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公開日 2001/03/27 15:22
松下電器AVC社 戸田社長が「創生21計画」を語る
●本日、松下電器産業株式会社AVC社の掲げる「創生21計画」の取り組みについて記者会見が催された。松下電器専務・AVC社社長の戸田一雄氏が行った「創生21計画」における時代認識、AVC社の成長戦略、AVC社の事業構造革新についての説明および質議応答の模様を以下のとおり紹介する。
<松下電器産業株式会社AVC社の「創生21計画」について>
1.時代認識
アナログ製品成熟による厳冬期を経て、現在はBSデジタル放送スタートなど、ポピュラーデジタル/ネットワーク萌芽の春の時代を迎えている。資源の最適配分を行うことにより、日本発の夢の提供、力強い経営の時代を迎えようとしている。
アナログ成熟期には5つの苦悩があった。それは、1.需要一巡、超高普及による需要の閉塞状態 2.平均単価の長期下落 3.製造拠点の海外シフトと国内空洞化/雇用問題発生 4.付加価値のデバイス/ソリューションへのシフト化により、完成品組立で利益の上がらない状態 5.莫大な開発投資の発生 といった内容である。悪魔のサイクルともいえるこの状態を脱皮するには、日本でしか作れないものを確立することが不可欠である。
しかし現在では、新しい文化、需要が発生している。それは、インタラクティブ・コミュニケーション文化である。従来のワンサイド、受身文化からコミュニケーションへと文化のかたちが進化している。パソコンから携帯電話、デジタルテレビへとより簡便なツールを核にしたネットワークの形成、放送と通信の融合により、TV&モバイルネットワークの展開、蓄積デバイスの進化、白物家電のネットワーク化などがはかられ、大衆ネットワーク時代が到来したと言える。そういった観点でも、これからの企業は総合力をもつことが不可欠とされる。
2.AVC社の成長戦略
AVC社は、民生A・V・C単独3峰型事業を推進する単独メーカーからの脱皮をはかり、IT&ネットワークソリューションカンパニーとして、大衆ネットワーク時代をリードする民生事業を推進、局設備・業務用ネットワーク設備事業の充実、デバイス/ソリューション事業の拡大をめざす。
民生事業の推進としては、大衆化ネットワーク時代の中心エンジンをテレビとして、テレビ事業にネットワーク技術を結集する。また、「放送・通信融合」コンセプトを展開、携帯電話やPDAの開発に注力する。これについては松下通信との共同事業化が不可欠である。さらに、蓄積メディア充実に伴うネットワークペリフェラル事業の展開として、SDカードのデファクトスタンダード化をめざし、DVD、AVハードディスクの強化をはかっていく。
ネットワーク設備事業の推進としては、デジタル放送の局設備から端末までのEnd to End事業を推進していく。また、業務用デジタルAVシステムの航空機用システムの展開と地上施設の応用を、鉄道、船舶、スタジアム、劇場、病院などへと展開していく。
デバイス/ソリューション事業の拡大としては、DVDソフト、デジタルテープ、光レンズ事業・光ピックアップ事業などのデバイス、ePF(ソリューションサービス)としてハードディスク内蔵のSTBの充実、開販一元化体制による局設備ソリューションの充実強化によってソリューション事業を拡大していく。
3.2001年度AVC社の事業構造革新
2001年4月1日より、AVC社はマトリクス事業グループ制を導入する。映像事業グループ、AVCネットワーク事業グループ、システム事業グループの3事業グループをおき、それぞれがカテゴリー別自主責任経営体制であるビジネスユニット制をとっていく。そして、3事業グループを横断するマトリクス職能組織をしき、事業グループ別ファクトリーセンターの自立をめざしていく。以上のことにより、開発スピードのアップ、投資の効率化、内部ロスの低減をはかるものである。
