HOME > レビュー > 感性に訴える”楽しさ”を感じる希有なモデル、ニコン「Z6III」特別レビュー

PR「撮影体験の全てを楽しみたい」、そんな方にこそおすすめ!

感性に訴える”楽しさ”を感じる希有なモデル、ニコン「Z6III」特別レビュー

公開日 2024/12/13 06:00 山田久美夫
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■肉眼では捉えられない一瞬を捉える超高速連写



メカニカルシャッターの感触も軽やかだ。レリーズ時の振動はよく抑えられているが、シャッター音や微細な振動は、むしろ「撮った!」という心地よい実感につながり、撮影時の満足度を高めてくれる。もちろん必要であれば電子シャッターでの無音無振動撮影にも対応する。

さらにZ6IIIは、世界初搭載となる部分積層型CMOSセンサーによる高速読み出しと、画像処理エンジン「EXPEED 7」により、Z9、Z8に迫る連写性能を実現しており、速度は通常モードで秒間最高20コマ。さらにJPEG記録のみになるが、フルサイズで秒間最高60コマ(C60)、APS-Cサイズなら秒間最高120コマ(C120)の連写が可能だ。

しかも、プリキャプチャー機能も搭載されているので、シャッターボタン全押しから最大1秒間遡って記録ができる。実際に公園でカワセミを撮ってみたが、秒間最高60コマの高速連写に加え、プリキャプチャー機能により自分の反応速度の遅れまでカバーしてくれるため、カワセミ撮影に不慣れな筆者でも、飛び立つ瞬間を捉えることができた。


作例は、秒間60コマの超高速撮影ができる「ハイスピードフレームキャプチャ+」「C60」とプリキャプチャー機能を併用して撮影した29枚の写真をGIF化したもの。シャッターを押す直前まで遡り、カワセミが飛び立つ瞬間を捉えることができた
また、電子シャッターでの撮影にも対応しており、その際は、シャッターの最高速がメカニカルシャッターよりも1段高速な、1/16000秒まで使うことが可能。滝や水滴など、肉眼では到底捉えられないような超高速で動く一瞬も捉えることができるほか、日中に大口径レンズを絞り開放で使いたい時にも威力を発揮してくれる。


■高速で暗所に強いAFと強力なボディ内手ブレ補正


AF性能も十分に快適。速度や被写体認識精度もZ9、Z8に迫るレベルだ。動体追尾はもちろん、特に感心したのは低輝度域での動作。数値的には-10EV(F1.2レンズ使用時)までとトップレベルで、肉眼では被写体を認識するのが難しいような暗い場面でも、迷うことなく確実にAF測距できる点に感心する。

ボディ内手ブレ補正「VR」も搭載しており、その効果もZ6IIの5.0段から8.0段へと大幅アップ。口径の小さな暗めのズームレンズでの、屋内や夕景夜景などの撮影では、かなりの威力を発揮してくれる。また、日中にある程度のスローシャッターで動きを流したいときにも便利で、表現の幅を広げてくれる。


なお、メモリーカードは高速なCFexpress Type BカードとSDメモリーカード UHS-IIのデュアル対応。メモリーカードスロットの蓋が、ストラップ取り付け部の三角環に引っかかり、やや開けにくいことがある点が気になったが、デュアルスロットのため記録ミスが許されない仕事での撮影でも安心感がある。

次ページ超高感度撮影にも強く余裕を感じさせる画質

前へ 1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE