PR高音質化への飽くなきこだわり
“ビクター史上、最高傑作”速攻レビュー。「HA-FX550T」は『音楽の“生の感動”が引き出せるイヤホン』
シンセサイザーとコーラスが重なり合うハーモニーは潤い豊か。音の消え入り際まで響きに厚みと存在感が感じられる。打ち込みによるリズムにも深みがある。ディティールの描き込みも丁寧だ。
ビートの音像が滲むことなく、打ち込みが鋭くタイトだ。思わず身体を動かしながら音楽を聴いてしまう。楽器の音色がとても鮮やかだが、イヤホンがむやみにそれを強調している感じがない。原音の持ち味を忠実に引き出している。
ピアニスト・角野隼斗の楽曲『かすみ草』も、HA-FX550Tとの相性がとても良い楽曲だ。ピアノが描く繊細なニュアンスをイヤホンが生々しく描き分ける。大型ドライバーの鳴りっぷりがよく、音場のスケール感がとても雄大だ。強弱の変化が正確につかめる。弦楽器の柔らかな質感も夢心地にさせられるほど気持ちがいい。
デヴィッド・ボウイのアルバム「ジギー・スターダスト」から『スターマン』を聴いた。ボーカルの歌いっぷりがとても活き活きとしている。アコースティックギターのカッティングも軽やかで明るい。
エレキギターが弾く力強いメロディが勢いよく迫り出してくる。ストリングスのふっくらとしたハーモニーが重なり、広々とした空間を描き出す。足もとでどっしりと響くベースのリズムも安定感たっぷりだ。
HA-FX550T音質レビュー(2):5種類の「PROFESSIONALモード」を試す
イコライザー設定を「FLAT」にした状態から、PROFESSIONALモードをひとつずつ切り替えながら比べて聴いた。
「声の魅力」を伝えることにチューニングの狙いを定めたという「モード1」。ボーカルの輪郭がキリッと引きしまる。高音域の抜け感も向上して、透明感が引き立った。原田知世のアルバム「fruitful days」から『一番に教えたい』では繊細な表情が一段と鮮やかに蘇った。
スタジオで演奏される音楽をそのまま再生したような、立体的な音響をテーマに制作された「モード2」。バランスはフラットに近く、重心はより低い。音像がグッと引きしまる。立体的なバンドの演奏がボーカルを支える。同じ原田知世の『一番に教えたい』で聴き比べると、モード2の方が少し色彩もフラットになるが、リラックスして聴けた。
80〜90年代の洋楽の世界観、ドキドキするような興奮と臨場感を蘇らせるという、ユニークなテーマでつくられた「モード3」。マイケル・ジャクソンの「スリラー」から『Man in the Mirror』を聴いた。
ドラムス、ベースのリズムが鋭く炸裂する。スピード感が5つのモードの中で圧倒的にキレている。ベースのグルーブもグンと勢いを増した。響きは抑えめでカチッとする印象。シンセサイザーとボーカルの高音域をキラッと輝かせる。ゴージャスなUSロックにぴったりのモードだ。
オーケストラやアコースティック楽器が中心の編成に最適化したという「モード4」。角野隼斗の楽曲『かすみ草』を聴いた。ピアノや弦楽器の柔らかくふくよかな余韻が少し強調される。フラットの状態よりもドラマティックな情景を描き出した。
伸びやかな余韻と、甘くゆったりと包み込むハーモニー。音楽による「感動」を敢えて強調するような、スタジオエンジニアの意図が見え隠れする、というか明らかに伝わってくるのだが、その人情味もまた楽しい。
「Tuned by VICTOR STUDIO」を看板に掲げるワイヤレスイヤホンの真骨頂がこのモードを選択すると実感を伴った。筆者もモード4が気に入り、ジャズやクラシックのお気に入りの演奏をこれでたくさん聴き直した。
アレンジに凝ったアニソンやJポップなど、音数の多い楽曲もしっかり聴きやすく楽しめるように、チューニングを練った「モード5」。アニメ「パリピ孔明」のOP主題歌『気分上々↑↑』を聴いた。派手さを強調せず、敢えて落ち着かせたモードだ。視界がクリアに晴れる。複数のボーカリストの声質、楽器演奏のテクニック、気の利いたアレンジの表情などがつぶさに見えてきた。
FLATのモードで聴くサウンドも申しぶんないが、モード5にスイッチすると楽曲の中にのめり込みながら聴いていたリスナーの視点から一歩下がれる。全体を俯瞰しながら、エンジニアの視点から楽曲の新たな魅力が発見できそうだ。
HA-FX550Tは『1台であらゆる音楽の「生の感動」が引き出せるイヤホン』
HA-FX550Tは1台であらゆる音楽の「生の感動」が引き出せるイヤホンだ。5つのPROFESSIONALモードはぜひ上手に使いこなしたい。年代やジャンルを超えて、あらゆるタイプの音楽の魅力に触れられるだろう。
我こそは熱烈な音楽ファンであると自認されている方は、音のプロが認めた「Tuned by VICTOR STUDIO」の最新モデルとの真っ向勝負にぜひ挑んでほしい。
(提供:JVCケンウッド)