ファクトリーセンターの展開としては、国内にハイテクファクトリーセンターをおき、海外に既存事業中心のファクトリーセンターをおく。それぞれのセンターは固有技術に源泉シフトをプラスさせ、ブラックボックスを武器としていく。そして、ファクトリーセンターは事業グループの共有ユニットとして存在するものとする。
AVC社ではWeeklyマネージメントの導入をはかる。YearlyをQuartelyに、MonthlyをWeeklyに、経営速度を4倍化し、経営のスピードアップ、経営ロスの排除、少数精鋭の実施をめざすものである。
そして、国内家電の改革をはかる。これについては、3月30日に別途説明の機会を設けるものである。
(以上、戸田社長による解説)
<質議応答>
Q.PDA開発について具体的には
A.PDAは放送と通信の融合において夢のある分野である。しかしW-cdmaを皮切りに端末に求められる機能も変わっていく。松下電器としては、自らの力で新しい技術を確立して行きたい。
Q.ビデオテープの今後とDVD-RAMについて
A.ビデオはアナログからデジタルへの移行にともなう単価ダウンなどで、今後は厳しい状況にあり、テープのデジタル化はやむを得ないものと考える。
DVDについては、トータルでは倍々の伸びをみせているが、DVD-RAMについてはもっとリーズナブルな価格にもっていけるよう、メーカーとして努力が必要である。
Q.開発投資について具体的に
A.あらゆるAVCのデジタル化などが当面の課題である。放送のデジタル化(End to End)、放送と通信の融合、光ファイバーといった分野に重点をおいていく。
Q.日本でしか作れないものとは
A.日本でしか実現できない技術を確立することである。工場のブラックボックス化をはかり、日本人の感性を活かしたものづくりを推進していく。
Q.ブランドマネージメントについて、各国での展開は
A.各国でつくられている商品のイメージ維持は、それぞれの国の生活文化に貢献することを第一義と考える。
Q.パソコン「人」のネーミングはどう受け止められているか
A.パソコンは今やネットワークに必須のものである。英字のネーミングでもよいが、親しみやすい日本語のネーミングで「人」とした。パソコンの業界は、しかし厳しいものである。松下電器では、次はテレビが核となるネットワークをめざしていく。
(Phile-web編集部)
<松下電器産業株式会社AVC社の「創生21計画」について>
1.時代認識
アナログ製品成熟による厳冬期を経て、現在はBSデジタル放送スタートなど、ポピュラーデジタル/ネットワーク萌芽の春の時代を迎えている。資源の最適配分を行うことにより、日本発の夢の提供、力強い経営の時代を迎えようとしている。
アナログ成熟期には5つの苦悩があった。それは、1.需要一巡、超高普及による需要の閉塞状態 2.平均単価の長期下落 3.製造拠点の海外シフトと国内空洞化/雇用問題発生 4.付加価値のデバイス/ソリューションへのシフト化により、完成品組立で利益の上がらない状態 5.莫大な開発投資の発生 といった内容である。悪魔のサイクルともいえるこの状態を脱皮するには、日本でしか作れないものを確立することが不可欠である。
しかし現在では、新しい文化、需要が発生している。それは、インタラクティブ・コミュニケーション文化である。従来のワンサイド、受身文化からコミュニケーションへと文化のかたちが進化している。パソコンから携帯電話、デジタルテレビへとより簡便なツールを核にしたネットワークの形成、放送と通信の融合により、TV&モバイルネットワークの展開、蓄積デバイスの進化、白物家電のネットワーク化などがはかられ、大衆ネットワーク時代が到来したと言える。そういった観点でも、これからの企業は総合力をもつことが不可欠とされる。
2.AVC社の成長戦略
AVC社は、民生A・V・C単独3峰型事業を推進する単独メーカーからの脱皮をはかり、IT&ネットワークソリューションカンパニーとして、大衆ネットワーク時代をリードする民生事業を推進、局設備・業務用ネットワーク設備事業の充実、デバイス/ソリューション事業の拡大をめざす。
