公開日 2018/11/16 16:37
<TIAS>“音のヤマハ”を旗艦「5000シリーズ」でアピール/オルトフォンは世界限定250個の「SPU」を再生
「SELEKT DSM」やPIEGA新製品も披露
東京・有楽町の国際フォーラムにて、「東京インターナショナルオーディオショウ 2018(TIAS 2018)」が本日16日より開幕した。本稿では、ヤマハ/LINN/フューレンコーディネート/オルトフォンのブースについてレポートする。
■「5000」シリーズで “音のヤマハ” をアピール
ヤマハのブースでは、ターンテーブル「GT-5000」(関連ニュース)からの信号を、先日国内導入が発表されたフラグシップのセパレートアンプ「C-5000」と「M-5000」を通じ(関連ニュース)、「NS-5000」スピーカーで再生するというフラグシップシステムが構築された。
この構成には、同社の新製品を揃えたというほかに、 “音のヤマハ” としてのコンセプトを明確にするという意図があると担当者は語る。「音楽メーカーとして理想とする音楽再生を実現するために、最もヤマハのコンセプトを体現するフラグシップモデルで入り口から出口までを組んでいます」との言葉からは、ブランドの自信が見て取れた。
C-5000/M-5000には2年の開発期間が掛けられたそうだが、GT-5000に比べると発表から発売までがスピーディに感じられる。それは「A-S3000」など各モデルの開発にて積み重なった「こうすべき」「ここがいい」といった要点を投入することができたからだという。
5000シリーズには、「まず価格ありきではなく、音のために物量を投入した」と担当者。また、フラグシップモデルはブランディングを担う部分もあるが、その “音のヤマハ” のエッセンスはハイファイ製品だけでなく、全オーディオ製品に投入していくとのことだ。
■LINNがネットワークプレーヤーを「DSM」シリーズに集約
リンジャパンは2つのブースを用意し、1つでは「KLIMAX」を中心とした従来のDSMシリーズ、もう1つには新たに発売された「SELEKT DSM」(関連ニュース)の専用ルームだ。
SELEKT DSMは、これまでのLINNのプロダクトからシャーシもデザインも一新され、ソフトの見直しも図られた。モジュール形式であとから機能追加できる点が大きな特徴で、その開発には「DSの反省点をすべて解決する」という意図があるという。
例えば天面にはボリューム操作や曲送り/戻し、インプットセレクターなどに使用するガラスダイヤルを装備し、フロントには6つのスマートボタンを備える。このスマートボタンからは「Pin」機能により割り当てられたコマンドをダイレクトに呼び出せるため、「この曲を再生」などの操作が6通り記憶できることになる。
LINNではタブレットなどからの操作の利便性が高く評価されていたが、一方でこうした直接本体を操作できることを望む声も多く、それに応えるかたちでこうした仕様になっていったとのことだ。
また、先日「KLIMAX DS」「AKURATE DS」の生産完了が発表された(関連ニュース)。この際のアナウンスの通り、その理由としては「ラインナップの複雑化」が挙げられ、これからLINNに触れるユーザーにとってのハードルが外されることになる。
「DS」「DSM」のラインナップは2007年に発売された「KLIMAX DS」のある意味で派生モデルであるのに対し、SELEKT DSMは「LP12」のアップデートのような考え方を盛り込んだ製品だと説明された。
会場では価格の変更についてもアナウンス。「AKURATE DSM」が90万円から110万円、「AKURATE EXAKTBOX 10」が70万円から100万円、「AKURATE EXAKTBOX 6」が65万円から70万円、「MAJIK DSM」が50万円は45万円になる(価格はすべて税抜)。
■オルトフォン100周年を記念する新たなSPU
オルトフォンのブースで注目を集めていたのは、世界限定250個で12月下旬より発売される「The SPU Century」だ(関連ニュース)。
同社の創立100周年を記念し展開される「Century」は、これまで「The MC Century」「The Concorde Century」と登場してきたが、ついにSPUがラインナップされた。それも、SPU初となる完全新規設計のハイブリッド式Gタイプヘッドシェルが用意されている。
