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「SE処理」施工のオーディオ用分岐ブレーカーでS/Nの向上とタイトなサウンドを実感

公開日 2024/07/10 18:35 井上千岳
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配電盤ブレーカーをオーディオ用に交換




サブゼロ処理研究所「SE処理」を施工した分岐ブレーカー(標準タイプ HB型)
特に理由があるわけではないが、これまで電源環境に手を付けたことはなかった。せいぜい壁のコンセントを取り換えたくらいだが、これは3P端子が必要だったからだ。またアースを落としてあるのは家を建てたときからのことで、電位を下げるために工事の人が線を引いただけのことである。

電源関連の工事はどうしても腰が引けてしまう。大掛かりになりそうだし、費用だの日程だの、色々と考えなければならないハードルが多い。それに単なる趣味のためだけに特別なことをしたくないという思いもある。

それがどういう風の吹き回しでこんなこと(ブレーカーの交換)をする気になったかと言うと、きっかけはサブゼロ処理研究所の分岐ブレーカーを紹介されたことだ。メインのブレーカーや分電盤全体の交換となるとまた大ごとになるが、分岐ブレーカーひとつだけならそれほど気に病むようなことはない。

それにサブゼロ処理はよく知っていて、音を変質させることなく正しい方向に改善するものと理解している。しかも今回はSEという最もグレードの高い処理なので、その点でも余計期待が持てるというわけである。

オーディオ評論家・井上千岳氏

電気工事は「町の電機屋さん」にお願いするだけ



さてそこで問題は工事の依頼である。電源などの施工は、電気工事士の資格を持つ人間でないと行ってはいけないので、そういうところを探して依頼することになる。どこへ頼めばいいのか。なにか難しいことを言われるんじゃないかと、多くの人がそこで躊躇するかやめてしまうのではないだろうか。

しかし考えてみたら話は簡単で、電気工事なのだから町の電気屋さんに頼めばいいのである。なにも家屋の電気設備専門にやっているようなところである必要はない。テレビや扇風機を売っている普通の電気店で大体間違いなく引き受けてくれる。

ということで近くの電気店を探して電話をしてみた。「故障や破損ということではなく、オーディオ用に少しグレードの高いものに交換したい」という旨を伝えると、「いいですよ」という返事で、1週間後に来てくれるという。このとき費用も教えてくれたが、12,000円+消費税ということだった。

目的のブレーカーの探し方



一般家庭にある分電盤はこういったもの。ブレーカースイッチが並んでいる

家庭用分電盤のカバーを外すと、各ブレーカーが1個ずつならんでいる。このうちオーディオ用のブレーカーを交換する

ちなみに家庭用ブレーカーは分電盤(写真)の中に並んでいる。それぞれのブレーカーが「照明用」「コンセント用」「エアコン用」などと用途別に分かれているわけだが、今回は「オーディオルーム用」だけを交換する。目的のブレーカーを探すのは、オーディオシステムの音を出しておいて、分電盤の端からブレーカーを落としてみる。それで音の消えたところが<当たり>である。

さて1週間後。サブゼロの注文した新しいブレーカーはすでに手元に届いている。約束どおり電気屋さんは来てくれて、わずか10分ほどで工事は終了。器具を取り換えるだけだから、時間がかかるわけはない。工事費は電話で聞いたとおり、消費税を含めて13,200円であった。

S/Nが高まり、余分なものが払い落とされた明快なサウンド



これで工事は完了。あっけないくらい簡単に済んだが、さあ音はどういうことになっただろうか。アンプやスピーカーと違ってちょっと不安半分、期待半分というところ。まるで変化がなかったらがっかりだと思いながら、恐る恐る音を出してみたら全くの杞憂であった。以前とはまるで比較にならない。

なによりもまずS/Nが違う。音を出した瞬間にたぶん誰でも気がつくくらいのレベルで、周囲がしーんと静まり返って海の底を覗きこむように深く沈んでいる。ちょっと想定以上だったのでびっくりしたのも確かだ。

サブゼロのブレーカーには「SE処理」済みのシール「SE」が同梱されている

気を鎮めてもう一度始めから聴き直してみると、今度は音が非常に締まっているのがわかる。締まったと言ってもぎゅっと硬くなるのではなく、余分なものが払い落とされて線がすっきりと明快に出てくるようになったのだ。いままでと比較してみると、こんなにぶよぶよした音で聴いていたのかと思う。それで平気でいたのが、我ながら嫌になるくらいの変わり方である。

バロックは楽器それぞれが新鮮で輝いている。ピアノは響きの粒子が何倍も細かい。オーケストラは起伏が大きくよりダイナミックだ。わずかブレーカー1個、コストにして4万円(注1※)以下でこれほど変わるのかと思うと、大変な秘宝を掘り当てたような気分である。

(注1※)約4万円の内訳
@今回、井上先生が交換した分岐ブレーカー:「SE処理」を施工した分岐ブレーカー(標準タイプ HB型)HST-20A BS1112(P)-(SE) 24,200円(税込)/個  
A電気工事費 13,200円(税込)
@+A=計37,400円(税込)
(ブレーカー購入時に別途送料1,100円が必要)

(注2※) ほかの併売製品
「SE処理」を施工した分岐ブレーカー(コンパクトサイズ)HST-20A BSH2201(P)-(SE) 16,500円(税込)/個  
「SE処理」を施工した屋内配線用電源ケーブル HST-VVF2.0-3C(Y)-(SE) 33,000円(税込)/1m







【購入にあたってのご注意】《本製品はテスト販売品です》
サブゼロ処理研究所では分岐ブレーカー(標準タイプ)、分岐ブレーカー(コンパクトサイズ)、屋内配線用電源ケーブル のテスト販売を2024年5月から行う事になりました。 分岐ブレーカーや屋内配線用電源ケーブルは有資格者による取付けが法令で定められており、製品保証の問題や処理証明シールを貼付する事が商標権の侵害にあたる可能性がある事から、現時点では深冷処理製品の製造を目的とした部材の供給を受ける事が難しいと言う情況にあります。

そこで当研究所がユーザーに代わり、部材の購入を代行。その部材にSE処理を施して販売をする形式のテストマーケティングを行います。テスト販売期間は現時点で1年間とし、機種を限定して行います。

また、前述の通り、分岐ブレーカーや屋内配線用電源ケーブルは有資格者による取付けが法令で定められていることから、本記事でも電器店に取付を依頼しています。購入にあたってはこれらのことをご承知おきください。

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