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公開日 2001/04/11 15:11

松下電器、(株)Hi-Hoブロードバンドシステムズを設立-ePFのイメージ画面も初公開-

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<左>前川洋一郎・eネット事業本部長  <右>ePFのイメージ画面
●松下電器産業(株)は、インターネットを利用した情報システム及び通信ネットワークの企画・開発・販売・運営・保守及び管理を行う「株式会社ハイホー ブロードバンドシステムズ」(略称:Hi-Ho BBS)をTIS株式会社、株式会社PFUとの合弁会社として5月15日付で設立する。これに関連したプレスセミナーも本日開催され、松下電器のeネット事業本部長である前川洋一郎氏などが出席した。

同社では、PCばかりでなく、松下電器がすすめるeSTB(イーセットトップボックス)をベースとした「eプラットフォーム(ePF)」事業など、ノンPCの機器に対して動画その他のコンテンツをクロスメディア配信していく時代を見据え、インターネットシステムの構築、ノンPC向けインターネット新サービスのバックヤード事業など、ブロードバンド時代に期待される様々な新サービスへ迅速的確に対応したシステムインテグレーションビジネスを早期に拡大することを目指していく。

Hi-Hoでは95年よりインターネット動画ライブ中継に取り組んでおり、今までに60件放映した実績を持っている。また、今年2月にはブロードバンドコンテンツサイト「Hi-Ho Media TV」を開設するなど、動画配信への積極的な取り組みを行ってきた。さらに、この動画配信サービス事業を一層強化するため、関西においてサービスビジネス実証実験を立ち上げ、システムやサービスの実験を行っている。

ブロードバンドによる動画配信が普及すれば、当然EC(電子商取引)事業の必要性も格段に増す。そこで松下電器では、EC事業をeネット事業本部内で社内分社化し、「EC事業カンパニー」を設立。Hi-HOで培ったノウハウを集中し、PCをはじめ、モバイル、TV(放送)、CATVなどメディア横断的なEC事業の確立、さらにeプラットフォーム事業における新しいECビジネスモデルの実現など、様々な領域を一括して請け負えるカンパニーを目指していく。

セミナーの途中では、同社のeプラットフォームの画面や具体的なサービスイメージを初公開。もちろんまだ開発中の物だが、BSデジタルのデータ放送とはひと味違うサービス内容を盛り込んでいた。天気予報やニュースなどはBSデジタルでも実現しているが、ePFではそれらに加え、トップに「パパ」「ママ」といったボタンが並ぶのが特徴的。「パパ」を押すと男性が好みそうなコンテンツメニューが現れ、その中から「釣り」を押すと、釣り番組が瞬時に現れるといった具合だ。ePFを見るためのeセットトップボックスにはハードディスクが標準で装備されるため、あらかじめ趣味嗜好やキーワードを登録しておけば、それに合致した番組を自動的にHDDに蓄積する、などということもカンタンに行える。「ママ」メニューの中には料理レシピもあり、いくつかに分かれた手順をクリックすると、動画が再生され、同時に必要なテキストが表示される。

前川本部長が語ったところによると、近くeプラットフォーム社から何らかの重要な発表がある模様。こちらにも注目だ。

それでは、Phile-web名物【Q&A全問掲載】をお届けしよう。今日は少なく、3問だけ。なお、質問に答えたのはすべて前川本部長である。

■Q:ソニーもネット関連のビジネスに力を入れている。ビジネスの方法として、松下電器はどこが違うのか?
■A:エンド・トゥー・エンドでネットビジネスをやろうとすると、どうしても形は似てくるだろう。だが、松下電器は、「暮らし」「モバイル」「地上波」でネットビジネスを展開していくつもりだ。その点で、ソニーとは方向性が異なるだろう。

■Q:松下電器では、2001年からの3年間で500億円の投資をeネット事業に行うとの発表が昨秋あったが、その数字はまだ変わっていないのか?
■A:変わっていない。たとえばブロードバンドのコンテンツ配信にしても、コンテンツは他社と提携したりすることで安く調達できる。

■Q:ソニーがePFネットから離脱した理由は?
■A:「遺伝子が違う」ということだろう。エンド・トゥー・エンドでいうところの、上と下を重視しているのがソニーで、真ん中、つまりプラットフォームを大切にしているのが松下、という言い方もできるかもしれない。“端末”というものに対する考え方も違うようだ。

(Phile-web編集部)



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