このシェルは、同社独自の「SLM(Selective Laser Melting)」技術によりアルミニウム粉末を一層ずつ重ねて成形されたシェルボディと、天然無垢ブナ材のボトムカバーで構成。金属の制震性と木材の響きを兼ね備えるとアピールされる。
さらにCentury専用のシバタ針を採用し、レコードの溝の隅々まで信号を読み取ることができるとしている。250個という限定であることもあり、発表時からこれまでに掛けて、すでに多くの問い合わせが寄せられているとのことだ。
またブースには参考出展として、スピーカーケーブル「SPK-Bronze Premium」「SPK-Black Premium」が展示された。日本での発売などは未定だが、オルトフォンのなかではハイエンドに位置づけられる製品となり、ブースでは本ケーブルを接続した音も確認できる。
■PIEGA
フューレンコーディネートのブースでは、PIEGAを中心に、DavoneやBRODMANNなどデザイン面でも目を引くスピーカー群が、OCTAVEの真空管アンプやAavik ACOUSTICSの新製品であるプリメインアンプ「U-150」など、同社が取り扱うブランドの製品で鳴らされていた。
特に注目なのは、12月7日の発売に向けて発表されたばかりのPIEGA「Master Line Source 3」だ。フラグシップである「Master Line Source 2」と、リボンシステム「ラインソースドライバー」4基にUHQDウーファー2基を搭載するユニット構成は同じだが、全体的にスリム化が行われている。
「Master Line Source 2は広い部屋での設置が想定されていたが、Master Line Source 3はより生活に馴染めるようにデザインされた」というように、サイズ面のみならず、壁との距離が近すぎる場合でも自身で調整できるよう、背面の音響レンズにはめ込んで使用できるダンピング材を付属するなど配慮されている。
また、ボトムプレートに平型脚/スパイクも付属し、音質面への影響だけでなく、本体が地震などで倒れるといったことがないようにも工夫が施されている。
なお、本社兼工場に訪問した「PIEGA Factory Tour - ピエガ本社工場訪問記 -」も近日公開予定だ(関連ニュース)。
■「5000」シリーズで “音のヤマハ” をアピール
ヤマハのブースでは、ターンテーブル「GT-5000」(関連ニュース)からの信号を、先日国内導入が発表されたフラグシップのセパレートアンプ「C-5000」と「M-5000」を通じ(関連ニュース)、「NS-5000」スピーカーで再生するというフラグシップシステムが構築された。
この構成には、同社の新製品を揃えたというほかに、 “音のヤマハ” としてのコンセプトを明確にするという意図があると担当者は語る。「音楽メーカーとして理想とする音楽再生を実現するために、最もヤマハのコンセプトを体現するフラグシップモデルで入り口から出口までを組んでいます」との言葉からは、ブランドの自信が見て取れた。
C-5000/M-5000には2年の開発期間が掛けられたそうだが、GT-5000に比べると発表から発売までがスピーディに感じられる。それは「A-S3000」など各モデルの開発にて積み重なった「こうすべき」「ここがいい」といった要点を投入することができたからだという。
5000シリーズには、「まず価格ありきではなく、音のために物量を投入した」と担当者。また、フラグシップモデルはブランディングを担う部分もあるが、その “音のヤマハ” のエッセンスはハイファイ製品だけでなく、全オーディオ製品に投入していくとのことだ。
■LINNがネットワークプレーヤーを「DSM」シリーズに集約
リンジャパンは2つのブースを用意し、1つでは「KLIMAX」を中心とした従来のDSMシリーズ、もう1つには新たに発売された「SELEKT DSM」(関連ニュース)の専用ルームだ。
SELEKT DSMは、これまでのLINNのプロダクトからシャーシもデザインも一新され、ソフトの見直しも図られた。モジュール形式であとから機能追加できる点が大きな特徴で、その開発には「DSの反省点をすべて解決する」という意図があるという。
