリアで伸びの良いボーカルとも相性が良く、存在感があって聴き取りやすい。逆に平井堅「ノンフィクション」では、男性ボーカルの低音成分が抑え気味なのでやや軽い印象はある。しかしながらミックスボイスやファルセットのハイトーンは美しく、かき鳴らしたアコースティックギターのサウンドもエッジが立っている。
そうした生音の表現力は、宇多田ヒカル「Flavor Of Life -Ballad Version-」などでも発揮されており、ギターやパーカッション、ストリングスが心地よく周りを包んでくれる。先述した音場の広さもあって、スケール感のある音楽ジャンルとも相性が良さそうだ。
全体を通して感じたのは「丁寧に作り込まれた中高域と、それを支える程よい低域」という構図だ。「ながら聴き」にちょうどよく馴染むバランスと言える。
家事でも運動でも。ながら聴きにバッチリなイヤホン
続いて使用感にも触れていこう。HA-NP50Tを装着しながら、掃除や料理、食器洗い、この原稿の執筆……と色々作業してみたが、総じてバッチリ。やはり周りの細かい音が聴こえると作業しやすく、料理で火を扱っている時なども安心感がある。
そしてもちろん、再生中のコンテンツもしっかり楽しめる。音楽だけでなく、YouTube動画やラジオなどを流し聴きするのも良い感じだ。あえていうなら、掃除機をかけている時などは流石に少し聴き取りづらくなるかもしれないが、そうしたある程度の騒音下であっても、音量を上げれば思いのほか聴き取れるようになる。
実際に音楽を再生しながら街中の大通りや狭い路地なども歩いてみたが、後ろからゆっくり近づいてくる車や自転車の音にも気付くことができた。汗や雨水がかかっても平気なIPX4の防滴仕様にも対応しているので、ランニングなど運動時の使用にもオススメだ。
耳をふさがないイヤホンに興味があるならまずチェックしてほしいモデル
通話性能としては、通話用ノイズキャンセルが周りの音を抑え、声だけを拾ってくれるため聞き取りやすい。取引先との電話や、チャットアプリDiscordでの友人との通話で使用してみたところ、聞き返されたりすることもなく快適に会話することができた。
また、雑音がある屋外で通話した場合であっても、相手の声がちゃんと聞き取れるのも実用的に感じた。自宅で音楽を再生しながら作業を進め、そのままリモート通話に移行、といったテレワーク環境にも良さそうだ。
新興ブランドも含め、各社から登場し注目を集めている「耳をふさがないイヤホン」というジャンル。そこに対しこだわりのビクターブランドで、しかも単発でなくシリーズの新作として続けてきたことからも、本製品が力の入ったプロダクトであることがうかがえるだろう。
「ながら聴き」の浸透によってさらに広がったオーディオシーンに興味を持ったなら、まずはぜひHA-NP50Tをチェックしていただきたい。
(提供:JVCケンウッド)