公開日 2016/10/07 12:32
「オーディオ銘機賞2017」審査会がスタート - 審査委員長2名が今年の傾向を語る
多数の優秀モデルから真の「銘機」を選出
小社『季刊・オーディオアクセサリー』誌主催"オーディオ銘機賞2017"の審査会が、本日10月7日(金)に開催される。
「オーディオ銘機賞」は、オーディオ文化の向上とマーケットの活性化を目指し、1978年に創設された。膨大な数の現行するピュアオーディオ・コンポーネント群の中から、卓抜した性能・革新の内容を持ち、しかもオーディオマインドにあふれ、今後のロングセラーおよびベストセラーが予想される、真の意味での「銘機」を選出するのが本賞の趣旨である。結果として、数多くあるオーディオアワードのなかで業界のスタンダードアワードとして幅広く認知され、受賞モデルが必ず人気ヒットモデルとなるという実績を得て、ユーザーはもちろん、オーディオに関わる多くの方から大きな注目を集めるに至った。
また、審査にあたっては公正を期すため、技術的見識の深い「オーディオ評論家の審査委員」と、マーケットにおける商品性に詳しい「流通側の審査委員」で審査員を構成していることが本賞の特徴となっている。審査会では膨大なノミネート機種の中から、三賞「金賞」「銀賞」「銅賞」、および「特別賞」、ジャンルごとの「オーディオ銘機賞」の受賞モデルが決定される。
選考会に先立って、「オーディオ評論家」と「流通」のそれぞれを代表する2名の審査委員長に、今年の全体的な傾向をうかがった。
オーディオ評論家・審査委員長 藤岡 誠氏
予備投票を見ていると、今年も非常にたくさんの優秀機器が出そろっていることがわかります。私としては、去年までもそうだったのですが、今年はなおさら「スピーカーから音のでるオーディオ装置」を評価するをしっかりと念頭に置きたいと考えています。
もちろん、ヘッドホンやイヤホンといったものの足を引っ張るつもりは毛頭ありません。定額制の音楽ストリーミングに代表されるようなリスニングスタイルが、今日ではワールドワイドでのトレンドであることも認識しています。
ただ、それはそれとして、私たちのオーディオは「スピーカーから音を出して、空気を直接的に動かして聴くオーディオ」であるということを、改めて確認しておきたいのです。私たちが担当するのは、ピュアオーディオ、あるいはハイエンドオーディオと呼ばれる領域です。
このオーディオ銘機賞には、ピュアオーディオを構成する入り口から出口までの世界各国の優秀機器がノミネートされます。この中から、一定の枠を設けて賞を与えるという行為は想像以上に大変なものです。冗談ではなく、この時期は審査のことを考えると夜も眠れない日があります。
金賞、銀賞、銅賞の各賞を受賞した製品において、その差はほとんどないと言ってもいいでしょう。そのくらい、ノミネートされる製品のレベルは高く、その差は好みの範疇といってよいくらいなのです。だからこそ、その中から選択を行わなくてはいけない審査員の心理的なつらさというのも、ご理解いただけたらと思います。
金賞や特別賞を受賞する製品が多すぎるのではという声もありますが、個人の心情としては、もっと多くの製品に賞をあげたいというのが本音です。ただ、それをやってしまうと賞の意味がなくなってしまいますので、審査員は各自の考えをもとに非常に厳しい判断を行います。その結果として、オーディオ銘機賞の受賞製品が決定されるのです。
流通・審査委員長 CAVIN大阪屋 森田正二氏
ここ数年、質の高い製品が続々と登場してきましたが、その中でも今年は特に粒ぞろいと言えるでしょう。その意味で、今年の審査会は非常に楽しみであり、一方で悩ましくもあります。
ノミネートされた製品は、まったく新機軸の製品から、人気モデルをブラッシュアップしたもの、過去モデルをベースに新たな製品としたものまで非常に幅広いです。ジャンルや製品の種類も多様で、オーディオの楽しみ方がさらに広がっていることを実感させられます。
ただ、これだけ十分にハイエンドのオーディオ製品が揃ってきているので、できればもう少し、入門機や中級機にも開発の手を伸ばしていただけたらということを、私たち流通のサイドは考えています。
オーディオが非常に厳しい状況にあると言われるなかで、まだオーディオを始めていない人たちが“やってみたい”と思えるような、手頃な価格かつクオリティも備えた商品や、すでにオーディオを楽しみつつもなかなかその先に行けないという方々が、グレードアップしやすくなるようなクラスの製品が増えてくると、オーディオの市場は広がっていくと思います。
それから、ここ2、3年で話題になっているアナログが、確実に定着してきています。レコード工場はプレス予約で一杯ということですし、アナログプレーヤーもハイエンドから手頃な製品まで幅広く出そろってきました。一方で、デジタルオーディオでは、ハイレゾを軸とした進化がより一層進んでいます。オーディオの文化は、このアナログとデジタルが両輪になっています。両輪がそれぞれ回転を上げていけば、さらに多くの方々にオーディオを楽しんでいただけるようになると思います。
