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感性に訴える”楽しさ”を感じる希有なモデル、ニコン「Z6III」特別レビュー

公開日 2024/12/13 06:00 山田久美夫
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今秋開催されたデジタルイメージング機器の総合アワード「DGPイメージングアワード2024」で、総合金賞<デジタルカメラ/写真撮影部門>に輝いたニコン「Z6III」。先代モデル「Z6II」からの進化ポイントは極めて多く、今後ミドルクラス機に求められる要素を、バランスを重視しながら凝縮させた、時代をやや先取りしたような印象を受けるモデルだ。


小型ボディにフラグシップ機同等の高性能や新機能を凝縮したニコンZシリーズの最新フルサイズミラーレス「Z6III」。価格はオープン価格だが、同社直販サイトでは43万5600円(税込)で販売されている。DGPイメージングアワード2024「総合金賞<デジタルカメラ/写真撮影部門>」受賞
「写真や動画を撮影するだけなら、スマートフォンでも十分」といわれる昨今だが、本格的なミラーレスカメラには、スマートフォンでは得られない数多くの楽しさがある。そしてミラーレスでしか撮れない世界もある。その魅力を様々な面から堪能させてくれるのが、Z6III最大の魅力だ。ここではその魅力を、実写体験とともにご紹介していこう。

■透明感がありクリアで見やすい“光を感じる”EVF


本レビューの執筆にあたり、しばらくの間、日常的にZ6IIIを持ち歩き、様々なシーンで実際に撮影を行ってきたが、そこで一貫して感じたのが「撮影が楽しい!」という感触だ。

Z6IIIを手にして最初に感じたのは、質感の高さと絶妙なボディサイズだ。凝縮感を感じさせる高い剛性を備えた外装は、ミドルクラス機というより高級機さながらの感触。しかもグリップ部が握りやすいので安定感があり、手の小さなユーザーや女性ユーザーでもホールドしやすいだろう。実用品でありながら、趣味性も求められる“カメラ特有”の要求にもしっかりと応えた、高品位なボディだ。


撮影感覚はとても軽快。何より感心したのが電子ビューファインダー(EVF)の美しさだ。解像度はZシリーズのフラグシップ「Z9」や上位機「Z8」を上回る、ニコン史上最高の576万ドットと高精細で、明るさもミラーレスカメラ史上最高となる4000cd/m2に対応。

ファインダー像に透明感があり、極めてクリアで見やすく、まさに“光を感じる”EVFに仕上がっている。日中の屋外など明るいシーンでの見やすさはもちろん、夕暮れや夜景撮影など、暗いシーンでも威力を発揮。撮影していて素直に“楽しい”と感じさせてくれる大きなポイントだ。

さらにZ6IIIは、自分好みの画作りを楽しめる自由度の高い色調整機能として「イメージングレシピ」や「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」に対応している点も大きな特長だ。これらも撮影中、優秀なEVF上にリアルタイムで適用されるため、仕上がりをきちんとイメージしながら、心地よく安心して撮影できる。

PC用ソフト「NX Studio」で作成したオリジナルの色味や、クリエイターが作成した「イメージングレシピ」をカメラに送信して、写真や動画を好みの色味や質感で撮影できる「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」機能に対応。作例のように雰囲気の異なる写真を思いのままに撮影できる

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