• ブランド
    特設サイト
公開日 2015/05/15 16:43

【独HIGH END】dCS、Vivaldiシステムの遺伝子を受け継いた新シリーズ「Rossini」発表

最高峰のデジタル技術を存分に投入
季刊NetAudio編集部・浅田陽介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
現地時間の2015年5月14日(木)より開幕した「Munich HIGH END 2015」。同ショウを回っていると目につくのはアナログ関連機器の出展の多さ、そして今年はネットワークオーディオに関連する製品が多く見られるようになった。

dCSのブースの様子。再生のデモンストレーションは、世界のオーディオマニアたちの憧れとなっている最上位システム「Vivaldi」で実施されている

今年はさまざまなブースでネットワークプレーヤー機能を実装した製品を多く目にすることができたが、イギリスのハイエンドブランド、dCSのブースで発表された新モデル「Rossini(ロッシーニ)」は、とりわけ大きな注目を集める製品となっている。

Rossiniは、世界的にみても最高級グレードに位置するマニア垂涎のデジタルオーディオシステム、「Vivaldi」のエッセンスをふんだんに投入したシステム。ラインアップには、LAN入力、USB-DAC等の機能をひとつにまとめあげた「Rossini DAC」と、これにCDドライブを搭載した「Rossini Player」の2モデルが名を連ねている。

Vivaldiシステムの技術をふんだんに投入した新モデルRossini DAC。DXDや5.6MHz DSDへの対応を実装するほか、ネットワークプレーヤー機能も搭載した注目のモデルとなる

Rossini DACにCD専用ドライブメカニズムを搭載したRossini Player。ドライブの搭載の分だけ筐体サイズが高さ方向に拡張されたボディとなっている

Rossiniの最大の注目点は、世界最高精度のDAコンバーターとして極めて高い評価を受ける5bitリングDACモジュールの最新世代をVivaldiと同様に搭載している点。これまでdCSでは、最大で192kHz/24bit PCM、2.8MHz DSDまでの対応としてきたが、Rossiniから384kHz、352.8kHzのPCMとなるDXDフォーマットや、5.6MHz DSDまでのサンプルレートに対応した。

世界的に評価される同社のリングDAC。DACチップを使わずにFPGAで内部で5bit処理する極めて理想的な仕様を誇るDAコンバーターで、Rossiniにはその最新世代が投入されている

いたずらにサンプル・レートを拡張せず、現実的なフォーマットであることを前提としてその変換精度を高めてきた観のあるdCSだが、同社がさらなるハイサンプリング対応を実装した背景には、世界的にみてもDXDや5.6MHz DSDが現実的なオーディオフォーマットとしてその頭角を表してきていることを意味すると言っても過言ではなさそうだ。なお、このサンプルレートの拡大は、現在Vivaldiシステムにもアップグレードで対応すべく開発が進められている。

また、Rossiniはネットワークプレーヤーとしての機能も実装。メインポートの他にLOOPと名付けられた2つのLANポートを備えていることも特徴で、これはハブとしての機能を持つ端子であり、ユーザーのルーターやハブに端子が不足する場合、これらの端子の活用でその問題を解決することができるもの。さらにネットワーク再生時には、背面に設けられたUSB A端子へフラッシュメモリ等を接続することで、その内部の音源も簡単に再生できるようになっている。

Rossini DACの背面パネル。デジタル入力はAES/EBU×2、S/PDIF(RCA同事項、BNC、光TOS)×3のほか、フラッシュメモリ等を接続できるUSB A端子、PCを接続するUSB B端子、そしてLAN×2と豊富に装備。デジタル出力は装備せず、あくまでDACコンバーターとして完結するシステム構成となっている

CDドライブを搭載したRossini Playerは、今回、SACDの再生には対応せずCD専用機としての完成度を追求。その理由は世界的に見てSACDドライブメカが入手しにくくなったことが関係しているようだ。もちろん、クオリティさえ気にしなければSACDへの対応を果たすことは簡単だったが、同社ではあくまで再生のクオリティを重視。そのかわり、dCSの旧タイプのSACDプレーヤーをRossiniとデュアルAES接続することで、SACDに収録されたDSDデータもDA変換することができる仕様となっていることは注目すべきポイントだ。

CDドライブを搭載したRossini Playerも、背面端子はRossini DACと同一。アナログ出力はRCAとXLRを各1系統、BNC端子による2系統のワードクロック入力、1系統のワードクロック出力を装備する

なお、Rossiniはいずれも本国にて今年夏頃の発売を目指し、現在開発が進められているとのこと。日本での発売価格もまだ未定だが、グレードとしてはVivaldiに次ぐシステムとなるとのことだ。VivaldiシステムでdCSが実現したデジタル再生の境地は、着実にその裾野を広げつつある。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX