公開日 2016/05/09 11:09
<HIGH END>DSオーディオ、“やれることを全てやった”最上位光電型カートリッジ「Master 1」
ドイツのNo.1専門誌で最高評価を獲得
現地時間の2016年5月5日〜8日までドイツ・ミュンヘンで開催された「Munich HIGH END 2016」。いまや、世界最大の規模を誇るオーディオショウと言っても過言ではない同ショウだが、今年はここ数年でも、最も多くのアナログ関連機器の展示が行われていた印象だ。
いま、世界的にもレコードの一大ブームが巻き起こっていることもあって、世界各国から訪れる来場者の関心もアナログ関連機器に向かっている。
なかでも、ドイツにおけるレコードの人気は高い。とりわけハイファイの分野における関心は世界最高水準といっても過言ではなく、展示される製品も超弩級のアナログプレーヤーからさまざまな機構を採用したトーンアームに至るまで、そのバリエーションは極めて多い。
そんな世界中のアナログ関連機器が集結しているHIGH ENDの会場内において、どのオーディオブランドにもないオンリーワンの製品を手がけているのが、日本のDSオーディオだ。DSオーディオはHIGH ENDのブースで、フラッグシップとなるカートリッジ+専用フォノイコライザー「Master 1」をデモンストレーションし、大きな話題を呼んでいる。
同社が手掛けるカートリッジは、レコード盤の音溝に刻まれた情報を拾う際に生じる振幅をそのままの形で出力できることができる光電型のカートリッジだ。
針先の動きを光で検知するという仕組みを採用したこの光電型は決して新しいものではなく、かつて東芝やシャープが製品化するなどしていた経緯がある。しかし、理想的な信号トレース能力を誇る反面、光を発生させることによる熱の問題をはじめ、さまざまな課題に直面し、やがてレコード再生のメインストリームから長らく姿を消してしまうこととなった。
DSオーディオは、もともと光学式マウスを始めとした光学関連機器を開発する企業が立ち上げたブランドだ。同社の「光」に対するノウハウが光電型カートリッジにおける課題を解決し、幻となった光電型カートリッジを現代に蘇らせたのである。
以降、DSオーディオの光電型は世界中のオーディオファイルから「世界唯一の機構を採用した、世界唯一の音を持つカートリッジ」としての評価されるまでに至った。
なかでも特に高い評価を受けたのがドイツだ。
Master 1が出るまでトップエンドモデルとなっていたDS-W1は、ドイツで最も権威がある専門誌「STEREO」で最高評価を獲得し、さらに同誌のレファレンス・カートリッジとなったのである。
DSオーディオが世界中のオーディオファイル達から注目されることとなったきっかけは、このSTEREO誌での高評価にあったといっていいだろう。最もハイファイ環境でのレコード再生に厳しい目を持つドイツでの高評価は、他のヨーロッパ諸国やアジア諸国から関心を集めるターニングポイントとなった。
そんな同社が満を持して発売したのが、今回のHIGH ENDで大きな注目を集めている前述のMaster 1である。
世界で唯一という、ある意味では競合がいないDSオーディオにとって、超えるべき壁となるのは自社製品自体であるといってもいい。現時点では、DSオーディオのカートリッジの評価はそのまま光電型の評価となっていると言っても差し支えないこの状況で、同社が目指したのは「光電型に対する一つの解答」だったという。光電型の持つ潜在能力を全て発揮するカートリッジを作るということこそが、DSオーディオがMaster 1を開発する大きな理由となったのだ。
実際にMaster 1を見てみると、その構造や惜しみない物量の投入に驚くはずだ。
光を検出するスリットをより振動源に近い針先に設置したことに加え、ワイヤーサスペンションによる支持構造を採用するなど、そもそも構造として極めて難易度の高いアプローチを採用。また、サファイヤーカンチレバーとマイクロリッジ針を組み合わせるなど、ここでも従来の針では到達できなかったような極小曲率半径を持つ構造を採用している。
カートリッジそのもののボディやベース、ホルダーなどをジュラルミンとしたことも大きな特徴で、レコードからの音溝を徹底的にピックアップするために考えられることは全て盛り込んだ仕様となっていることも見逃せない。
光電型には必須となる専用のフォノイコライザーについても、完全に左右を独立させたデュアルモノ構成とし、カートリッジのためだけに専用のトランスも装備するなど、その物量には目を見張るものがある。使用する電解コンデンサーは120,000μFという容量を持ち、その数はなんと12本。それぞれを純銅製のバスバーで接続し、筐体だけを見ればパワーアンプと間違えてしまうほどだ。
そして何よりも驚かされるのが、DSオーディオ開発陣の徹底的なカット・アンド・トライの積み重ねである。現代におけるオーディオ機器の開発プロセスにおいてはコンピューターによるシミュレーションで数値的な理想を追い込むことができるが、Master 1の開発においては、考えられる限りの素材やその組み合わせによるテストを何度も繰り返した上で完成させている。
他にライバルのいないDSオーディオにとって、目指すものは理想そのものであったことは想像に難くないが、このことがMaster 1の完成度へとそのまま直結しているのである。
すでにMaster 1は世界へ向けて出荷が開始されている。今回のHIGH ENDを見る限りその話題性は極めて大きく、試聴ブースには常に人だかりができるほどの関心を集めていた。
世界で唯一の方式から世界最高峰のサウンドを持つカートリッジへ。Master 1の登場は、DSオーディオの次なる挑戦へのスタートでもあるといえるだろう。
