テレビの性能、引き出せていますか?
タダで画質が良くなる! 【保存版】テレビの「画質調整」実践テクニック
【7】シャープネス
映像の輪郭を強調する項目だ。強く設定すると輪郭がハッキリとし、解像度が上がったように見える。しかしここで気を付けたいのは、テレビが人工のエッジを付加する「シュート」だ。
シャープネスの原理は、元の映像に含まれていないシュートを付加して、解像度が向上したように”見せかける”ものに過ぎない。また、元の映像に忠実な画質とも言えない。
多くのテレビでは、シャープネスが最小で適正なケースも多い。最初はピントの甘い映像に感じるが、慣れてくると、柔らかさの中に自然のボケ味が感じられ、映像全体が立体的に感じられるようになるはずだ。
調整のテクニックとしては、境界線のハッキリしたアニメ映像を表示し、一時停止すると良い。まずシャープネスを最小にし、境界線に白や黒のシュートが見えるまでシャープネスを上げよう。今度はシャープネスを下げ、シュートが見えなくなればOKだ。シュートがギリギリ見えない値が最適ポイントだ。
■最後に
今回は費用を全く掛けずに行える比較的簡単な映像調整方法を紹介したが、これを試して頂くだけでも、画質の向上が体験できたのではないだろうか。バックライトを絞る方向に調整したのなら、節電効果も得られているので、一石二鳥だ。
ほかにもオーバースキャンや黒伸張など、タダで出来る、より高度な調整項目もある。またテストパターンと呼ばれる調整用映像を用いれば、より正確に基準値に調整する事ができ、制作者の意図を忠実に再現できる。機会があれば第二弾として紹介したい。
(鴻池賢三)