• ブランド
    特設サイト
公開日 2017/12/28 17:23

<対談>三浦 篤(エアータイト)×藤岡 誠(オーディオ評論家)―世界に認められたジャパニーズブランドのこれから

オーディオを最前線で見続けてきた二人の「重鎮」
構成:季刊アナログ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
日本のオーディオブランドは、いまでこそ最高水準の性能とサウンドを実現する製品として、世界のオーディオファンから高い評価を獲得しているのはご存知のとおりだ。しかし、日本ブランドがここまでの地位を築くに至った背景には、当然のことながら長い道のりがあった。

そんな世界に誇れる日本のオーディオを考えた時、いくつかのオーディオブランドの名前が挙がる。その中でも欠かすことのできない存在のひとつが、エイ・アンド・エム(株)のオーディオブランド「エアータイト」だ。

エアータイトを牽引する三浦篤氏は、米『アブソリュートサウンド』誌において「Hall of Fame」を受賞するなど、世界的な評価を受ける人物のひとりである

1980年代のCD登場以降に立ち上がったブランドでありながら、頑なに「アナログ」と「真空管」にこだわり続けてきたエアータイト。現在に至るまでエアータイトを率いてきた三浦 篤氏は、実に60年以上にわたって、世界のオーディオ市場の移り変わりを見続けてきた人物でもある。その功績は世界でも認められ、アメリカのオーディオ誌『アブソリュートサウンド』誌では、日本人として2人目となる「Hall of Fame」として表彰を受ける快挙をなし得たことも記憶に新しい。

共には半世紀以上にわたり日本のオーディオを見つめ続けてきた三浦篤氏(写真左)と藤岡誠氏(写真右)

この度、50年にわたりオーディオ評論の世界で執筆を続ける藤岡 誠氏との対談が実現。エアータイトが誕生するまでのオーディオについて、そして揺るぎないポリシーで駆け抜けた30余年のブランドのこれまでの歩みを振り返り、同社、そしてオーディオの本質とこれからについて存分に語り合っていただいた。




■真空管アンプブランド「エアータイト」が誕生するまで

藤岡 僕が三浦さんと初めて会ったのは東京でしたね。ちょうど今年は、僕がオーディオ評論を本名で書き始めて50年なんです。中堅どころがね、「小学生の時から藤岡先生の文章を読んでた」なんてね。

僕が書き始めた当時は、三浦さんはラックスにいた時。まだ「ラックスマン」じゃなくて「ラックス」って名乗ってた。当時は「作れば売れる」時代で、トリオ、サンスイ、パイオニアのいわゆる「御三家」や、それ以外にもたくさんメーカーがあった。みんな覇気があったし、社長の顔が見えた。僕らからもね、「あぁ、このメーカーこういう顔の社長で、こういうことやってきたんだ」ってことがよく見えた時代だったんですよ。ラックスもそんなブランドのひとつだった。そんな三浦さんが立ち上げたエアータイトも、できてもう30年になりますか。

三浦 なんとかここまでやってこれました。

藤岡 CDの時代になってから、「真空管でやっていく」というスタンスを明確にしたブランドだったから、とんでもない話ですよね。エアータイトっていう名前もわかりやすかった。

「設立当時から真空管一筋で行くことを決めていた」と話す三浦氏

三浦 会社を作るって時にブランド名をどうしようかって考えたんです。当時はアメリカにも行っていたのですが、オーディオショウでのカタログの順番は全部Aから始まるんですよ。だから僕らもAから始めるブランド名を考えた。「エイ・アンド・エム」という会社名もこのことが理由で、僕の名前が「篤(あつし)」で、僕に会社を作ってくれといった人間の名前が「石黒まさみ」、そして僕の女房が「まり」。それで会社名はエイ・アンド・エム(A&M)になったんです。

ブランド名については当時からもう真空管一筋で行くことを決めていましたから、真空管といったら気密性が高いということで「タイト」。だからエアータイトってのはどうだろうかってことになったのです。

次ページエアータイトをスタートさせた時のエピソード

1 2 3 4 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 次世代の究極モニター、ジェネレック旗艦スピーカー「8381A」。オーディオ評論家4人が音質を徹底レビュー!
2 【ミニレビュー】組み立てキットで手軽にグレードアップ。楽音倶楽部のUSBアクセサリー「KIT-01」「KIT-02」
3 Amazon「初売り」より安いものも!ヨドバシ・ビックが新年セール開催中、AirPods Pro 2も対象
4 <CES>LG、従来より “3倍明るい” 4K有機ELテレビ「OLED M5/G5」発表
5 <CES>レグザ、生成AIを採り入れた「レグザインテリジェンス」開発発表。テレビがさらに便利&高画質に
6 <CES>サムスン、ピーク輝度4000nit超えの独自有機ELパネル「2025 QD-OLED」発表
7 オーディオユニオン、デノン新SACDプレーヤー「DCD-3000NE」発売記念試聴会を1/18お茶の水店で開催
8 “マランツ史上最も高音質” を目指した超弩級モンスター。「MODEL 10」「SACD 10」徹底レビュー
9 <CES>JMGO、超短焦点プロジェクター「O2S Ultra 4K」発表
10 ハイエンド・ホームシアターつくるならどっち?B&W「700 S3 Signature」/ DALI「RUBIKORE」をマルチchで徹底比較
1/7 11:03 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX