公開日 2016/01/27 11:07
“後発”ハイレゾ配信サイト「groovers」の強みとは? AKとの連携や今後の展開を訊く
AKとのコラボ企画も今回登場予定
昨年10月にサービスインしたハイレゾ音楽配信サイト「groovers(グルーヴァーズ)」は、Hi-Fiオーディオブランド「Astell&Kern」で知られるIRIVER社が運営するサイトだ。ハイレゾの認知・普及が着々と進むなか、ハイレゾ配信サイトも国内外で増えている。こうした状況において、grooversはどんな特徴を打ち出すことで他サイトとの差別化を図っていくのだろうか? 同社の竹井香一郎氏にお話しをうかがった。
■そもそも「groovers」ってどんなサービス?
「groovers(グルーヴァーズ)」は、Hi-Fiオーディオブランド「Astell&Kern」などで知られるIRIVER社が韓国で2012年から展開しているハイレゾ配信サービスだ。日本でも2015年10月にサービスインした。日本向けの運営を行っているのは、IRIVER社の100%子会社である(株)グルーヴァーズジャパン。同社はgrooversの運営はもちろん、今後は電子機器や音楽機器の企画・販売も手掛ける予定という。まだ設立されたばかりの会社であり、grooversの運営コアメンバーは現時点で8人。しかし元大手音楽レーベル出身者など、音楽業界に精通した、そして何より音楽を愛する社員が集まっているという。
■配信楽曲は100レーベル以上・約6万曲。高音質レーベルも独占配信
現在同サイトで配信されているのは100レーベル以上・約6万曲。「現在存在しているハイレゾ音源は世界的に見ても約10万曲程度です。grooversはユニバーサルやコロムビア、ビクターなど主要レーベルはもちろん国内外のインディーズレーベルを押さえ、ジャンルもジャズ、クラシック、ロックからアニソンやK-POPまで幅広く揃えています。今後も随時新しいレーベルと契約し、様々な楽曲を確保してバラエティ豊かなラインナップを提供していきます」(竹井氏)。
さらに、日本国内ではgrooversでしか配信していない独占コンテンツとして、高音質レーベルで知られる「チェスキー・レコード」と「Channel Classics」の音源も取り扱っている。
チェスキー・レコードはスタジオミュージシャンをしていたチェスキー兄弟が創設し、グラミー賞オーディオ部門も受賞した実績を持つレーベル。Channel Classicsはクラシックを得意とするオランダのレーベルで、創設者のJared Sacks氏は元ホルン奏者という経歴の持ち主。実力の高い演奏者の名盤を多数擁している。
どちらのレーベルの音源も海外サイトで購入することはできるが、日本語のナビゲーションで、決済も日本で行える安心感はgrooversの大きなメリットだと言えるだろう。
■強みは「iriverとの連携」「多要素をつなぐハブ的役割」
しかし、国内には既に複数のハイレゾ配信サイトが存在しており、grooversは日本国内では「後発」なのが実情だ。grooversはどのような点を他にない魅力として展開していくのだろうか?
