公開日 2023/12/04 11:29
関西からの“刺客”が熱戦をさらに盛り上げる。カーオーディオコンテスト「イングラフカップ」をレポート
24台の車が八戸に集結
10月15日(日)、青森県八戸市のカー/ホームオーディオショップ「イングラフ」にて、カーオーディオのチューニングの腕を競う「イングラフカップ」が開催された。
昨年同様、岩手のカーオーディオショップ「サウンドフリークス」との共催で、基本的には地元のカーオーディオファンを中心とした交流会だが、今年はなんと関西エリアから参加者が2名登場。普段はAV Kansaiのショップにてカーオーディオの腕を磨いている竹松正彦さんと紙谷祐亘さんが「今日は“AV東北”として参戦です!」と気合たっぷりの様子を見せていた。
PHILE WEBでもレポートしている通り、カーオーディオコンテストの全国大会「ハイエンドカーオーディオコンテスト(以下ハイコン)」や「ヨーロピアンカーオーディオコンテスト」において、東北勢がここ数年著しい躍進を見せている。
竹松さんも今回の参加の目的について、「(ハイコンのAクラスで2年連続優勝を飾った)須田山さんに会いたかった…というのももちろんあるのですが、私の車が8位だったのが非常に悔しくて。より上位を狙うためにはどうしたらいいか学びたいと思って参加しました」とのこと。
今回のイングラフカップには24台の車が参加し、3台ごとにグループを組んだトーナメント戦が行われた。チームは「AV東北」のほか、「サウンドフリークスチーム」、「LAVID(ラビッド)チーム」、須田山さんを中心とする「チーム須田山」、カーオーディオの初心者とベテランが組んだ「ダブルスコア」、それに「メーカーデモカー」など全8チームとなる。
審査員には、オーディオ評論家の岩井 喬氏に加えて、鳥取にあるショップ・ジパングの道祖尾さん、そしてAV Kansaiの岩元さんの3人が参加。2チームずつトーナメント形式での試聴・審査が行われた。
課題曲は、クラシック、ジャズ、ロック、J-Popとさまざまなジャンルの音楽を選定。審査員は、「ステレオイメージ」や「情報量」「分解能」など、コンテストで重視される項目を中心にチェックしそれぞれの車に対してコメントを加えていく。コメントを待つ参加者の視線は真剣そのもので、オーディオ評論家や全国でも名を馳せるディーラーからの客観的な評価は、今後のカーオーディオの方向性を決める上でも大きな参考になる。
いくつか注目の車両も紹介しよう。紙谷さんのアウディ「RS5」もコンテストの上位入賞常連カーのひとつ。やはり楽曲の分析力はさすがといったところで、楽器の数が多く混濁しがちなマーラーの「交響曲第5番」を見通しよく再現する。エリック・クラプトンやエド・シーランの声の質感表現も見事で、MORELのスピーカーの密度の濃さの魅力を引き出してくる。
サウンドフリークスの佐藤清人さんからは、カーオーディオの音作りの段取りについても教えてもらった。コンテストなどに向けて音を追い込んでいく前に、まずは課題曲だけではなく「アナウンサーの声」や「お寺の鐘の音」など、音楽以外の音源も複数用意し、それらを聴き込むことからスタートするのだという。
「アナウンサーの声はモノラルのものを使っています。モノラルの音声が中央にちゃんと定位すること、これをしっかりやらないと何を聴いても気持ち悪い感じになってしまうのです。鐘の音も同じで、その響き、余韻の消え方がきちんと再生されていることが大切です。まずはオーディオとしての基本をちゃんと抑えてから、その次の段階として課題曲をどう攻略するかを考えていきます」
課題曲については、店舗に設置しているPARADIGMのPersona 3Fを使い、「ホーム環境でどう聴こえるか」をしっかり頭に叩き込んでから音質の追い込みに入るのだという。BMWのデモカーにおいても、5ウェイという複雑なユニット構成を自在に使いこなし、それぞれの帯域が自然につながり包み込まれるようなサウンドステージを構築している。やみくもに課題曲にあたるのではなく、オーディオの基本を抑えてから次のステージに進んだ方が結果的に近道になる、というのはサウンドフリークスのチューニングのポリシーでもあるようだ。
サウンドフリークスから独立し、昨年11月一関市に新店「LAVID」をオープンしたばかりの佐々木裕太さん。9月のハイコンのディーラーコースにおいて、初登場で9位にランクインした期待のショップでもある。BMWの「523d」では非常に安定したサウンドステージが実現されており、声のニュアンス表現も非常に細やか。低域の質感表現は今後の課題になりそう。
10月のトライムミーティングに合わせて、初めてカーオーディオを初めて作ったという及川さん。ホンダ・オデッセイで参加となる。「いろんな方々の音を聴いて、自分がどんな音を作りたいかをもっと知っていきたいと考えています」とカーオーディオのさらなるレベルアップに情熱を傾ける。
トーナメント戦の優勝を飾ったのは「AV東北」チームで、やはり関西圏の実力の高さを聴かせてくれた。2位は「ブースカ」、3位は「ラビッド」と地元のチームが続く。
イングラフカップ初参加の岩井氏は、「非常に密度の高い会に参加できて大変嬉しく思います」と、地域密着のカーオーディオコミュニティの広がりに感心した様子。岩元氏は、「最近の車はハイ上がりぎみのものが多くありましたが、安心するトーンに戻ってきた印象があります。ぜひみなさんもお店に足を運んでいただいて、より高いレベルを目指して切磋琢磨していただければと思います」と参加者を激励する。
