公開日 2014/07/18 17:49
最先端を満載した驚異の“モンスターマシン”―micro iDSDの凄さを聴く
世界最高峰の対応スペックを実現したベストセラー機
DSD11.2MHzのみならず、22.6MHzも見据えた対応力
昨今、レコーディング環境が整ったことで、11.2MHzというハイスペックなDSD音源を制作することが可能となっている。しかしながら再生環境の方はというと、ハイスペックな最新モデルであっても、まだまだ5.6MHzまでの対応がほとんどだ。
しかしながら、11.2MHzだけでなくさらにその上、22.6MHzにまでも対応するモンスターマシンが登場した。しかも、7万円を切る衝撃的なプライスタグで。それが、iFIオーディオの新しいUSB DAC&ヘッドフォンアンプmicro iDSDだ。そもそもiFIオーディオとは、英国に本拠を置く新進気鋭のハイエンドブランド、AMRが展開しているブランド。高級モデルで培ったノウハウを活かしつつ、コンパクトでハイコストパフォーマンスな製品作りを目指しているのが、このiFIオーディオだ。
同ブランドでは、これまでにmicroシリーズ、さらにコンパクトなボディサイズを持つnanoシリーズを展開しており、micro iDSDはその上位モデルとなる。
22.6MHzまでのDSD、768kHz/32bitまでのリニアPCMに対応するという、とてつもないハイスペックさに目を奪われがちだが、micro iDSDはクオリティ面でも機能性でも、さまざまな魅力が盛り込まれている。例えば、音質に関していえばiFIオーディオ全製品がクラスAのアナログ回路と“Bit Perfect”を実現する高品位なデジタル回路を搭載。当然ながらmicro iDSDの22.4MHz DSDも、ネイティブかつビットパーフェクトな再生を実現なしえたからこそ、搭載されているのだ。
一方、ヘッドフォン出力に関しても徹底したこだわりがうかがえる。高いサウンドクオリティを保つため、高品位なアナログパーツを採用するほか、“Power Mode”、“iEMatch”という2つのスイッチを用意。幅広いヘッドフォンの能率に合致する5タイプの出力を用意することで、鳴りやすいイヤーモニターから音質重視の低能率ヘッドフォンまで、全ての製品が存分に楽しめるようになっている。
ユーザビリティの面では、そのほかにも独自性の高い機能がいくつも用意されている。まず、フロントパネルに切り換えスイッチが用意された“3Dホログラフィック”は、アナログ回路の信号処理によって人間にとってより自然な音場空間を生み出そうというもの。こちらによって、頭内定位から外に向かって広がる音場感が実現される。同じくフロントパネルには“XBass”も用意されている。こちらは、いわゆるバスブースト機能ではあるが、低域の量感が足りなくなりがちなヘッドフォンに合わせた調整が行われているため、タイトでキレの良い低域を実現できる。また、3タイプのデジタルフィルター(リニアPCMとDSDでは異なるタイプを用意)や位相反転機能など、さらに詳細なセッティングが行えるようになっているのもポイントだ。
入出力に関しても個性的だ。同軸デジタルの入出力と丸型光デジタル入力を一体化した端子を用意することで、スリムなボディでありながら、据え置き型に匹敵する豊富な入出力を装備。メインとなるUSBも、あえてAオス端子を採用。iOSデバイスで使用するカメラアダプタやウォークマンなどのデジタル接続ケーブルを、直接に接続することができるのだ。
もうひとつ、大変便利なのがバッテリーの搭載だろう。4800mAhという大容量リチウムポリマーバッテリーの搭載によって、ポタアンとしても活用できる(しかもエコモードであれば12時間の連続使用が可能)だけでなく、スマートフォンへの給電も行えるようになっている。
このほかにも、USB伝送にまつわる問題を解決するiPurifierと同等の回路を搭載したほか、ルビジウムクロックを凌駕する特性を持つフェムトクロックなど、ここでは書ききれないくらいの魅力を満載しているのだ。
これほどまでの音の洪水は聴いたことがない
さて、肝心のサウンドはいかがなものだろう。まずは、NetAudio vol.15に収録されたテクノボーイズ『ヴィジブル・インヴィジブル』11.2MHzのDSDファイルを再生。パソコンはWindowsノートPC(NEC製)、再生ソフトにはHQ Playerを使用した。
いままでに経験のない音。圧倒的な音数の多さ、ダイナミックレンジの広さに、思わず身構えてしまう。まるで音の洪水。しかも、歪み感やフィルター感が皆無といえる状態で、楽器の音色全てが、レコーディング時に生で聴いたそのもの。アナログシンセサイザーのとてつもなく厚みのある音が見事に再現されているし、マイク録音のベーゼンドルファーもよく整った倍音成分が余さず取り込まれ、張りのある美しい響きが漏らさず取り込まれている。これまでのDSD音源のイメージを覆す、芯の強い印象的なサウンドだ。
続いて、アステル&ケルンのAK120Uを光デジタル端子で接続して、リニアPCMの音源も試してみた。こちらもなかなかのもので、一段と彫りの深くなった、ダイナミックな演奏が楽しめる。DACとしても、ポータブル機器としても存分に楽しめる、素晴らしい製品だ。
