公開日 2014/08/21 16:07
iTubeがオーディオをさらに面白くする
プリアンプとして、バッファーとして…
真空管の魔法を感じられる小さな「ハイエンド機」
コンパクトで手の届きやすい価格の製品を続々と登場させているiFIオーディオは、日本には導入されていないがイギリスのハイエンドブランド、AMRで培った技術をふんだんに踏襲したジュニアブランドだ。現在のところ最も脚光を浴びているのが、USB DACのmicro iDSDとnano iDSDだが、フォノイコライザーのiPhonoやポータブルヘッドフォンアンプのiCANなど、そのラインアップには実力機が揃っている。
その中でも個人的に推薦したいモデルがいくつかあるのだが、そのひとつがiTubeだ。真空管デバイスを使った小型のプリアンプであり、スイッチの切り換えによってボリューム機構をスルーさせることで、バッファアンプとしても使うことができる。これまで何回もテストしているが、プリアンプとしてはもちろん、バッファアンプとしても実に魅力的。「音を良くする真空管の魔法」みたいなものを感じさせる製品だ。
バッファアンプの使用には“音”を良くする意味がある
例えばCDプレーヤーとプリアンプの間、あるいはプリアンプとパワーアンプの間にiTubeを使用すると音の粒立ちが良くなり、音像の実在感や彫りの深さが増す。音としてシンバルのメタルっぽさが上がったり、キメが細かくなったりもするが、何よりも思わず腰が動いてしまうくらい演奏のグルーヴ感が高まるとか、歌の意味がより入ってくるといった効果もある。この音のクオリティや、音楽を生き生きと再生させる役割の大きさに対して、4万円を切る定価はすごいなというのが正直なところだ。この音の良さの秘密は、良きパーツを良い耳で選択し、効率的な回路を構築できているからと考えている。
合理的なパーツの選択と有機的な回路構成
本機はゼネラル・エレクトリック社の2C51(5670)という真空管を採用していることもそうだが、欲しい音のためには何でも使うという、良い意味での折衷主義みたいなものを感じる。例えばプリアンプとして使用する際に必須となるボリューム機構。いわゆるチップ化された、アナログ領域で音量調整する電子ボリュームを採用している。
あるいはデジタル・アンティドート・プラスというモード。「デジタル音源の“きつさ”を除去し、オーガニックな特性を加える」とメーカーでは説明するが、そのモード名に反してアナログ領域で音を処理する回路であり、特許も取得しているそうだ。
特筆すべきは、そうしたパーツを有機的に回路として構成し、合理的に配置できたことによる極めて小さいこのサイズだ。入力から出力まで、短い回路規模ならではの反応の良さや鮮度感が生まれてくる。システムの音に良くも悪くも煮詰まりを感じている人は、ぜひ投入して欲しい。音を良くするバッファアンプの魔法がもたらされる確率は高い。
●こんな使い方ができる! iTubeの使いどころ
ハイエンド・オーディオはもちろん、ヘッドフォンも鳴らすことが可能
もちろんプリアンプとしてそのまま使っても良い。音量調節付きのUSB DACでも、そのアナログアウトを全開にしてiTubeに通し、こちらで音量調節を行うのもひとつの選択肢だ。小型のアクティブスピーカーなどとボリューム付きのUSB DACの間に挿入して躍動感のある音楽を楽しむ使い方もある。また、iTubeの出力にRCA端子で接続し、反対側はミニジャックを受けるメス端子のケーブルなどを用意できればヘッドフォンアンプとしても使える。バッファアンプとしてはプレーヤー-プリ間だけでなくプリ-パワーの間に入れてもいい。実際に100万円を超える高級プリと高級パワーの間に入れて使っている人を知っている。白いご飯に少量かけるとおいしいオーガニックな塩のように、さまざまな箇所に使えて、なおかつ病みつきになる可能性を持った製品だ。ちなみに、ゲインは0dBと+6dBの変更ができる。このサイズ、そしてこの価格なので、2台揃えて左右を分けたモノラル使いするのも楽しそうだ。
