公開日 2018/05/17 19:08
リアルタイム音楽ストリーミングを検討するコンソーシアムが開催 ー NTTや大学など10団体が参加
商業配信の実現を目指す
「コンサートを再定義する」というコンセプトのもと、リアルタイム音楽ストリーミングの可能性と商業化に向けた取り組みを推し進める民間企業10社と大学研究機関により構成される「デジタルコンサートライブ事業化検討コンソーシアム(DCLC)」がその成果を報告した。
2017年7月26日 設立され、活動を続けてきたコンソーシアムには、日本センチュリー交響楽団といったクリエイターサイドと収録環境の検討を行うエムアイセブンジャパン、流通(通信)の技術協力を行うNTTスマートコネクト、ユーザーが実際に鑑賞できる場の構築を検討しているエムティーアイなどの事業者が参加。これに権利や全体設計を行っている、一般社団法人著作権情報集中処理機構と慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科音楽みらいプロジェクトを加えた12社(1つは大学機関)が参加している。
その第1回目の説明会が、コンソーシアムのメンバーのひとつであるエムアイセブンジャパンの本社にて開催された。解説を行ったのは、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科研究員の大江貴志さん。大江さんの専門は音楽・映像配信サービスにおける権利者の権利処理ということで、このコンソーシアムを著作権という側面からサポートを行っている。
デジタルコンサートライブ事業化検討コンソーシアムは、3年前からコンサートの音源をリアルタイムで高品位にストリームするためのノウハウを研究してきた。ただ先端的なことを行うだけではなく、実際に商業ベースに乗せることを目標に、さまざまな実験を重ねてきたという。
今回の説明会では、この高品位なストリーミングを実現するための技術解説が行われた。NTTは、ひかり電話というインターネットとは独立した通信チャンネルを保持している。5Mbpsの帯域を保持するこの回線を用いることで、安定した品質で96kHz/24bit音源のリアルタイム音楽ストリーミングが行えると考えたのだという。
そして昨年9月に、大阪ザ・シンフォニーホールで開催された公演において、その基盤技術の実証実験が行われた。
音源のアップロード、並びにダウンロードには、ResoNetz(レゾネッツ)社のオーディオソリューション「RSX-1010」を使用。信頼性が高く、遅延が少ないことからこの機器が選ばれたという。ひかり電話のデータ通信サービス「データコネクト」に対応しており、収録した音源をデジタル化し、RSX-1010を用いてひかり回線にアップロード。東京・赤坂のエムアイセブンオフィスで同機材を通じ、リアルタイムでコンサートの音源を試聴する。同時に、大阪・堂島のNTTデータセンターに、ひかり電話回線を用いてアップロードを行い、そこでMPEG-4 ALSというコーデックで音源データを圧縮した後、インターネット回線にアップロード。赤坂でMPEG-4 ALSをデコードできるソフトウェアをインストールしたパソコンで試聴する、という実験が行われた。
デモンストレーションでは、大阪のザ・シンフォニーホールで録音された音源、赤坂オフィスでひかり回線を通じて送り込まれた音源、堂島のデータセンターを通じALSコーデックで一度圧縮されたのちデコードされた音源の3種類を聴き比べを行った。
多少の音質上の変化は認められるものの、遅延も数秒レベルということで、十分にクオリティの高いリアルタイムストリーミングが可能になることが確認された
また、その後12月には軽井沢大賀ホールにて重ねての実証実験を行い、商業レベルの品質を確認したという。
今後の取り組みとして、6月頃に今年度の活動に向けた説明会を開催し、同活動に興味のある団体や事業者を募集。音楽だけではなく映像も含めたリアルタイムストリーミングの検討、権利関係の処理、どのようにして商業サービスとして具現化していくかなど、さまざまな展開を検討していく。具体的な商業化プランは検討中ということだが、例えばコンサートのチケットを購入するのと同じように「デジタルチケット」を購入し、自宅でリアルタイムやに公演後の好きな時間にコンサート体験ができる、というようなものなどを考えているという。
2017年7月26日 設立され、活動を続けてきたコンソーシアムには、日本センチュリー交響楽団といったクリエイターサイドと収録環境の検討を行うエムアイセブンジャパン、流通(通信)の技術協力を行うNTTスマートコネクト、ユーザーが実際に鑑賞できる場の構築を検討しているエムティーアイなどの事業者が参加。これに権利や全体設計を行っている、一般社団法人著作権情報集中処理機構と慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科音楽みらいプロジェクトを加えた12社(1つは大学機関)が参加している。
その第1回目の説明会が、コンソーシアムのメンバーのひとつであるエムアイセブンジャパンの本社にて開催された。解説を行ったのは、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科研究員の大江貴志さん。大江さんの専門は音楽・映像配信サービスにおける権利者の権利処理ということで、このコンソーシアムを著作権という側面からサポートを行っている。
デジタルコンサートライブ事業化検討コンソーシアムは、3年前からコンサートの音源をリアルタイムで高品位にストリームするためのノウハウを研究してきた。ただ先端的なことを行うだけではなく、実際に商業ベースに乗せることを目標に、さまざまな実験を重ねてきたという。
今回の説明会では、この高品位なストリーミングを実現するための技術解説が行われた。NTTは、ひかり電話というインターネットとは独立した通信チャンネルを保持している。5Mbpsの帯域を保持するこの回線を用いることで、安定した品質で96kHz/24bit音源のリアルタイム音楽ストリーミングが行えると考えたのだという。
そして昨年9月に、大阪ザ・シンフォニーホールで開催された公演において、その基盤技術の実証実験が行われた。
音源のアップロード、並びにダウンロードには、ResoNetz(レゾネッツ)社のオーディオソリューション「RSX-1010」を使用。信頼性が高く、遅延が少ないことからこの機器が選ばれたという。ひかり電話のデータ通信サービス「データコネクト」に対応しており、収録した音源をデジタル化し、RSX-1010を用いてひかり回線にアップロード。東京・赤坂のエムアイセブンオフィスで同機材を通じ、リアルタイムでコンサートの音源を試聴する。同時に、大阪・堂島のNTTデータセンターに、ひかり電話回線を用いてアップロードを行い、そこでMPEG-4 ALSというコーデックで音源データを圧縮した後、インターネット回線にアップロード。赤坂でMPEG-4 ALSをデコードできるソフトウェアをインストールしたパソコンで試聴する、という実験が行われた。
デモンストレーションでは、大阪のザ・シンフォニーホールで録音された音源、赤坂オフィスでひかり回線を通じて送り込まれた音源、堂島のデータセンターを通じALSコーデックで一度圧縮されたのちデコードされた音源の3種類を聴き比べを行った。
多少の音質上の変化は認められるものの、遅延も数秒レベルということで、十分にクオリティの高いリアルタイムストリーミングが可能になることが確認された
また、その後12月には軽井沢大賀ホールにて重ねての実証実験を行い、商業レベルの品質を確認したという。
今後の取り組みとして、6月頃に今年度の活動に向けた説明会を開催し、同活動に興味のある団体や事業者を募集。音楽だけではなく映像も含めたリアルタイムストリーミングの検討、権利関係の処理、どのようにして商業サービスとして具現化していくかなど、さまざまな展開を検討していく。具体的な商業化プランは検討中ということだが、例えばコンサートのチケットを購入するのと同じように「デジタルチケット」を購入し、自宅でリアルタイムやに公演後の好きな時間にコンサート体験ができる、というようなものなどを考えているという。