公開日 2009/05/22 20:38
<ハイエンド2009春>PS AUDIOのI2S伝送/ネットワーク対応トラポとDAC/バラッド新スピーカー「Ba610」登場
読み取りエラーを100%排除
「ハイエンドショウトウキョウ2009スプリング」出展内容の中から、本項では完実電気とバラッドの展示内容をまとめてお伝えする。
■完実電気
多くのブランドの販売を手掛ける完実電気。今回のショウで最大の注目を集めていたのは、米PS AUDIOのトランスポート「PerfectWave Transport(PWT)」とDAC「PerfectWave DAC(PWD)」だ。本国ではすでに発表されており、国内でも販売を行うが、価格や販売開始時期などは未定という。
両機種とも非常に多くの革新的な機能を備えている。まずユーザーインターフェースでは、両機種ともに前面パネルにフルカラー液晶タッチパネルを装備。天板にブラックパネルが用いられているのも目新しい。
トランスポートとDAC間は、HDMIケーブルを用いた「I2S」接続に対応する。I2SというIC間でデジタル音声データをシリアル伝送する規格で、クロックとデータ信号を別々に送ることにより伝送エラーやジッターを低減できる。このためHDMIの伝送デバイスには、I2Sデータ転送のためにPS AUDIOが独自設計したものが用いられる。
トランスポート「PerfectWave Transport」にはCD/DVDドライブが搭載されているが、単なるCD/DVDトランスポートではない。同社では「CDメモリートランスポート」という新名称を付けており、読み込み中にエラーが発生した場合、繰り返し読み返すことで「100%正確にデータを読み込む」(完実電気の資料より)という。読み込んだ後は64MBのメモリーに音楽信号のみを記録し、内部のPS AUDIOオリジナルのDDコンバーターで新たにクロックを付加し、DACへ転送する。
また本機は、WAV方式で書き込まれたDVDディスクの読み取りが可能(DVDオーディオには非対応)。このため、Reference Recording社が販売する、DVDで供給されるHRxディスクの再生を直接行うことができる。
さらに本機はイーサネット端子も備えており、将来的にインターネットに接続し、前面の液晶パネルにジャケット画像や曲名の表示も行えるようになる。また、再生可能なコーデックもファームウェアアップグレードにより増やしていくことが可能。ファームウェアアップグレードは、背面のSDメモリーカードスロット、またはインターネット経由で行える。なお本トランスポートは、I2Sのほかにも光/同軸/XLRデジタル出力端子を各1系統装備している。
DAC「PerfectWave DAC」はウォルフソン社製のDAC「WM8741」を搭載。抵抗にはPRP、コンデンサーには日本製の低ESRタイプのものを採用する。前述のようにタッチパネルディスプレイを備え、入力の切り替えのほか、サンプリングレートや5つのフィルターの切り替え操作などが可能。なお、各入力の表示名をカスタムすることもできる。
将来的には、オプションとして発売予定の「ネットワークブリッジ」を接続することでインターネット/家庭内LANへの接続が可能になり、NAS内の音声ファイルを再生したり、ネットラジオの再生などが可能になる。デジタル入力端子はI2S対応のHDMI×2、光/同軸/XLRデジタル入力各×1、USB端子×1を装備。アナログ出力はRCA/XLRを各1系統備える。
同社ブースの試聴デモでは、このPS AUDIOの新トランスポート/DACの音をいち早く体験することができる。
また完実電気のブースではこのほか、PS AUDIOのクリーン電源ブラックモデル「Power Plant Premier-BK」、電源タップ「Quintet」「Duet」などを展示。参考出品ながら電源タップの新モデル「Juice Bar II」も置かれていた。
そのほか、BELDENは電源タップ「PS1650/1850/2600」を展示。光城精工のKOJO TECHNOLOGYブランドからは、6月発売予定のハムイレイザー「KA01」、ソフトスターター「KA02」のほか、人気クリーン電源のMKIIシリーズ「Aray MKIIリミテッド」「Aray6 MKIIリミテッド」「Fairy MKII」なども展示されていた。
イヤホン/ヘッドホンでは、先日の「春のヘッドフォン祭2009」でも紹介されていたMONSTERのドクター・ドレモデルや、ETYMOTIC RESEARCHの主要ラインナップが展示されていた。