昨今、レコーディング環境が整ったことで、11.2MHzというハイスペックなDSD音源を制作することが可能となっている。しかしながら再生環境の方はというと、ハイスペックな最新モデルであっても、まだまだ5.6MHzまでの対応がほとんどだ。
しかしながら、11.2MHzだけでなくさらにその上、22.6MHzにまでも対応するモンスターマシンが登場した。しかも、7万円を切る衝撃的なプライスタグで。それが、iFIオーディオの新しいUSB DAC&ヘッドフォンアンプmicro iDSDだ。そもそもiFIオーディオとは、英国に本拠を置く新進気鋭のハイエンドブランド、AMRが展開しているブランド。高級モデルで培ったノウハウを活かしつつ、コンパクトでハイコストパフォーマンスな製品作りを目指しているのが、このiFIオーディオだ。
同ブランドでは、これまでにmicroシリーズ、さらにコンパクトなボディサイズを持つnanoシリーズを展開しており、micro iDSDはその上位モデルとなる。
22.6MHzまでのDSD、768kHz/32bitまでのリニアPCMに対応するという、とてつもないハイスペックさに目を奪われがちだが、micro iDSDはクオリティ面でも機能性でも、さまざまな魅力が盛り込まれている。例えば、音質に関していえばiFIオーディオ全製品がクラスAのアナログ回路と“Bit Perfect”を実現する高品位なデジタル回路を搭載。当然ながらmicro iDSDの22.4MHz DSDも、ネイティブかつビットパーフェクトな再生を実現なしえたからこそ、搭載されているのだ。
一方、ヘッドフォン出力に関しても徹底したこだわりがうかがえる。高いサウンドクオリティを保つため、高品位なアナログパーツを採用するほか、“Power Mode”、“iEMatch”という2つのスイッチを用意。幅広いヘッドフォンの能率に合致する5タイプの出力を用意することで、鳴りやすいイヤーモニターから音質重視の低能率ヘッドフォンまで、全ての製品が存分に楽しめるようになっている。
ユーザビリティの面では、そのほかにも独自性の高い機能がいくつも用意されている。まず、フロントパネルに切り換えスイッチが用意された“3Dホログラフィック”は、アナログ回路の信号処理によって人間にとってより自然な音場空間を生み出そうというもの。こちらによって、頭内定位から外に向かって広がる音場感が実現される。同じくフロントパネルには“XBass”も用意されている。こちらは、いわゆるバスブースト機能ではあるが、低域の量感が足りなくなりがちなヘッドフォンに合わせた調整が行われているため、タイトでキレの良い低域を実現できる。また、3タイプのデジタルフィルター(リニアPCMとDSDでは異なるタイプを用意)や位相反転機能など、さらに詳細なセッティングが行えるようになっているのもポイントだ。
入出力に関しても個性的だ。同軸デジタルの入出力と丸型光デジタル入力を一体化した端子を用意することで、スリムなボディでありながら、据え置き型に匹敵する豊富な入出力を装備。メインとなるUSBも、あえてAオス端子を採用。iOSデバイスで使用するカメラアダプタやウォークマンなどのデジタル接続ケーブルを、直接に接続することができるのだ。
もうひとつ、大変便利なのがバッテリーの搭載だろう。4800mAhという大容量リチウムポリマーバッテリーの搭載によって、ポタアンとしても活用できる(しかもエコモードであれば12時間の連続使用が可能)だけでなく、スマートフォンへの給電も行えるようになっている。
このほかにも、USB伝送にまつわる問題を解決するiPurifierと同等の回路を搭載したほか、ルビジウムクロックを凌駕する特性を持つフェムトクロックなど、ここでは書ききれないくらいの魅力を満載しているのだ。
これほどまでの音の洪水は聴いたことがない
さて、肝心のサウンドはいかがなものだろう。まずは、NetAudio vol.15に収録されたテクノボーイズ『ヴィジブル・インヴィジブル』11.2MHzのDSDファイルを再生。パソコンはWindowsノートPC(NEC製)、再生ソフトにはHQ Playerを使用した。
いままでに経験のない音。圧倒的な音数の多さ、ダイナミックレンジの広さに、思わず身構えてしまう。まるで音の洪水。しかも、歪み感やフィルター感が皆無といえる状態で、楽器の音色全てが、レコーディング時に生で聴いたそのもの。アナログシンセサイザーのとてつもなく厚みのある音が見事に再現されているし、マイク録音のベーゼンドルファーもよく整った倍音成分が余さず取り込まれ、張りのある美しい響きが漏らさず取り込まれている。これまでのDSD音源のイメージを覆す、芯の強い印象的なサウンドだ。
続いて、アステル&ケルンのAK120Uを光デジタル端子で接続して、リニアPCMの音源も試してみた。こちらもなかなかのもので、一段と彫りの深くなった、ダイナミックな演奏が楽しめる。DACとしても、ポータブル機器としても存分に楽しめる、素晴らしい製品だ。