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公開日 2023/07/13 11:16

アイレックス・河口湖試聴室訪問。REED、Alare、AUDIA FLIGHTなど垂涎のラインナップを試聴可能

9月より販売店経由で訪問予約が可能
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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ハイエンドオーディオ専門の輸入代理店であるアイレックスの試聴室が、河口湖近くに新たに誕生。完成したばかりの試聴室に早速お邪魔させてもらった。

河口湖近くに建設されたアイレックスの試聴室

アイレックスは2010年よりアメリカのケーブルブランドNVS soundの輸入からビジネスをスタート、現在はリトアニアのREED、イタリアのAUDIA FLIGHT、Alare、ドイツのAudiospecialsなど多数のブランドの国内展開を行っている。実は輸入業務のほかに複数のオーディオ関連ソリューション技術も所持しており、そのライセンスビジネスも展開している。CDや圧縮音源をアップサンプリングするeilex HD Remaster、また自然な音の広がり感を実現するイコライジング技術eilex PRISMは、シャープのテレビなどにも搭載されている。

アイレックスの朝日社長(左)とセールス担当の松橋さん(右)

アイレックスの試聴室へのこだわりが他を圧倒するのは、「森を切り開く」ところから始まっていること。社長の朝日英治さんは「普通の試聴室にはしたくなかったんです」と、河口湖近くに土地を買うところからスタート。文字通り「森」だったところから木を切り倒して平地を確保、建物の設計やデザインも自身で考案し、ハイエンドオーディオのためだけの試聴室を完成させた。計画から完成まで7年の月日がかかっているという。

アイレックスの試聴室は、河口湖駅から富士山方面に車を20分程走らせた山の途中にある。外から見ると3階建てに見えるが、実は試聴スペースのために天井を高く確保しているためで、実際には2階建てとなっている。

建材にはコンサートホールなどでも使われる響きの良いウェスタンレッドシダーを採用、床材には剛性の高いサクラの木を使用しており、建物そのものにもオーディオルームとしてのコンセプトが貫かれている。

メインスペースは23畳ほどの広い試聴室で、取材時にはAlareのスピーカー「Remiga 2」と、AUDIA FLIGHTの「Strumento n8」がモノラル構成で2台設置されていた。外から見える3階建ての高さはすべて吹き抜けで、「パイプオルガンの高さをしっかり表現すること、また低域を飽和させないためにしっかり容積を確保したいと考えてこのような設計にしました」と試聴室のコンセプトを語る。

1Fは広い試聴室。AlareのRemiga 2とAUDIA FLIGHTのモノラルパワーアンプ2台。左奥にはAlareの弟機であるRemiga 1

アナログプレーヤーにはREEDの「Muse 3C」に、トーンアーム「REED 5T」を組み合わせ。 フォノイコライザーはAudiospecialsの「phonolab 1.5」に、TEDESKAのカートリッジ「DST-201uc」を組み合わせ。CDプレーヤーはAUDIA FLIGHTの「FLCD THREE S」にプリアンプ「Strumento n1」と同社取り扱いブランドのトップクラスの製品ラインナップが並ぶ。

REED、AUDIA FLIGHTなど同社の主力ラインナップが揃う

さらにはケーブルやアクセサリー類もハイエンドグレードのものを惜しみなく投入。スペインのハイエンドケーブルブランド、FONO ACUSTICAのインターコネクトからフォノ、スピーカーケーブルまで統一されていることに加えて、ケーブルインシュレーター「FAL-2」を左右5台ずつ、仮想アース「Compas」も左右2台使用するという贅沢なシステム。アクセサリー類の価格だけでも数百万円を超える。

FONO ACUSTICAのケーブルインシュレーターや仮想アースでさらに音質を強化

部屋の奥には薪ストーブ。夏は涼しく湿度も低くて過ごしやすいが、冬場は氷点下まで下がることがあるらしい。森を切り開いた時の木は庭に積み上げており、冬場には薪として使用することになるという。「この薪ストーブひとつで建物中しっかり暖まりますよ」と朝日さん。

薪ストーブの火を眺めながら音楽を聴くのもまた至福のとき

冬場には薪として活躍する

建物内部の配線も、フジクラのシールド付きの配線材を使用。またオーディオ用の電源は、その他の電源ラインとは分離してなるべくピュアな電源を供給できるように設計されている。「山の中なので夜は真っ暗になってしまいますが、その分電源環境はめちゃくちゃいいですよ!」と笑顔を見せる。

左がシールド付きの内部配線材、中央が床材のサクラ、右が天井や壁などに使われているウェスタンレッドシダー

今後は製品の試聴室として国内のお客様に製品ラインナップを体験してもらうことはもちろん、海外からのお客様を招いたホームパーティなども計画しているとのこと。試聴室の奥はちょっとしたキッチンスペースで、カトラリー類も一通り揃えてある。朝日さん自身がドリップしてくれるコーヒーも絶品だ。

ホームパーティができるスペースも用意

ちなみに2Fは客室となっており、お風呂も用意されているため宿泊も可能。湯船からは富士山が望めるというのもまた贅沢。

実はこの取材は、FONO ACUSTICAの主宰者であるフェリックス・アヴァロス氏の来日に合わせ、その特別インタビューも兼ねている。井上千岳氏によるインタビューの模様は、8月25日発売の「季刊・オーディオアクセサリー 190号」にて掲載予定なので、こちらもお楽しみに。

井上千岳氏(左)とFONO ACUSTICAのフェリックス・アヴァロス氏(右)

今回は先行お披露目で、正式な稼働は9月からを予定しているという。アイレックスの試聴室に興味のある方は、販売店経由でぜひ問い合わせしてほしい。

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