【問い合わせ先】
完実電気(株)
TEL/03-5821-1321
■バラッド
バラッドは、独自開発のスピーカー「Baシリーズ」の新製品として「Ba610」を披露。価格は51,975円(1本/税込)で、6月に発売する予定。「Ba510」の販売が好調なことを受けて新たに開発したという。
イタリア製の同軸2ウェイユニットを搭載。ウーファーは6.5インチ、トゥイーターは1インチで、磁気回路にはウーファー用にフェライトコア・マグネット、トゥイーター用にネオジウムを採用している。エンクロージャーはBa510と同様、北欧産のバーチ材を採用。板厚は18mmと頑丈な構造となっている。周波数特性は80〜20kHz、外形寸法は235W×336H×256Dmm、質量は5.5kg。
さらに同社ブースでは、ドイツのモニタースピーカーメーカー「MUSIKELECTRONIC GEITHAIN」(ムジークエレクトロニク ガイザイン、略称MEG)社のパッシブ型スピーカー「ME100」も紹介。同軸2ウェイユニットを装備し、フロントバスレフ方式という構成はBa610と同様だが、同社ではエンクロージャーはもちろん、ユニットや内部パーツまで自社開発している点が特徴となる。
MEG社のモニタースピーカーは国内でも放送局やスタジオ/ミュージシャンのあいだで徐々に人気を高めており、坂本龍一氏などもその音質を高く評価しているという。ただしモニタースピーカーだけにアクティブ型がラインナップのほとんどを占めているため、パッシブ型のME100とME25の2機種をオーディオファンに訴求していく考えだ。価格はME100が330,750円(1本/税込)、ME25が204,750円(1本/税込)。同社広報担当者によると、いずれもモニタースピーカーならではの解像感の高さが持ち味という。
またユニークな商品として、壁へ埋め込んだり壁掛け設置などが行える、ATRCOUSTIC社のスタイリッシュな薄型スピーカー「SUPERSTAR」も紹介されていた。サランネットは8色の標準カラーから選択できるほか、同ブランドが契約したアーティストやgetty imagesの作品の中から好みのアートをプリントできるオプションも用意されている。さらに、イラストレーターで制作したデータをプリントすることも可能という。本製品により、スピーカーを隠すのではなく飾るという新たなオーディオスタイルが実現する。
【問い合わせ先】
(株)バラッド
TEL/03-3324-4260
■完実電気
多くのブランドの販売を手掛ける完実電気。今回のショウで最大の注目を集めていたのは、米PS AUDIOのトランスポート「PerfectWave Transport(PWT)」とDAC「PerfectWave DAC(PWD)」だ。本国ではすでに発表されており、国内でも販売を行うが、価格や販売開始時期などは未定という。
両機種とも非常に多くの革新的な機能を備えている。まずユーザーインターフェースでは、両機種ともに前面パネルにフルカラー液晶タッチパネルを装備。天板にブラックパネルが用いられているのも目新しい。
トランスポートとDAC間は、HDMIケーブルを用いた「I2S」接続に対応する。I2SというIC間でデジタル音声データをシリアル伝送する規格で、クロックとデータ信号を別々に送ることにより伝送エラーやジッターを低減できる。このためHDMIの伝送デバイスには、I2Sデータ転送のためにPS AUDIOが独自設計したものが用いられる。
トランスポート「PerfectWave Transport」にはCD/DVDドライブが搭載されているが、単なるCD/DVDトランスポートではない。同社では「CDメモリートランスポート」という新名称を付けており、読み込み中にエラーが発生した場合、繰り返し読み返すことで「100%正確にデータを読み込む」(完実電気の資料より)という。読み込んだ後は64MBのメモリーに音楽信号のみを記録し、内部のPS AUDIOオリジナルのDDコンバーターで新たにクロックを付加し、DACへ転送する。
また本機は、WAV方式で書き込まれたDVDディスクの読み取りが可能(DVDオーディオには非対応)。このため、Reference Recording社が販売する、DVDで供給されるHRxディスクの再生を直接行うことができる。
さらに本機はイーサネット端子も備えており、将来的にインターネットに接続し、前面の液晶パネルにジャケット画像や曲名の表示も行えるようになる。また、再生可能なコーデックもファームウェアアップグレードにより増やしていくことが可能。ファームウェアアップグレードは、背面のSDメモリーカードスロット、またはインターネット経由で行える。なお本トランスポートは、I2Sのほかにも光/同軸/XLRデジタル出力端子を各1系統装備している。