民生事業の推進としては、大衆化ネットワーク時代の中心エンジンをテレビとして、テレビ事業にネットワーク技術を結集する。また、「放送・通信融合」コンセプトを展開、携帯電話やPDAの開発に注力する。これについては松下通信との共同事業化が不可欠である。さらに、蓄積メディア充実に伴うネットワークペリフェラル事業の展開として、SDカードのデファクトスタンダード化をめざし、DVD、AVハードディスクの強化をはかっていく。
ネットワーク設備事業の推進としては、デジタル放送の局設備から端末までのEnd to End事業を推進していく。また、業務用デジタルAVシステムの航空機用システムの展開と地上施設の応用を、鉄道、船舶、スタジアム、劇場、病院などへと展開していく。
デバイス/ソリューション事業の拡大としては、DVDソフト、デジタルテープ、光レンズ事業・光ピックアップ事業などのデバイス、ePF(ソリューションサービス)としてハードディスク内蔵のSTBの充実、開販一元化体制による局設備ソリューションの充実強化によってソリューション事業を拡大していく。
3.2001年度AVC社の事業構造革新
2001年4月1日より、AVC社はマトリクス事業グループ制を導入する。映像事業グループ、AVCネットワーク事業グループ、システム事業グループの3事業グループをおき、それぞれがカテゴリー別自主責任経営体制であるビジネスユニット制をとっていく。そして、3事業グループを横断するマトリクス職能組織をしき、事業グループ別ファクトリーセンターの自立をめざしていく。以上のことにより、開発スピードのアップ、投資の効率化、内部ロスの低減をはかるものである。
ファクトリーセンターの展開としては、国内にハイテクファクトリーセンターをおき、海外に既存事業中心のファクトリーセンターをおく。それぞれのセンターは固有技術に源泉シフトをプラスさせ、ブラックボックスを武器としていく。そして、ファクトリーセンターは事業グループの共有ユニットとして存在するものとする。
AVC社ではWeeklyマネージメントの導入をはかる。YearlyをQuartelyに、MonthlyをWeeklyに、経営速度を4倍化し、経営のスピードアップ、経営ロスの排除、少数精鋭の実施をめざすものである。
そして、国内家電の改革をはかる。これについては、3月30日に別途説明の機会を設けるものである。
(以上、戸田社長による解説)
<質議応答>
Q.PDA開発について具体的には
A.PDAは放送と通信の融合において夢のある分野である。しかしW-cdmaを皮切りに端末に求められる機能も変わっていく。松下電器としては、自らの力で新しい技術を確立して行きたい。
Q.ビデオテープの今後とDVD-RAMについて
A.ビデオはアナログからデジタルへの移行にともなう単価ダウンなどで、今後は厳しい状況にあり、テープのデジタル化はやむを得ないものと考える。
DVDについては、トータルでは倍々の伸びをみせているが、DVD-RAMについてはもっとリーズナブルな価格にもっていけるよう、メーカーとして努力が必要である。
Q.開発投資について具体的に
A.あらゆるAVCのデジタル化などが当面の課題である。放送のデジタル化(End to End)、放送と通信の融合、光ファイバーといった分野に重点をおいていく。
Q.日本でしか作れないものとは
A.日本でしか実現できない技術を確立することである。工場のブラックボックス化をはかり、日本人の感性を活かしたものづくりを推進していく。
Q.ブランドマネージメントについて、各国での展開は
A.各国でつくられている商品のイメージ維持は、それぞれの国の生活文化に貢献することを第一義と考える。
Q.パソコン「人」のネーミングはどう受け止められているか
A.パソコンは今やネットワークに必須のものである。英字のネーミングでもよいが、親しみやすい日本語のネーミングで「人」とした。パソコンの業界は、しかし厳しいものである。松下電器では、次はテレビが核となるネットワークをめざしていく。
(Phile-web編集部)