機能や仕様の詳細を紹介
公式サイトには載っていない “ブルーレイDIGA” 11年秋モデルの進化点
■新ブルーレイDIGAに共通の画質・音質向上機能
ここからは、DIGAに搭載された画質・音質を高める技術を見ていこう。
まず、全モデル(一部はBRT210には非搭載)に共通の映像関連の新技術は「長時間録画の進化」「リアルクロマプロセッサの進化」「2D-3D変換の進化」「DVD画質の進化」「字幕の位置調整機能の搭載」の5点であることを理解しておきたい。
長時間録画では、第7世代のアドバンスドAVCエンコーダーを搭載し、「ジャンル最適化エンコード」を実現。ジャンル最適化エンコードは、文字通り、番組情報をもとに、自動でジャンル(ドラマ/アニメ/スポーツ/音楽ライブなど)を判別し、ジャンルに合わせた最適なエンコード処理を行う機能だ。
クロマアップサンプリングの処理性能向上では、2010年〜11年春モデルで実現していた、3D映像で右眼用/左眼用映像それぞれにマルチタップ方式でサンプリングを行うという機能は継承しながら、新たにサンプリング処理精度を高めた。これにより、艶や輝きのある、豊かな3D映像を実現したと説明している。
2D-3D変換の進化では「マルチレイヤー3D変換」が新しい。市販BDソフトを視聴する際、ビデオと字幕、メニューをそれぞれ独立して3D変換することで、字幕やメニューを立体的に表現することが可能になった。マルチレイヤー3D変換は、ビデオや字幕、メニューを一つの映像として合成する前に3D変換処理を行える、BD再生機器ならではの機能と言える。通常のテレビでは、映像はメニューや字幕などの情報が分離されずに入力されるため、このような処理は不可能だ。
DVDのアプコン画質もさらに進化させた。クロマアップサンプリング処理の性能を高めて色信号の広帯域化を行ったほか、その後段の超解像アップコンバート処理も改善し、階調特性の向上を図った。
また、字幕の位置調整機能も新たに搭載した。この機能はBD/DVDタイトルで使用できる。本機能の用途は主に2つ。1つは、16対9ディスプレイでシネスコ映画を観ていて、映像に字幕が被るのが嫌な場合は、黒帯部に字幕を移動できることだ。
もう1つは、シネスコスクリーンを使っている場合に効果を発揮する。字幕がスクリーン内に表示されない場合に、逆に字幕を画面内に移動することができるのだ。
■デジタル処理や筐体強化したプレミアムモデルも登場
プレミアムモデルとして位置づけているDMR-BZT9000/910は、昨日のニュースでもお伝えしたとおり、画質・音質のクオリティ向上を図ったモデルだ。
その画質・音質に対する基本コンセプトは、従来のDIGAから全く変わってない。「高忠実再生」がキーワードで、ソースの映像と音声の情報を余すところなく引き出すことを第一義としている。
BDZT9000とBZT910は、デジタル回路系の進化点は共通している。ACインレットも両機種で強化しており、ともに3芯タイプのAC電源インレットを採用した。BZT9000はφ10mm、BZT910はφ7mmのOFC電源ケーブルを同梱している。
そのほかの、アナログ回路系の進化、筐体の強化などはBZT9000のみの特徴となる。具体的な進化の内容についてはニュース記事や、こちらのファーストインプレッション記事を参照されたい。
ひとつ追加情報としてお伝えしたいのは、筐体を強化した効果が具体的にグラフとして紹介されていることだ。従来の1層シャーシでは共振ピークがかなり多かったが、BZT9000の3層シャーシでは共振ピークを大幅に抑え、これによりディスク振動の影響を大幅に低減させている。