DAC「PerfectWave DAC」はウォルフソン社製のDAC「WM8741」を搭載。抵抗にはPRP、コンデンサーには日本製の低ESRタイプのものを採用する。前述のようにタッチパネルディスプレイを備え、入力の切り替えのほか、サンプリングレートや5つのフィルターの切り替え操作などが可能。なお、各入力の表示名をカスタムすることもできる。
将来的には、オプションとして発売予定の「ネットワークブリッジ」を接続することでインターネット/家庭内LANへの接続が可能になり、NAS内の音声ファイルを再生したり、ネットラジオの再生などが可能になる。デジタル入力端子はI2S対応のHDMI×2、光/同軸/XLRデジタル入力各×1、USB端子×1を装備。アナログ出力はRCA/XLRを各1系統備える。
同社ブースの試聴デモでは、このPS AUDIOの新トランスポート/DACの音をいち早く体験することができる。
また完実電気のブースではこのほか、PS AUDIOのクリーン電源ブラックモデル「Power Plant Premier-BK」、電源タップ「Quintet」「Duet」などを展示。参考出品ながら電源タップの新モデル「Juice Bar II」も置かれていた。
そのほか、BELDENは電源タップ「PS1650/1850/2600」を展示。光城精工のKOJO TECHNOLOGYブランドからは、6月発売予定のハムイレイザー「KA01」、ソフトスターター「KA02」のほか、人気クリーン電源のMKIIシリーズ「Aray MKIIリミテッド」「Aray6 MKIIリミテッド」「Fairy MKII」なども展示されていた。
イヤホン/ヘッドホンでは、先日の「春のヘッドフォン祭2009」でも紹介されていたMONSTERのドクター・ドレモデルや、ETYMOTIC RESEARCHの主要ラインナップが展示されていた。
【問い合わせ先】
完実電気(株)
TEL/03-5821-1321
■バラッド
バラッドは、独自開発のスピーカー「Baシリーズ」の新製品として「Ba610」を披露。価格は51,975円(1本/税込)で、6月に発売する予定。「Ba510」の販売が好調なことを受けて新たに開発したという。
イタリア製の同軸2ウェイユニットを搭載。ウーファーは6.5インチ、トゥイーターは1インチで、磁気回路にはウーファー用にフェライトコア・マグネット、トゥイーター用にネオジウムを採用している。エンクロージャーはBa510と同様、北欧産のバーチ材を採用。板厚は18mmと頑丈な構造となっている。周波数特性は80〜20kHz、外形寸法は235W×336H×256Dmm、質量は5.5kg。
さらに同社ブースでは、ドイツのモニタースピーカーメーカー「MUSIKELECTRONIC GEITHAIN」(ムジークエレクトロニク ガイザイン、略称MEG)社のパッシブ型スピーカー「ME100」も紹介。同軸2ウェイユニットを装備し、フロントバスレフ方式という構成はBa610と同様だが、同社ではエンクロージャーはもちろん、ユニットや内部パーツまで自社開発している点が特徴となる。
MEG社のモニタースピーカーは国内でも放送局やスタジオ/ミュージシャンのあいだで徐々に人気を高めており、坂本龍一氏などもその音質を高く評価しているという。ただしモニタースピーカーだけにアクティブ型がラインナップのほとんどを占めているため、パッシブ型のME100とME25の2機種をオーディオファンに訴求していく考えだ。価格はME100が330,750円(1本/税込)、ME25が204,750円(1本/税込)。同社広報担当者によると、いずれもモニタースピーカーならではの解像感の高さが持ち味という。
またユニークな商品として、壁へ埋め込んだり壁掛け設置などが行える、ATRCOUSTIC社のスタイリッシュな薄型スピーカー「SUPERSTAR」も紹介されていた。サランネットは8色の標準カラーから選択できるほか、同ブランドが契約したアーティストやgetty imagesの作品の中から好みのアートをプリントできるオプションも用意されている。さらに、イラストレーターで制作したデータをプリントすることも可能という。本製品により、スピーカーを隠すのではなく飾るという新たなオーディオスタイルが実現する。
【問い合わせ先】
(株)バラッド
TEL/03-3324-4260