なお「オーディオ銘機賞2017」の各賞受賞結果は、11月21日発売の『季刊・オーディオアクセサリー』に掲載される。またファイル・ウェブでも、オーディオ銘機賞特設サイトにて、順次結果をお知らせしていく。
「オーディオ銘機賞」は、オーディオ文化の向上とマーケットの活性化を目指し、1978年に創設された。膨大な数の現行するピュアオーディオ・コンポーネント群の中から、卓抜した性能・革新の内容を持ち、しかもオーディオマインドにあふれ、今後のロングセラーおよびベストセラーが予想される、真の意味での「銘機」を選出するのが本賞の趣旨である。結果として、数多くあるオーディオアワードのなかで業界のスタンダードアワードとして幅広く認知され、受賞モデルが必ず人気ヒットモデルとなるという実績を得て、ユーザーはもちろん、オーディオに関わる多くの方から大きな注目を集めるに至った。
また、審査にあたっては公正を期すため、技術的見識の深い「オーディオ評論家の審査委員」と、マーケットにおける商品性に詳しい「流通側の審査委員」で審査員を構成していることが本賞の特徴となっている。審査会では膨大なノミネート機種の中から、三賞「金賞」「銀賞」「銅賞」、および「特別賞」、ジャンルごとの「オーディオ銘機賞」の受賞モデルが決定される。
選考会に先立って、「オーディオ評論家」と「流通」のそれぞれを代表する2名の審査委員長に、今年の全体的な傾向をうかがった。
オーディオ評論家・審査委員長 藤岡 誠氏
予備投票を見ていると、今年も非常にたくさんの優秀機器が出そろっていることがわかります。私としては、去年までもそうだったのですが、今年はなおさら「スピーカーから音のでるオーディオ装置」を評価するをしっかりと念頭に置きたいと考えています。
もちろん、ヘッドホンやイヤホンといったものの足を引っ張るつもりは毛頭ありません。定額制の音楽ストリーミングに代表されるようなリスニングスタイルが、今日ではワールドワイドでのトレンドであることも認識しています。
ただ、それはそれとして、私たちのオーディオは「スピーカーから音を出して、空気を直接的に動かして聴くオーディオ」であるということを、改めて確認しておきたいのです。私たちが担当するのは、ピュアオーディオ、あるいはハイエンドオーディオと呼ばれる領域です。
このオーディオ銘機賞には、ピュアオーディオを構成する入り口から出口までの世界各国の優秀機器がノミネートされます。この中から、一定の枠を設けて賞を与えるという行為は想像以上に大変なものです。冗談ではなく、この時期は審査のことを考えると夜も眠れない日があります。
金賞、銀賞、銅賞の各賞を受賞した製品において、その差はほとんどないと言ってもいいでしょう。そのくらい、ノミネートされる製品のレベルは高く、その差は好みの範疇といってよいくらいなのです。だからこそ、その中から選択を行わなくてはいけない審査員の心理的なつらさというのも、ご理解いただけたらと思います。
金賞や特別賞を受賞する製品が多すぎるのではという声もありますが、個人の心情としては、もっと多くの製品に賞をあげたいというのが本音です。ただ、それをやってしまうと賞の意味がなくなってしまいますので、審査員は各自の考えをもとに非常に厳しい判断を行います。その結果として、オーディオ銘機賞の受賞製品が決定されるのです。
流通・審査委員長 CAVIN大阪屋 森田正二氏
ここ数年、質の高い製品が続々と登場してきましたが、その中でも今年は特に粒ぞろいと言えるでしょう。その意味で、今年の審査会は非常に楽しみであり、一方で悩ましくもあります。
ノミネートされた製品は、まったく新機軸の製品から、人気モデルをブラッシュアップしたもの、過去モデルをベースに新たな製品としたものまで非常に幅広いです。ジャンルや製品の種類も多様で、オーディオの楽しみ方がさらに広がっていることを実感させられます。
ただ、これだけ十分にハイエンドのオーディオ製品が揃ってきているので、できればもう少し、入門機や中級機にも開発の手を伸ばしていただけたらということを、私たち流通のサイドは考えています。
オーディオが非常に厳しい状況にあると言われるなかで、まだオーディオを始めていない人たちが“やってみたい”と思えるような、手頃な価格かつクオリティも備えた商品や、すでにオーディオを楽しみつつもなかなかその先に行けないという方々が、グレードアップしやすくなるようなクラスの製品が増えてくると、オーディオの市場は広がっていくと思います。
それから、ここ2、3年で話題になっているアナログが、確実に定着してきています。レコード工場はプレス予約で一杯ということですし、アナログプレーヤーもハイエンドから手頃な製品まで幅広く出そろってきました。一方で、デジタルオーディオでは、ハイレゾを軸とした進化がより一層進んでいます。オーディオの文化は、このアナログとデジタルが両輪になっています。両輪がそれぞれ回転を上げていけば、さらに多くの方々にオーディオを楽しんでいただけるようになると思います。
なお「オーディオ銘機賞2017」の各賞受賞結果は、11月21日発売の『季刊・オーディオアクセサリー』に掲載される。またファイル・ウェブでも、オーディオ銘機賞特設サイトにて、順次結果をお知らせしていく。