公開日 2002/07/03 11:21
日本コロムビアの「CREST1000」作品紹介(その8:No.36〜40)
「CREST1000」No.36〜40 |
No.36■ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調「アメリカ」
/弦楽六重奏曲 イ長調■(COCO-70436)
スメタナ四重奏団
ヨゼフ・スーク(第1ヴィオラ)、ヨゼフ・フッフロ(第1チェロ)
録音:1987年、1988年[PCM デジタル録音]
推薦:レコード芸術特選
「アメリカ」は彼らにとって5回目にして初のスタジオ・デジタル録音。晩年を迎えながら技術的にも音楽的にも完熟の極みともいえる名演だ。六重奏曲は彼らの初録音。名手スークとフッフロを中声部に迎えて、アンサンブルは緊密にして豊麗、楽曲への共感と自信に満ち、全体はすばらしい幸福感に包まれている。
No.37■ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」
/弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」■(COCO-70437)
スメタナ四重奏団
録音:1979年(ライヴ)[PCM デジタル録音]
推薦:80年度レコード・アカデミー賞受賞/レコード芸術特選/朝日試聴室推薦
チェコが世界に誇るカルテットとして活躍したスメタナ四重奏団によるヤナーチェクの弦楽四重奏曲の4度目の録音。ヴィオラ奏者を務めるミラン・シュカンパ校訂の版を使用している。白熱した名演はライヴでありながら他の追随を許さぬ至芸の域に達しており、80年度アカデミー賞に輝いている。
No.38■ブラームス:弦楽六重奏曲第1番 変ロ長調/弦楽六重奏曲第2番 ト長調■(COCO-70438)
コチアン四重奏団
スメタナ四重奏団メンバー:ミラ・シュカンパ(ヴィオラ)、アントニン・コホウト(チェロ)
録音:1987年[PCM デジタル録音]
推薦:レコード芸術準推薦
コチアン四重奏団は72年スメタナ四重奏団の指導のもとに設立されたチェコの現代を代表するクァルテット。シュカンパ、コホウトを迎えてのこの録音では、6人の音楽的バランスが実によく融合しており、“六重奏団”ともいえるアンサンブルの極致を示している。第1番冒頭を聴いた瞬間からその響きのとりこになってしまうはず。
No.39■シマノフスキ:弦楽四重奏曲第1番 ハ長調/弦楽四重奏曲第2番
ウェーベルン:弦楽四重奏のためのラングザマー・ザッツ■(COCO-70439)
カルミナ四重奏団
録音:1991年[PCM デジタル録音]
推薦:レコード芸術推薦/1992年度グラモフォン賞(室内楽部門)/グラミー賞ノミネート
87年ボルチアーニ・コンクールにおいて2位という審査結果を不満とした審査員5人が異例の声明を出してカルミナを賞賛するという衝撃的な国際デビューを飾ったカルミナは、その後の世界的な演奏活動、CDの完成度の高さを通じトップ・クラスのカルテットとして世界の評価を獲得している。これはそのデビュー盤で、彼らならではの知的なプログラミング。ほとばしるような強さと輝きを併せ持つ演奏は衝撃的。
No.40■ハイドン:弦楽四重奏曲第75番 ト長調 作品76-1
/弦楽四重奏曲第76番 ニ短調 作品76-2「五度」
/弦楽四重奏曲第77番 ト長調 作品76-3「皇帝」■(COCO-70440)
クイケン四重奏団(オリジナル楽器使用)
シギスヴァルト・クイケン(第1ヴァイオリン)、フランソワ・フェルナンデス(第2ヴァイオリン)、マーレーン・ティアース(ヴィオラ)、ヴィーラント・クイケン(チェロ)
録音:1996年(第75番・第77番)/
1995年(第76番)[MS/20ビット・デジタル録音]
推薦:レコード芸術特選
「皇帝」「五度」を含む古典派の弦楽四重奏曲の最高傑作といわれる6曲のセットからの3曲。この分野も今やピリオド楽器によるものが主流だが、この世界の最高峰であるクイケン四重奏団による新鮮な解釈は、この四重奏曲集の面白さを改めて細部にいたるまで明らかにしてくれる。