竹井氏は「iriver(Astell&Kern)との連携」と「ソフトとハード、音楽ファンとオーディオファンをつなぐハブ的役割」だと説明する。
「iriver(Astell&Kern)との連携」については、「AK380」や「AK T1」などの対象機種の「ストア」メニューから直接grooversにアクセスしてハイレゾ音源を購入することができる。PCレスでハイレゾ音源を入手できることで、プレーヤーに楽曲を移行する手間を省くことができ、より気軽かつ簡単に音源を楽しめるのが特徴だ。
AKユーザー向けの特典として、全タイトル3%引きで購入できたり(2016年9月末まで)や、ユニバーサル ミュージックの名盤ジャズ5作のなかから好きな曲を1曲無料でダウンロードできるキャンペーン(2016年1月末まで)なども用意している。竹井氏は「Astell&Kernユーザーにgrooversを利用していただくことはもちろん、groovers利用者の意見をAstell&Kern製品開発時の参考にしたりといったシナジーも考えられると思います」と、両社の連携による効果を語る。
さらに、「ヘッドホン祭」や「ポタフェス」などヘッドホンファン/オーディオファンが集まるイベントに、Astell&Kernと協力して出展。アンケート等でユーザーのニーズをくみ取り、「まだハイレゾ化されていないが、ニーズがある作品」を探してハイレゾ化&配信を行ったり、優れた新作のハイレゾ録音を行う際に投資を行うという。これは、元音楽レーベル在籍者ならではのノウハウを活かした取り組みだと言えるだろう。
また、ハイレゾ音源を配信中のアーティストのライブにも積極的に協賛し、来場者にgrooversの存在をアピール。無料で1曲ダウンロードできるクーポンを配布するなどして、まだハイレゾを聴いたことがない人にも体験してもらえる取り組みを行っている。今後は夏フェスとのコラボなども予定中とのことだ。
そのほか同社は、韓国でもサービス展開をしている強みを活かし、日本のコンテンツを韓国で販売するというディストリビューターとしての一面も持っている。広告や宣伝に割ける予算が少ない小さなレーベルにとっては、自身の音楽をより多くの人々に聴いてもらうための窓口としても機能することができるという。
さらに、iriver(Astell&Kern)と組み、「ハードとソフト両輪でハイレゾの魅力を多くの方に味わっていただくためのプロジェクト」が現在進行中だという気になるトピックも明らかにされた。詳しくは今夏発表とのことなので、詳細を待ちたい。
◇ ◇ ◇
ユーザーからすれば、ハイレゾ配信サイトは従来のCDショップのような“イチ販売店”的存在かもしれない。しかしgrooversは単に音源の販売に留まらず、ハードとソフト、オーディオファンと音楽ファンを結びつけることで、ハイレゾのさらなる普及と音楽文化の発展を促すことを目指している。
「まだまだハイレゾは“オーディオファン向け”のもの。もっと裾野を広げたいのです。そのためには音楽とハードの両輪で展開していくべきだと考えています。grooversはスタートしたばかりの会社のため、小回りがききます。各お客様からいただいた反響をメンバーが直に共有して、実際の行動につなげていくことができるのが強みだと思います」と語る竹井氏。今後の展開にも期待がかかる。
■そもそも「groovers」ってどんなサービス?
「groovers(グルーヴァーズ)」は、Hi-Fiオーディオブランド「Astell&Kern」などで知られるIRIVER社が韓国で2012年から展開しているハイレゾ配信サービスだ。日本でも2015年10月にサービスインした。日本向けの運営を行っているのは、IRIVER社の100%子会社である(株)グルーヴァーズジャパン。同社はgrooversの運営はもちろん、今後は電子機器や音楽機器の企画・販売も手掛ける予定という。まだ設立されたばかりの会社であり、grooversの運営コアメンバーは現時点で8人。しかし元大手音楽レーベル出身者など、音楽業界に精通した、そして何より音楽を愛する社員が集まっているという。
■配信楽曲は100レーベル以上・約6万曲。高音質レーベルも独占配信
現在同サイトで配信されているのは100レーベル以上・約6万曲。「現在存在しているハイレゾ音源は世界的に見ても約10万曲程度です。grooversはユニバーサルやコロムビア、ビクターなど主要レーベルはもちろん国内外のインディーズレーベルを押さえ、ジャンルもジャズ、クラシック、ロックからアニソンやK-POPまで幅広く揃えています。今後も随時新しいレーベルと契約し、様々な楽曲を確保してバラエティ豊かなラインナップを提供していきます」(竹井氏)。
さらに、日本国内ではgrooversでしか配信していない独占コンテンツとして、高音質レーベルで知られる「チェスキー・レコード」と「Channel Classics」の音源も取り扱っている。
チェスキー・レコードはスタジオミュージシャンをしていたチェスキー兄弟が創設し、グラミー賞オーディオ部門も受賞した実績を持つレーベル。Channel Classicsはクラシックを得意とするオランダのレーベルで、創設者のJared Sacks氏は元ホルン奏者という経歴の持ち主。実力の高い演奏者の名盤を多数擁している。
どちらのレーベルの音源も海外サイトで購入することはできるが、日本語のナビゲーションで、決済も日本で行える安心感はgrooversの大きなメリットだと言えるだろう。
■強みは「iriverとの連携」「多要素をつなぐハブ的役割」
しかし、国内には既に複数のハイレゾ配信サイトが存在しており、grooversは日本国内では「後発」なのが実情だ。grooversはどのような点を他にない魅力として展開していくのだろうか?
竹井氏は「iriver(Astell&Kern)との連携」と「ソフトとハード、音楽ファンとオーディオファンをつなぐハブ的役割」だと説明する。
「iriver(Astell&Kern)との連携」については、「AK380」や「AK T1」などの対象機種の「ストア」メニューから直接grooversにアクセスしてハイレゾ音源を購入することができる。PCレスでハイレゾ音源を入手できることで、プレーヤーに楽曲を移行する手間を省くことができ、より気軽かつ簡単に音源を楽しめるのが特徴だ。
AKユーザー向けの特典として、全タイトル3%引きで購入できたり(2016年9月末まで)や、ユニバーサル ミュージックの名盤ジャズ5作のなかから好きな曲を1曲無料でダウンロードできるキャンペーン(2016年1月末まで)なども用意している。竹井氏は「Astell&Kernユーザーにgrooversを利用していただくことはもちろん、groovers利用者の意見をAstell&Kern製品開発時の参考にしたりといったシナジーも考えられると思います」と、両社の連携による効果を語る。
さらに、「ヘッドホン祭」や「ポタフェス」などヘッドホンファン/オーディオファンが集まるイベントに、Astell&Kernと協力して出展。アンケート等でユーザーのニーズをくみ取り、「まだハイレゾ化されていないが、ニーズがある作品」を探してハイレゾ化&配信を行ったり、優れた新作のハイレゾ録音を行う際に投資を行うという。これは、元音楽レーベル在籍者ならではのノウハウを活かした取り組みだと言えるだろう。
また、ハイレゾ音源を配信中のアーティストのライブにも積極的に協賛し、来場者にgrooversの存在をアピール。無料で1曲ダウンロードできるクーポンを配布するなどして、まだハイレゾを聴いたことがない人にも体験してもらえる取り組みを行っている。今後は夏フェスとのコラボなども予定中とのことだ。
そのほか同社は、韓国でもサービス展開をしている強みを活かし、日本のコンテンツを韓国で販売するというディストリビューターとしての一面も持っている。広告や宣伝に割ける予算が少ない小さなレーベルにとっては、自身の音楽をより多くの人々に聴いてもらうための窓口としても機能することができるという。
さらに、iriver(Astell&Kern)と組み、「ハードとソフト両輪でハイレゾの魅力を多くの方に味わっていただくためのプロジェクト」が現在進行中だという気になるトピックも明らかにされた。詳しくは今夏発表とのことなので、詳細を待ちたい。
ユーザーからすれば、ハイレゾ配信サイトは従来のCDショップのような“イチ販売店”的存在かもしれない。しかしgrooversは単に音源の販売に留まらず、ハードとソフト、オーディオファンと音楽ファンを結びつけることで、ハイレゾのさらなる普及と音楽文化の発展を促すことを目指している。
「まだまだハイレゾは“オーディオファン向け”のもの。もっと裾野を広げたいのです。そのためには音楽とハードの両輪で展開していくべきだと考えています。grooversはスタートしたばかりの会社のため、小回りがききます。各お客様からいただいた反響をメンバーが直に共有して、実際の行動につなげていくことができるのが強みだと思います」と語る竹井氏。今後の展開にも期待がかかる。
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