DSからオーディオNAS、Roonまでを総括
“あの製品”が全てを変えた − ネットワークオーディオ、10年の歴史をふり返る<黎明/拡大編>
▶2010年11月
ヤマハ、ネットワークオーディオプレーヤー「NP-S2000」を発売
ヤマハ初のネットワークオーディオプレーヤー。プラットフォームにはDLNAを採用し、純正コントロールアプリ「NETWORK PLAYER CONTROLLER」も用意された。NA7004に対して約2倍の定価、バランス出力の搭載など、より高価格帯を攻めた仕様だった。 (関連ニュース)
▶2010年12月
スフォルツァート、ネットワークオーディオトランスポート「DST-01」を発売
スフォルツァート初のネットワークオーディオトランスポート。他に先駆けて登場した国産のハイエンド機であり、アルミ削り出しの重厚な筐体、プレーヤー部と電源部の二筐体仕様、クロックへのこだわりなど、現在も続くスフォルツァート製品の特長は初号機で確立されていた。
▶2011年4月19日
PS Audio、PerfectWave DAC用ネットワークボード「PerfectWave Bridge」を発売
DACやプリアンプ等の拡張スロットにボードを挿入してネットワーク再生機能を追加する、いわゆる「ネットワーク拡張ボード」のさきがけ。純正コントロールアプリも用意されるなど気合いが入っていた。 (関連ニュース)
▶2011年9月
デノン、ネットワークオーディオプレーヤー「DNP-720SE」を発売
デノン初のネットワークオーディオプレーヤー。デノンとマランツはD&Mグループということで、ネットワークオーディオのプラットフォームはNA7004と共通。 (関連ニュース)
▶2011年10月
パイオニア、ネットワークオーディオプレーヤー「N-50」「N-30」を発売
パイオニア初のネットワークオーディオプレーヤー。プラットフォームにはDLNAを採用し、純正コントロールアプリ「Pioneer ControlApp」も用意された。N-50はオーディオ機器として手頃な価格で、かつネットワークとUSB入力の両方で192kHz/24bitの音源を再生可能とあって、市場で大きな人気を博した。 (関連ニュース)
▶2011年
JRiver Media Centerのコントロールアプリ「JRemote」が登場
PC用再生ソフト「JRiver Media Center」のコントロールアプリ。UPnP等の仕組みを用いない、「特定の再生ソフト専用コントロールアプリ」の中でも傑出した完成度を誇る。登場当初はサードパーティー製のアプリだったが、あまりの完成度の高さにある時期からJRiver公式のアプリとなった。JRemoteの登場で、JRiverの動作するPCを本格的なネットワークオーディオプレーヤーそのものとして使うことが可能になり、この時点で、狭義のPCオーディオとネットワークオーディオの垣根は崩れていた。
▶2011年
LINN、純正コントロールアプリ「Kinsky」のiOS版をリリース
PC版は以前から「Kinsky Desktop」としてリリースされており、それのiOS版という形。コントロールアプリに必要な機能をそつなくまとめたアプリであり、iPhone/iPad両対応、DLNA/OpenHome両対応、無料、そしてLINN DS以外のプレーヤーでも使用可能ということで、純正コントロールアプリを持たないプレーヤーと組み合わせて広く使われた。 (関連ニュース)
▶2011年頃
Androidのコントロールアプリ「BubbleUPnP」が登場
ついに登場した、Androidで使える優秀なコントロールアプリ。今に至るまでAndroidで使えるコントロールアプリとしては一強であり続ける完成度。
▶2011年
Aurender、ミュージックサーバー「S10」を発売
※日本導入は2013年5月
「サーバー」と「プレーヤー」両方の機能を持つ製品ジャンル「ミュージックサーバー」のさきがけ。UPnPを使用せず独自にLinuxでシステムを作り込み、純正アプリも含めて当初から高い完成度を実現していた。
▶2012年3月
アップル、第3世代iPadを発売
解像度が倍増したことで、アルバムアートの表示はサイズと画質の両面でCDジャケットをほぼ完璧に再現できるようになった。一方、高解像度の画像をアルバムアートとしてタグ付けすると、処理能力が足りずにコントロールアプリの動作が著しく重くなってしまった。(関連ニュース)
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