イングラフの木村さんも、「お店をやっている立場として、関西からお客さんが来てくれることは本当に嬉しいですし、もっとカーオーディオを盛り上げていきたいという思いを新たにしました。来年もぜひやりましょう!」と締めくくった。
昨年同様、岩手のカーオーディオショップ「サウンドフリークス」との共催で、基本的には地元のカーオーディオファンを中心とした交流会だが、今年はなんと関西エリアから参加者が2名登場。普段はAV Kansaiのショップにてカーオーディオの腕を磨いている竹松正彦さんと紙谷祐亘さんが「今日は“AV東北”として参戦です!」と気合たっぷりの様子を見せていた。
PHILE WEBでもレポートしている通り、カーオーディオコンテストの全国大会「ハイエンドカーオーディオコンテスト(以下ハイコン)」や「ヨーロピアンカーオーディオコンテスト」において、東北勢がここ数年著しい躍進を見せている。
竹松さんも今回の参加の目的について、「(ハイコンのAクラスで2年連続優勝を飾った)須田山さんに会いたかった…というのももちろんあるのですが、私の車が8位だったのが非常に悔しくて。より上位を狙うためにはどうしたらいいか学びたいと思って参加しました」とのこと。
今回のイングラフカップには24台の車が参加し、3台ごとにグループを組んだトーナメント戦が行われた。チームは「AV東北」のほか、「サウンドフリークスチーム」、「LAVID(ラビッド)チーム」、須田山さんを中心とする「チーム須田山」、カーオーディオの初心者とベテランが組んだ「ダブルスコア」、それに「メーカーデモカー」など全8チームとなる。
審査員には、オーディオ評論家の岩井 喬氏に加えて、鳥取にあるショップ・ジパングの道祖尾さん、そしてAV Kansaiの岩元さんの3人が参加。2チームずつトーナメント形式での試聴・審査が行われた。
課題曲は、クラシック、ジャズ、ロック、J-Popとさまざまなジャンルの音楽を選定。審査員は、「ステレオイメージ」や「情報量」「分解能」など、コンテストで重視される項目を中心にチェックしそれぞれの車に対してコメントを加えていく。コメントを待つ参加者の視線は真剣そのもので、オーディオ評論家や全国でも名を馳せるディーラーからの客観的な評価は、今後のカーオーディオの方向性を決める上でも大きな参考になる。
いくつか注目の車両も紹介しよう。紙谷さんのアウディ「RS5」もコンテストの上位入賞常連カーのひとつ。やはり楽曲の分析力はさすがといったところで、楽器の数が多く混濁しがちなマーラーの「交響曲第5番」を見通しよく再現する。エリック・クラプトンやエド・シーランの声の質感表現も見事で、MORELのスピーカーの密度の濃さの魅力を引き出してくる。
サウンドフリークスの佐藤清人さんからは、カーオーディオの音作りの段取りについても教えてもらった。コンテストなどに向けて音を追い込んでいく前に、まずは課題曲だけではなく「アナウンサーの声」や「お寺の鐘の音」など、音楽以外の音源も複数用意し、それらを聴き込むことからスタートするのだという。
「アナウンサーの声はモノラルのものを使っています。モノラルの音声が中央にちゃんと定位すること、これをしっかりやらないと何を聴いても気持ち悪い感じになってしまうのです。鐘の音も同じで、その響き、余韻の消え方がきちんと再生されていることが大切です。まずはオーディオとしての基本をちゃんと抑えてから、その次の段階として課題曲をどう攻略するかを考えていきます」
課題曲については、店舗に設置しているPARADIGMのPersona 3Fを使い、「ホーム環境でどう聴こえるか」をしっかり頭に叩き込んでから音質の追い込みに入るのだという。BMWのデモカーにおいても、5ウェイという複雑なユニット構成を自在に使いこなし、それぞれの帯域が自然につながり包み込まれるようなサウンドステージを構築している。やみくもに課題曲にあたるのではなく、オーディオの基本を抑えてから次のステージに進んだ方が結果的に近道になる、というのはサウンドフリークスのチューニングのポリシーでもあるようだ。
サウンドフリークスから独立し、昨年11月一関市に新店「LAVID」をオープンしたばかりの佐々木裕太さん。9月のハイコンのディーラーコースにおいて、初登場で9位にランクインした期待のショップでもある。BMWの「523d」では非常に安定したサウンドステージが実現されており、声のニュアンス表現も非常に細やか。低域の質感表現は今後の課題になりそう。
10月のトライムミーティングに合わせて、初めてカーオーディオを初めて作ったという及川さん。ホンダ・オデッセイで参加となる。「いろんな方々の音を聴いて、自分がどんな音を作りたいかをもっと知っていきたいと考えています」とカーオーディオのさらなるレベルアップに情熱を傾ける。
トーナメント戦の優勝を飾ったのは「AV東北」チームで、やはり関西圏の実力の高さを聴かせてくれた。2位は「ブースカ」、3位は「ラビッド」と地元のチームが続く。
イングラフカップ初参加の岩井氏は、「非常に密度の高い会に参加できて大変嬉しく思います」と、地域密着のカーオーディオコミュニティの広がりに感心した様子。岩元氏は、「最近の車はハイ上がりぎみのものが多くありましたが、安心するトーンに戻ってきた印象があります。ぜひみなさんもお店に足を運んでいただいて、より高いレベルを目指して切磋琢磨していただければと思います」と参加者を激励する。
イングラフの木村さんも、「お店をやっている立場として、関西からお客さんが来てくれることは本当に嬉しいですし、もっとカーオーディオを盛り上げていきたいという思いを新たにしました。来年もぜひやりましょう!」と締めくくった。