【コラム】iPhone/iPadのDTCP-IP対応、現状と今後の課題
■DTCP-IPムーブでiPhoneでの番組持ち出しが可能に
さてDTCP-IP再生と同程度、場合によってはそれ以上の可能性を感じるのが、DTCP-IPムーブをiOSで実現しようという動きだ。インタビュー記事でも紹介したとおりデジオンは、まずDTCP-IP対応プレーヤーをリリースし、その後はDTCP-IPムーブに対応したアプリを提供する計画を持っている。
ここでいうDTCP-IPムーブとは、ダウンロード型ムーブのこと。iOSアプリからレコーダーの番組リストへアクセスし、持ち出したい録画番組を選択すると、ネットワークを介してiPhoneやiPadに番組がムーブされる。外出先へ録画番組を持ち出すソリューションは以前から様々なものが用意されてきたが、中には専用のプレーヤーなどもあり、実用性が高いとは言いがたかった。桁外れの販売台数を誇るiPhoneやiPadで気軽に番組を持ち出すことが可能になれば、利便性は格段に向上する。
ただしこれも、レコーダー側がDTCP-IPのダウンロード型ムーブに対応している必要がある。現状ではパナソニックのDIGAがダウンロード型ムーブに対応しているが、他社製レコーダーは非対応のようだ。このあたりは今後、アプリの開発状況に合わせてハードメーカーの積極的な対応を望みたい部分だ。
なおnasneもダウンロード型ムーブに対応しており、録画時に自動的に同時生成される720×480pの持ち出し用コンテンツを、DiXiM for Androidにムーブできる。iOS向けアプリでもこの機能が実現する可能性は高そうだ。