例えば天面にはボリューム操作や曲送り/戻し、インプットセレクターなどに使用するガラスダイヤルを装備し、フロントには6つのスマートボタンを備える。このスマートボタンからは「Pin」機能により割り当てられたコマンドをダイレクトに呼び出せるため、「この曲を再生」などの操作が6通り記憶できることになる。
LINNではタブレットなどからの操作の利便性が高く評価されていたが、一方でこうした直接本体を操作できることを望む声も多く、それに応えるかたちでこうした仕様になっていったとのことだ。
また、先日「KLIMAX DS」「AKURATE DS」の生産完了が発表された(関連ニュース)。この際のアナウンスの通り、その理由としては「ラインナップの複雑化」が挙げられ、これからLINNに触れるユーザーにとってのハードルが外されることになる。
「DS」「DSM」のラインナップは2007年に発売された「KLIMAX DS」のある意味で派生モデルであるのに対し、SELEKT DSMは「LP12」のアップデートのような考え方を盛り込んだ製品だと説明された。
会場では価格の変更についてもアナウンス。「AKURATE DSM」が90万円から110万円、「AKURATE EXAKTBOX 10」が70万円から100万円、「AKURATE EXAKTBOX 6」が65万円から70万円、「MAJIK DSM」が50万円は45万円になる(価格はすべて税抜)。
■オルトフォン100周年を記念する新たなSPU
オルトフォンのブースで注目を集めていたのは、世界限定250個で12月下旬より発売される「The SPU Century」だ(関連ニュース)。
同社の創立100周年を記念し展開される「Century」は、これまで「The MC Century」「The Concorde Century」と登場してきたが、ついにSPUがラインナップされた。それも、SPU初となる完全新規設計のハイブリッド式Gタイプヘッドシェルが用意されている。
このシェルは、同社独自の「SLM(Selective Laser Melting)」技術によりアルミニウム粉末を一層ずつ重ねて成形されたシェルボディと、天然無垢ブナ材のボトムカバーで構成。金属の制震性と木材の響きを兼ね備えるとアピールされる。
さらにCentury専用のシバタ針を採用し、レコードの溝の隅々まで信号を読み取ることができるとしている。250個という限定であることもあり、発表時からこれまでに掛けて、すでに多くの問い合わせが寄せられているとのことだ。
またブースには参考出展として、スピーカーケーブル「SPK-Bronze Premium」「SPK-Black Premium」が展示された。日本での発売などは未定だが、オルトフォンのなかではハイエンドに位置づけられる製品となり、ブースでは本ケーブルを接続した音も確認できる。
■PIEGA
フューレンコーディネートのブースでは、PIEGAを中心に、DavoneやBRODMANNなどデザイン面でも目を引くスピーカー群が、OCTAVEの真空管アンプやAavik ACOUSTICSの新製品であるプリメインアンプ「U-150」など、同社が取り扱うブランドの製品で鳴らされていた。
特に注目なのは、12月7日の発売に向けて発表されたばかりのPIEGA「Master Line Source 3」だ。フラグシップである「Master Line Source 2」と、リボンシステム「ラインソースドライバー」4基にUHQDウーファー2基を搭載するユニット構成は同じだが、全体的にスリム化が行われている。
「Master Line Source 2は広い部屋での設置が想定されていたが、Master Line Source 3はより生活に馴染めるようにデザインされた」というように、サイズ面のみならず、壁との距離が近すぎる場合でも自身で調整できるよう、背面の音響レンズにはめ込んで使用できるダンピング材を付属するなど配慮されている。
また、ボトムプレートに平型脚/スパイクも付属し、音質面への影響だけでなく、本体が地震などで倒れるといったことがないようにも工夫が施されている。
なお、本社兼工場に訪問した「PIEGA Factory Tour - ピエガ本社工場訪問記 -」も近日公開予定だ(関連ニュース)。