Master 1は、日本円にしてカートリッジが700,000円(税別)、専用イコライザーが1,500,000円(税別)。早くも世界中のオーディオファイルから「憧れのカートリッジ」として羨望の眼差しを集めている。
いま、世界的にもレコードの一大ブームが巻き起こっていることもあって、世界各国から訪れる来場者の関心もアナログ関連機器に向かっている。
なかでも、ドイツにおけるレコードの人気は高い。とりわけハイファイの分野における関心は世界最高水準といっても過言ではなく、展示される製品も超弩級のアナログプレーヤーからさまざまな機構を採用したトーンアームに至るまで、そのバリエーションは極めて多い。
そんな世界中のアナログ関連機器が集結しているHIGH ENDの会場内において、どのオーディオブランドにもないオンリーワンの製品を手がけているのが、日本のDSオーディオだ。DSオーディオはHIGH ENDのブースで、フラッグシップとなるカートリッジ+専用フォノイコライザー「Master 1」をデモンストレーションし、大きな話題を呼んでいる。
同社が手掛けるカートリッジは、レコード盤の音溝に刻まれた情報を拾う際に生じる振幅をそのままの形で出力できることができる光電型のカートリッジだ。
針先の動きを光で検知するという仕組みを採用したこの光電型は決して新しいものではなく、かつて東芝やシャープが製品化するなどしていた経緯がある。しかし、理想的な信号トレース能力を誇る反面、光を発生させることによる熱の問題をはじめ、さまざまな課題に直面し、やがてレコード再生のメインストリームから長らく姿を消してしまうこととなった。
DSオーディオは、もともと光学式マウスを始めとした光学関連機器を開発する企業が立ち上げたブランドだ。同社の「光」に対するノウハウが光電型カートリッジにおける課題を解決し、幻となった光電型カートリッジを現代に蘇らせたのである。
以降、DSオーディオの光電型は世界中のオーディオファイルから「世界唯一の機構を採用した、世界唯一の音を持つカートリッジ」としての評価されるまでに至った。
なかでも特に高い評価を受けたのがドイツだ。
Master 1が出るまでトップエンドモデルとなっていたDS-W1は、ドイツで最も権威がある専門誌「STEREO」で最高評価を獲得し、さらに同誌のレファレンス・カートリッジとなったのである。
DSオーディオが世界中のオーディオファイル達から注目されることとなったきっかけは、このSTEREO誌での高評価にあったといっていいだろう。最もハイファイ環境でのレコード再生に厳しい目を持つドイツでの高評価は、他のヨーロッパ諸国やアジア諸国から関心を集めるターニングポイントとなった。
そんな同社が満を持して発売したのが、今回のHIGH ENDで大きな注目を集めている前述のMaster 1である。
世界で唯一という、ある意味では競合がいないDSオーディオにとって、超えるべき壁となるのは自社製品自体であるといってもいい。現時点では、DSオーディオのカートリッジの評価はそのまま光電型の評価となっていると言っても差し支えないこの状況で、同社が目指したのは「光電型に対する一つの解答」だったという。光電型の持つ潜在能力を全て発揮するカートリッジを作るということこそが、DSオーディオがMaster 1を開発する大きな理由となったのだ。
実際にMaster 1を見てみると、その構造や惜しみない物量の投入に驚くはずだ。
光を検出するスリットをより振動源に近い針先に設置したことに加え、ワイヤーサスペンションによる支持構造を採用するなど、そもそも構造として極めて難易度の高いアプローチを採用。また、サファイヤーカンチレバーとマイクロリッジ針を組み合わせるなど、ここでも従来の針では到達できなかったような極小曲率半径を持つ構造を採用している。
カートリッジそのもののボディやベース、ホルダーなどをジュラルミンとしたことも大きな特徴で、レコードからの音溝を徹底的にピックアップするために考えられることは全て盛り込んだ仕様となっていることも見逃せない。
光電型には必須となる専用のフォノイコライザーについても、完全に左右を独立させたデュアルモノ構成とし、カートリッジのためだけに専用のトランスも装備するなど、その物量には目を見張るものがある。使用する電解コンデンサーは120,000μFという容量を持ち、その数はなんと12本。それぞれを純銅製のバスバーで接続し、筐体だけを見ればパワーアンプと間違えてしまうほどだ。
そして何よりも驚かされるのが、DSオーディオ開発陣の徹底的なカット・アンド・トライの積み重ねである。現代におけるオーディオ機器の開発プロセスにおいてはコンピューターによるシミュレーションで数値的な理想を追い込むことができるが、Master 1の開発においては、考えられる限りの素材やその組み合わせによるテストを何度も繰り返した上で完成させている。
他にライバルのいないDSオーディオにとって、目指すものは理想そのものであったことは想像に難くないが、このことがMaster 1の完成度へとそのまま直結しているのである。
すでにMaster 1は世界へ向けて出荷が開始されている。今回のHIGH ENDを見る限りその話題性は極めて大きく、試聴ブースには常に人だかりができるほどの関心を集めていた。
世界で唯一の方式から世界最高峰のサウンドを持つカートリッジへ。Master 1の登場は、DSオーディオの次なる挑戦へのスタートでもあるといえるだろう。
Master 1は、日本円にしてカートリッジが700,000円(税別)、専用イコライザーが1,500,000円(税別)。早くも世界中のオーディオファイルから「憧れのカートリッジ」として羨望の眼差しを集めている。