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【特別企画】アコースティックラボによる試聴会を編集部記者が取材

“石井式”での『良い音の3大要素』を徹底解説 − 「Acoustic Audio Forum」潜入レポート

公開日 2016/04/25 11:23 編集部:小野佳希
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また、より直接的に「部屋の響き」を考える指標である「残響時間」については、音楽再生用途には残響時間は録音スタジオ等より長めであるほうが好ましいとされたり、低音域は中音域より長めのほうがいいとされていることなどを紹介。

ただし、ライブ(音が響く状態)気味にするか、デッド(あまり音が響かない状態)気味にするかは個人の好みもあるためそれほどシビアに考えすぎずとも大丈夫だとも説明し、「例えば『低音の響きが残って気になる』というのはそこの吸音が足りないわけではなく、部屋のプロポーションの問題だ」と、部屋の寸法比の重要性を改めて説いた。

残響時間と平均吸音率との関係性も説明

■比率のいい部屋でどのように機器を配置するか

『良い音の3大要素』の3点目、「音像の空間的拡がり」については「鏡像の空間配置」という考え方を紹介。

これは下記の図を見てもらうのが分かりやすいが、音の反射の仕方を表したものだ。同じ縦横比の部屋であっても、縦長で使うか、横長で使うかによって反射音も含めた総合的な音の届き方が変わってくるのが図からも分かる。

実際の部屋(太枠の部分)の周辺にも鏡合わせのように音像空間が存在

スピーカーとリスニングポイントの直接的な距離が離れる縦長の部屋では、背後からの反射音も離れた位置から届いていることになる。一方、部屋を横長で使った場合にはスピーカーからの直接音も背後の壁からの一次反射音もより近い距離から届くため、音に包まている印象が強くなり、より良い音だと感じやすいのだという。

このように、同じプロポーションの部屋であっても部屋の使い方、つまりオーディオ機器の配置によって音像空間は大きく変わってくる。縦横高さの比率が音響的にいい部屋をつくることはもちろん、その部屋をどう活用するかもポイントになるのだ。


以上のように、石井式リスニングルームのポイントを、石井氏本人ではなくアコースティックラボが解説した本イベント。これはつまり、石井氏と同社の思想が共通しており、オーディオにとって部屋がいかに重要であるかを示している。

また、そうした思想を反映した部屋づくりをアコースティックラボは行えるというアピールでもあり、実際に多数の物件を手がけているのは以前の記事でも紹介している通りだ。今後もテーマを変えながらイベントを定期的に開催していくとのことなので、音質向上を追求したいオーディオファイル諸氏は参加を検討してみてはいかがだろうか。

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