コンパクトで手の届きやすい価格の製品を続々と登場させているiFIオーディオは、日本には導入されていないがイギリスのハイエンドブランド、AMRで培った技術をふんだんに踏襲したジュニアブランドだ。現在のところ最も脚光を浴びているのが、USB DACのmicro iDSDとnano iDSDだが、フォノイコライザーのiPhonoやポータブルヘッドフォンアンプのiCANなど、そのラインアップには実力機が揃っている。
その中でも個人的に推薦したいモデルがいくつかあるのだが、そのひとつがiTubeだ。真空管デバイスを使った小型のプリアンプであり、スイッチの切り換えによってボリューム機構をスルーさせることで、バッファアンプとしても使うことができる。これまで何回もテストしているが、プリアンプとしてはもちろん、バッファアンプとしても実に魅力的。「音を良くする真空管の魔法」みたいなものを感じさせる製品だ。
バッファアンプの使用には“音”を良くする意味がある
例えばCDプレーヤーとプリアンプの間、あるいはプリアンプとパワーアンプの間にiTubeを使用すると音の粒立ちが良くなり、音像の実在感や彫りの深さが増す。音としてシンバルのメタルっぽさが上がったり、キメが細かくなったりもするが、何よりも思わず腰が動いてしまうくらい演奏のグルーヴ感が高まるとか、歌の意味がより入ってくるといった効果もある。この音のクオリティや、音楽を生き生きと再生させる役割の大きさに対して、4万円を切る定価はすごいなというのが正直なところだ。この音の良さの秘密は、良きパーツを良い耳で選択し、効率的な回路を構築できているからと考えている。
合理的なパーツの選択と有機的な回路構成
本機はゼネラル・エレクトリック社の2C51(5670)という真空管を採用していることもそうだが、欲しい音のためには何でも使うという、良い意味での折衷主義みたいなものを感じる。例えばプリアンプとして使用する際に必須となるボリューム機構。いわゆるチップ化された、アナログ領域で音量調整する電子ボリュームを採用している。
あるいはデジタル・アンティドート・プラスというモード。「デジタル音源の“きつさ”を除去し、オーガニックな特性を加える」とメーカーでは説明するが、そのモード名に反してアナログ領域で音を処理する回路であり、特許も取得しているそうだ。
特筆すべきは、そうしたパーツを有機的に回路として構成し、合理的に配置できたことによる極めて小さいこのサイズだ。入力から出力まで、短い回路規模ならではの反応の良さや鮮度感が生まれてくる。システムの音に良くも悪くも煮詰まりを感じている人は、ぜひ投入して欲しい。音を良くするバッファアンプの魔法がもたらされる確率は高い。
●こんな使い方ができる! iTubeの使いどころ
ハイエンド・オーディオはもちろん、ヘッドフォンも鳴らすことが可能
もちろんプリアンプとしてそのまま使っても良い。音量調節付きのUSB DACでも、そのアナログアウトを全開にしてiTubeに通し、こちらで音量調節を行うのもひとつの選択肢だ。小型のアクティブスピーカーなどとボリューム付きのUSB DACの間に挿入して躍動感のある音楽を楽しむ使い方もある。また、iTubeの出力にRCA端子で接続し、反対側はミニジャックを受けるメス端子のケーブルなどを用意できればヘッドフォンアンプとしても使える。バッファアンプとしてはプレーヤー-プリ間だけでなくプリ-パワーの間に入れてもいい。実際に100万円を超える高級プリと高級パワーの間に入れて使っている人を知っている。白いご飯に少量かけるとおいしいオーガニックな塩のように、さまざまな箇所に使えて、なおかつ病みつきになる可能性を持った製品だ。ちなみに、ゲインは0dBと+6dBの変更ができる。このサイズ、そしてこの価格なので、2台揃えて左右を分けたモノラル使いするのも楽しそうだ。